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贈り物

 彼女はその日だけでなくたびたび病室を抜け出そうとした。

そのたびに私は何らかの方法で彼女を引き留めるのだった。

不思議な事に幽霊は触れようと強く思えば物質に干渉することもできるようだ。最初の内は金縛りの様な手荒い真似だったが徐々に慣れ、出来るだけ優しく引き留める方法も会得していった。

しかし、幾ら心内強く思ったところで所詮生き返りたいという生への執着心がそう至るまで強い思いを発揮するのであるからか彼女にふれることは儘ならなかった。

そして決心したのだ、彼女に此の部屋からでも幸せを見つけられるようにと行動することを。

 併しながら勿論私は目標は達成するつもりである。

 今の時期は二月の下旬、梅が少し早く咲いていた。

其の花弁をかき集め、窓のあたりにちりばめると彼女は今迄見たことの無い程喜び、そして窓の外を見つめまた悲しそうにする。

「久しぶりにみたわ。こんなきれいな花弁。」

たまにこんな独り言をつぶやき微笑むものだから、幾ら閉じ込める対象とはいえ愛おしく感じ、同時に悲しくも感じるのだった


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