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現代魔法使いの捕蝶記  作者: 天野 洋
1章 ガレイスト王立学園編
17/19

マッスル・パーフェクト・ドリンク 4

「よしやっと着いたぞ、ここの池に2つの材料があるんだよな」


 移動し始めてから1時間ほどで目的地の湖らしき場所に出た。

 何の変哲もない湖にしか見えないが何らかの生物がいるのだろうか?


「ああ、ここには月光草の雫に、ガラクレオヌの目玉の材料があるみたいだ」


「そうなのか」


 魚か何かいるのかなと俺は池に近づいてそっと覗いていると

 グレイ急いでこっちに近寄ってきて


「危ないから止めるんだゼブル!」


 必死に制止してきた

 この手のパターンはエロゲにおいて王道だな

 俺はすばやく池から飛び退く

 次の瞬間バシャンと水飛沫を上げながら2メートルはある巨大な何かが飛び出して来て俺が居たであろう所に着地した。

 そして、俺がその何かを視認すると……


「なんだ、これは……」


 つい絶句してしまった。

 そこにいたのは美しい鱗に凛々しい背びれ、極めつけは閉まらない口にあほづら、そしてなぜか生えている筋肉隆々の四肢。

 これは……どこのマグロ○ンだ!!!

 もう一度言うぞ

 これはどこのサンマ○だ!!!

 うあ、こっち見ながら何か始めてるんですけど


「ふふ、愚かな人間め、我の名はサケマン、この湖の主にして世界一の筋肉を持つ魚だ!我の攻撃を見てみるがいい、まずは手始めのダブルバイセップス・フロント! 見よ!我の上腕二頭筋 この黄金色の逆三角形を!」


「……」


「お次はラットスプレッド・フロント! ふははは、唸りを上げる背中の筋肉がまるで羽ばたく鳥の羽根のように輝いているぅぅぅ」


「……」


「素晴らしすぎて声も出ないようだな、いくぞ必殺トドメのモスト・マスキュラー! ふはははは、最も筋肉を強調するこの技に手も足も出まい」


「……ってグレイお前何で服を脱いでいるんだ」


 俺がサケマンの精神攻撃にフリーズしていると横でサケマンを見ていたグレイが服を脱いでいた。


「なぜってそれはあんな素晴らしい筋肉を見せられたら俺も筋肉を見せずにはいられまい、筋肉は至高である筋肉信仰の俺としては止まることは許されないのだ」


「はいはい、あれがガラクレオヌって魚であってるね?」


「うむ、そうだ、さていくぞ我が必殺の筋肉を見てみるがいいサイドチェ――」


 ぐしゃっ


 俺は素早くインベントリからバスターソードを取り出してサケマンを両断した。

 無論ステータスは完全開放状態で手加減など皆無である。

 サケマンは避けることなどできずに己が死んだことも気付かずにポージングをしていてどこか幸せそうな顔をしていた、魚だから幸せそうとか分からないがな!

というかポージングしてたのが魚に手足が生えたものだったから人間と同じようなポージングしても意味が無いんじゃないのかと思うんだが、はっきり言ってあのポージングもシュールなギャグにしか見えなかったがグレイには別に見えたのだろうか、たくこれだから筋肉愛好家は訳分からないぜ。


「うおおおおおおお、何をしているんだゼブル、筋肉の戦いに水を差すなどとは」


「いや、うざいから、とっとと材料集めようぜ」


 俺はグレイの戯言を一蹴し解体用ナイフでサケマンの目を抉りだしインベントリの中に入れる。

 まだ愚図るグレイを無視して湖の周りを歩いてもう一つの材料である月光草を探す。

 

 そして1時間ほど湖の周りを探すとやっと目的のものらしい月光草が見つかった。

 外見はごく普通の草だがこれも下半身というか根の部分が筋肉隆々の体でしたという落ちなのだろう。

 俺はグレイから本を捥ぎ取り月光草の詳細を見ようとしたが残念ながら月光草の詳細は書かれてなかった、おそらくグレイは月光草の詳細について調べているのだろうが、現在グレイはさっきのショックから未だ立ち直っておらず「サケマン……サケマン……」とぶつぶつ呟いている。

 仕方ないのでこの草を抜いてみよう、雫というが草の表面には雫は見当たらないのでおそらく葉とか根を傷つけると雫が出るタイプだろうと適当にあたりを付けてみたためだ。

 俺は月光草を掴むと一気に上に引き上げた。

 そして月光草の下半身と言うか根は俺の予想通り筋肉隆々の体だった。

 俺がそれを見て呆然としていると

 グレイがやっと夢の世界から帰ってきたみたいで


「ゼブルそいつからすぐ離れるんだ!」


と警告した


ご意見、ご感想お願いします


今回出たマグロマンはグリザイア、サンマンはリライトHFです


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