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現代魔法使いの捕蝶記  作者: 天野 洋
1章 ガレイスト王立学園編
11/19

反魂蝶は舞う 3


 はあ、ひどい目に遭った

 朝から昨日のキャバクラに入るところを賀茂さんに見られて午前中ずっとそのことでいじられ続け

 千崎さんからは朝ぼこぼこにされた後もずっと痛いほど視線が…

 

 まあ、今現在もその視線に晒されてるんですけどね


 俺は賀茂さんと千崎さんからとりあえず距離を取りたかったのだが、敢え無く失敗し昼休みも一緒にご飯を食べることになっていた。

 どうも賀茂さんは俺をからかうことがお気に召したのかずっと話しかけてきている

 千崎さんの方は俺をずっと睨んでいて話しに参加して来ないが


 とりあえず、この状況でティシュ達と合流したら…

 うん、考えたくないな

 あいつらとは今日は会えないことを祈っておくわ

 俺は学食の列に並びつつそう思った





「そういえばウィル君といつも一緒に食べている人たちは今日は見かけないね」


 食事中に賀茂さんが凄く残念そうに俺に話しかける

 

 それはそうだろう

 今現在俺はステータスのリミッターを解除し

 高DEXによる隠密

 高INTによる認識阻害

 高INTによる結界術

 ティシュたちに軽度の盲目デバフ

 を駆使して見つからないようにしている

 見つかるはずがない

 そのはずだ…

 

 例え俺がティシュ達の目の前に居ても気づくことはないだろう

 エロゲではよくこの状態でミスをして見つかるのだろうが

 如何せんステータスとスキルランクが違いすぎる

 俺が解除しない限り絶対見つかるはずは…

 はずはないのだが…


 なぜか隣のテーブルにティシュ達が座りやがった

 見えてないはず

 見てないはずなのだが

 なぜ、隣に座るのだ!

 認識されているはずはないと分かってはいるのだが凄く心臓に悪いし賀茂さんの話に全く集中することができない

 そのせいでさっきから不審に思われている


「どうかしたのウィルくん? さっきから挙動不審なんだけど」


「いや、何でもないよ」


「そう?」


 あまり不審に思われても困るので適当に話題を提供してお茶を濁そう。


「そういえば賀茂さんたちは反魂蝶って知ってる? 最近噂になってるって聞いたんだけど」


「そういえば同じ寮の方たちがそういう話をしていたのを聞いたことがあります、何でもフェニックスの羽よりも凄い物があるっていう」


「そそ、それの出所についての噂聞いたことない?」


「残念ながら聞いたことありませんね、でも夜中にこの都市の外縁部で綺麗な蝶を見たっていう話は聞いたことがあります、それが反魂蝶かどうかは知りませんが」


「夜中に外縁部で飛ぶ綺麗な蝶ね、夜中に蝶が飛ぶことは普通ないんだけど、街灯に集まっていたとか、日没前だったとか、蛾っぽかったとかそういう可能性はないのかい?」


「いえ、ただ夜中にこの都市の外縁部で綺麗な蝶を見たっていう話を聞いただけなのでそこまでは…」


「ふむ、そうか、一度外縁部に調べに行ってみるか、そもそもどんな蝶が普通に飛んでいるのやら」


「お役に立てなくてすみません」


「いやいや、その情報だけでもありがたいよ」


「ところでウィル君はなぜ反魂蝶について調べているのですか?」


 こちらを見てくる賀茂さんの顔は興味津津だ

 まるで自分達も俺が何かしているのに混ぜてくれと言っているみたいに

 危ない件かも知れないから着いてきてほしくないんだけど


「反魂蝶についてはちょっとしてアルバイトみたいなものかな」


「アルバイトって何ですか?」


 なぜか賀茂さんがこちらを見てきょとんとしている

 まるで今の言葉が分からなかったみたいに

 まずったな

 アルバイトなんて言葉この世界には存在しないのか

 慣れたと思ったらこれだな


「ああ、いや、知り合いからの依頼なんだ、反魂蝶について興味があるみたいでね」


「そうですか、良かったらその依頼私も手伝いましょうか? ほら人手は多いに越したことはないじゃないですか」


 賀茂さんは俺が思った通りに首を突っ込む気満々だった

 ティシュが確実に厄介事だって断言している件だから危険だろう

 俺が断ろうとすると


「駄目に決まっているだろ! こいつと夜に外縁部に行くなんて…だ、だってこいつはキャ、キャバクラに行っているような男だぞ、絶対綾香にく、口では言えないような事をするに決まっている!」


 あのう、千崎さんそれを大声で言わないでください

 俺が結界魔法で遮断してなかったらめちゃくちゃ目立ちますから

 しかも、あなたの中で俺がどんな扱いなっているのやら


「心配しなくても大丈夫ですよ、知和ちゃん、ウィルくんにそんな度胸はないと私信じていますから!」


 賀茂さん…なぜそれをドヤ顔でおっしゃるのでしょうか

 まあ、出会って2カ月で授業以外の会話してないのに信じてくれるのは嬉しいが

 その方向性は如何なものだろうか

 

「こいつと出会ってまだ2カ月だぞ! こいつのことを信じられない!」


「私、人を見る目は有るつもりだけどな、知和ちゃん」


「私はそう簡単に人の事を信じれない!」


「知和ちゃんは相変わらず…」


 なんか会話が混沌としてきたな

 まあ、俺も会って2カ月

 しかも授業以外で会話してない奴の事を信じるのはどうかと思う

 概ね千崎さんの意見に同意だが、それで賀茂さんが引きさがるとは思えないんだよな

 彼女なら黙って俺の後を付いて来るとか、夜の外縁部に一人で来たりしそうだ

 むしろ千崎さんのことだから簡単に賀茂さんの口車に乗って付いてくるのが簡単に想像できる、全くもってお守りになってないと思うわ

 まあ、仕方ないが妥協案で行くしかないだろう

 とりあえずヒートアップしている二人を制止するために軽くチョップをする


「いたっ」


「きゃっ」


「はいはい、そんな熱くならないようにね、どうしても納得行かないのなら妥協案を出せばいいんじゃないかな、とりあえず行くのは夜じゃなくて昼にして、他の人も連れて行けば大丈夫だろ」


 俺がそう言うと思わぬ所から返答が返ってきた。


「それは良い案だな」


「私も参加させていただきますね」


「俺っちも面白そうだから参加希望で」


「なの」


「え、みんな、盗み聞きなんてまずいって」


 何か空耳が聞こえたような気がするんだが…

 俺は恐る恐る後ろを向くとなぜかネルたち5人がこちらを向いていた。

 素早く確認するが俺が仕掛けた結界術、認識阻害、盲目のデバフ、隠密さえ解かれて代わりにネル達と俺達のテーブルを含む範囲に新たに結界が敷かれ、俺にはいつの間にかかなり強力な盲目のデバフが付いている。

 俺に気付かれずに全て解除し結界を敷き、デバフを与えるとは…

 即座にアナライズで解析する

 この結界の構成からしてあいつか…

 性格的に考えてもあいつしかいないだろう

 余計な事をしてくれる

 俺はため息を吐き、仕方なくネル達の方を振り向く


「お前らどこから話を聞いていたんだ?」


「「「「割と最初の方から」」」」


 ネルを除く4人が声を揃えて言ってきた。

 俺はその答えに呆れる他なかった。


 そして、その後今いる全員で夜の外縁部に行くことに決まったのは仕方がないことだろう。


投稿が遅くなり済みません、忙しかったんです!主にエロゲーで(笑)


マビノギでも最近は忙しいのですがゴールデンウィークで時間も取れるので再び更新できるようになると思います。


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