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現代魔法使いの捕蝶記  作者: 天野 洋
1章 ガレイスト王立学園編
10/19

反魂蝶は舞う 2


 朝の日差しが廊下を照らしている

 いつもより15分程早く俺は学園の廊下を歩いていた

 そのせいもあってか他の生徒達とはほとんど擦れ違わってはいない


 なぜ俺がいつもより早く登校しているかと言われれば理由は一つである

 昨日の反魂蝶の件などではなく、俺の青春満喫らいふ!計画のためだ

 つまり朝早く登校してクラスメイトとお話して俺の青春度をアップさせるためである

 


 だいたいクラスメイトの刀少女千崎 知和と大和撫子の賀茂 綾香さんは俺よりもはるかに早く登校していていつも先に教室に居る、俺はいつも授業が始まるぎりぎりまでエロゲをプレイして来ていたので今日は彼女達と少し早く来て会話を楽しもうという魂胆だ。


 俺は陰陽術の教室に着くと勢いよくドアを開け、元気よく挨拶をする。


「おはよう!」


「おはようございます」


「ッ、おはよう」


 賀茂さんの方はにこやかに挨拶してくれたが、いつもと変わらず千崎さんはこちらを睨んでいる。

 千崎さんはいつもこんな感じなので俺は気にしない

 あれだ、ツンデレというやつなのだろう


 さて彼女達と会話を…

 かいわを…

 かい…

 話す内容考えてなかった!

 彼女達と話そう話そうと思っていて内容を考えていないとは


 何について話すか

 エロゲはまずいだろうな

 エロゲネタで外さなかったことはないからな

 それとなるとバカゲーネタ?

 いやいや、まずいだろう、間違いなく千崎さんがキレるだろう

 求めるのはギャグではないもっと普通のネタを…

 ネタを…

 エロゲで覚えてるとこって変なシーンとか台詞しかないんだけど!


 ヤバイ、エロゲが…

 万能なエロゲが…

 万能なはずのエロゲが使えないだと…


「ウィルくん、今日は珍しく早いんだね、いつもはぎりぎりの時間に登校してくるのに」


 幸いなことに賀茂さんが話しかけてくれた。

 よし、このままどうにか話を続けなくては


「そうなんだよね、俺にしては珍しく今日は早く目が覚めちゃって、それにしても賀茂さん達は登校するの早いよね、俺もけっこう早く来たと思ったのに」


「そうですね、私達は大体授業の30分前には来ていますから」


「へぇ~、そんなに早く来て何をしてるの?」


 俺がそう言うと賀茂さんは笑顔で答えてくれた


「私ね、こうやって友達と一緒に朝早く登校して、授業までの時間談笑したりするのが夢だったの」


 なんか重そうな話キタアアアアアアアアアアアア

 どうしよう、ただ単に朝のお楽しみ会話大作戦がなんか思いもよらぬ方向に来たんだけど…

 

 いや、待つんだ俺、よくあるエロゲのお嬢様設定のキャラにもこういうのが多い

 エロゲ定番のイベントと言っても良いだろう

 この手のエロゲイベントの回想を行うんだ!

 …

 ふう、なんとか落ち着いたな

 まあ、彼女の話を聞いてみよう


「私の家は桜花王国では古い家の生まれだったの、だから桜花王国では普通に接してくれる友達がいなかったの、知和ちゃんも一応名目上護衛だったから人の目を気にして友達として接することができなかったの、けれど私の家は桜花王国では有名だけど他国なら特別視されるほど有名ではないから普通の学校生活ができると思ったの」


 ふむ、よくあるエロゲのパターン通りのお嬢様だな

 これなら想定の範囲内だ


「それでも、なぜなのか分からないけど友達が全然できなかったの、私が話しかけようとすると女の子達は遠慮してしまうし、話しかけてくるのは命知らずな男ばかりで…」


 いや、あなたを見れば確実に良いとこお嬢さんどころではないと皆分かるからじゃないかと…

 それと刀少女がじっと睨んでいるのがまずいと思うんです

 今もかなり睨まれてるんですけど

 これを一般生徒がやられたら絶対に逃げるわ

 てか、命知らずな男ばかりって

 ナンパなのか…

 どうなったかというかどう処理したかは聞かない方が良いだろう

 でも、何気にその中にティシュが居たのかどうかちょっと気になるが


「だからウィルくん、私と友達になってくれませんか?」


「ああ、いいよ、よろしく賀茂さん」


 俺は悩む必要などないと即決で了承し左手を差し出す。

 賀茂さんも笑顔で右手を出してきて握手をする。

 今回は刀少女じゃなくて千崎さんも邪魔をすることはないようだ。

 予め賀茂さんに言われていたのだろう。


「じゃあ、今度は知和ちゃんですね」


 彼女はそう言うと素早く千崎さんの背後へと周り、ぐいぐいと押し出し千崎さんを俺の前まで無理やり押してきた。


「い、いや、別に私はこいつなどと友達にならなくても」


「私のお友達は知和ちゃんのお友達なんですから、一緒に居る人がどんな人か知っていた方が護衛役としてはいいでしょう?」


「ぐ、それは…」


「昨日可愛い子猫ちゃんに気をとられて私から目を話してそのまま迷子になったのはどこのどなただったかな?」


「ぐぬぬ」


 千崎は俺のことを親の敵みたいに凄い形相で睨みながらしぶしぶ右手を差し出してきた。

 俺は左手を千崎さんに差しだし握手をする。


「これからもよろしくね、千崎さん」


「あ、ああ、よろしく」


 千崎さんはグレイと同じく力を込め俺の手をメキメキと締め付けてきたが気にしない。

 ツンデレだから仕方ないよね


「では知和ちゃんともお友達になったところでウィルくんに質問良いですか?」


「ああ、俺が答えられることなら何でもいいよ」


「何でも良いんですか? 言質取りましたからね、実は昨日知和ちゃんとはぐれた時にちょうどウィル君を見つけたのですが」


 言質を取った?

 …

 あれ、賀茂さん

 あなた何をおっしゃっているのでしょうか

 嫌な予感がするのですが


「声をかけようとしたところ、良くお昼をご一緒にされている方が先に声を掛けられてどこかに行くようなので、私は後をつけることにしました」


 いやいやいや

 なんでそこで声を掛けずにそこで後をつけるの!

 え、もしかしてこれって…


「私が後をつけるお二人はピンクレディというオシャレな建物に入って行きました、そこで私は近くを歩いていた親切そうなおばさんに声を掛け、知り合いが入って行ったあのオシャレな建物は何なのかと尋ねました」


 ピンクレディ…何か聞きおぼえがあるような(遠い目

 昨日ティシュと一緒に入った店なんて一つしかないですよね

 これはアレだ、エロゲでよくある展開の一つ…


「親切なおばさんはなぜか声を潜めアレはキャバクラって言うんだよとおっしゃい、その知り合いとは距離を置くことを勧められました」


 ああ…

 完全にアウトだな


「ウィルくん、キャバクラって何ですか?」


 そう尋ねた賀茂さんの顔は今までで一番楽しそうだった。

 そして、後ろで腰に差した刀をゆっくりと抜いてこちらに歩いてくる刀少女の顔は般若のように恐ろしいものだった。


 エロゲイベントって美味しいモノもあるけど、実際笑えないものの方が多いよね。


 俺はまた一つエロゲーユーザーとして高みに上がったのだった。


今回から書き方を変えてみました、多分こっちの方が読みやすくなってるんじゃないかと思います、余裕ができれば前の話も全部この書き方で随時書き直していこうと思いますので何かご意見、ご感想などよろしくお願いします

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