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第43話 うひょう!やっとバーベキューだぜ!……あれ?まだバス?

さて……ようやくみんなと合流して、今は新幹線の中。目的地の駅まであと一時間半ぐらいだ。


みんな思い思いに行動してる。え?情景描写?めんどい。


特に向かい合わせの席、俺の目の前に座ってるクール気取った根暗のいちゃこいてる姿なんて絶対説明しない。ちなみに俺の隣はさくらだ。


そして通路を挟んで隣の席には、充、満、友基。その前に克也、里奈、一太郎、ハル。……あれ情景描写してね?俺ツンデレじゃね?


ハルは友基から逃げた。そのせいで友基はご機嫌がすこぶる悪い。その友基が海に話しかける。


「おいジジイのチン毛みてーな頭してるチンカスヤロウ。あんまりいちゃこくとむしってパイパンにすっぞコラ」


こいつスタートから全開フルスロットルだ!テレビだったらほとんどピーって入っちゃうからね!


対する海は機嫌がいいのか、鼻で笑うだけだ。友基はその行動が逆に頭にきたらしい。


「テメー!俺と勝負しやがれ!」


「あっ、いいですね!じゃあトランプしましょうよ!」


友基の売り言葉に乗ったのは、さっきから暇そうにしていたロリボーイ充。


「よし!じゃあ俺様が勝ったら次の話は『パイパンジジイの出家物語~ああチンカスが目にしみて~』な!」


つまり坊主にするって事だろう。もう史上最低のタイトルだな。


友基が負けたらどうすんだろ。


「おまえ負けたらどうすんの?」


「俺が負けたらなんかモヤモヤッとした感じで終わる」


もう今の時点でモヤモヤしたよ!


と、ここで満がにっこりと人差し指を立てて口を挟んだ。


「じゃあ負けたら、友基先輩と一太郎先輩がキス、というのはどうでしょう?」


ああやっぱりこの子もデンジャラスだったんだ!


その言葉に、さらに充が付け足す。


「そうだね!ほら、一野郎のルックスは残念な方ですし、十分罰ゲームになるかと」


もうその発言が一太郎にとって罰ゲームだからね!ていうかいちやろうってだれ!?


「ちょっと!何で僕が友基君とキスなんて!」


さすがにこれは一太郎が却下するだろう。


「キスなんてっ……!キス……なんて……」


なんで満更でも無さそうなの!?おい恥ずかしそうに目を伏せながら視線を泳がすのやめろ!所在なさげに両手を口元に持ってくんな!!


友基が絶句してるうちに、どうやらそれに決まったらしい。


「で、ゲームは何をやるんだ?」


そういう海はさらさら負ける気は無いらしい。


問われた充は、うーん、と唸りながら悩んでいた。そしてしばらく考えた後、口を開いた。


「大富豪にしましょう!というかそれしか知りません!」


じゃあ何をそんなに考えてたの!?


と、ここで、友基がこちらに潤んだ瞳を向けてきていることに気付いた。


「まさと~、さくら~……俺大富豪よえーんだよぅ……」


結局巻き込まれたか……。


「しょうがねーな。俺も海にはそろそろイメチェンの時期かなって思ってたしな」


「政人!心のなんとかよ~!」


そこ曖昧にしないで!?


「ええー……。でもそしたら、私たちも負けたら罰ゲームなんでしょ?」


さくら?そこはモヤモヤッとしとこうぜ。


「じゃあ、政人さんが負けたらー……」


充がさくらに耳打ちする。


さくらの顔が、ボンッと爆発した。


そして充がみんなに次々耳打ちしていく。みんな、へえ、とか、ほう、とかいいながら、俺をニヤニヤ見つめてくる。なんだよ?俺の顔に面白いおっさんでもくっついてんのか?……取って取って!


「さくらちゃん……。がんばってね!私頑張って勝つから!」


綾ちゃんは充に耳打ちされてからやけに張り切りだした。……マジで気になる。


ルールは3対3(俺、友基、さくら対海、充、綾ちゃん)のチーム戦になった。三人合わせて3回大富豪になったチームの勝利。

で、それぞれひとりずつに手札が配られるが、仲間にも手札は見せてはいけない。審判(克也になった)もいるし、これはズルできないだろう。

ただ、順番は仲間が3人続きなので、そこがチームワークの見せ所だろう。

革命あり、ローカルルールなし、ワイルドカードなしのシンプルルールだ。


克也がカードを配る。ちなみにテーブルは窓の下辺りからテュルンとのびる式だ。3人で2人席に座ってるからかなり狭い。こらこらさくら、甘い香りで私を誘惑するのはやめなさい。


まわりから両チームの応援の声が入り混じる。


「充、お姉さんが教えた通りにやれば勝てるわ」


「キス……なんて……」


「政人しねー!」


「政人しねー!」


満以外応援じゃねぇ!そこの女2人は特にな!


「しゃらくせえ!俺は早くバーベキューが食いたいんだよ!こんなもんさっさと終わらすぞ!」


カードを配る克也が俺を怪訝そうに見る。


「ん?しかし政人、駅までまだ1時間以上あるが……」


「え?―――――。があんじゃん」


「身も蓋もないな……」



―――――。



ほらね?簡単でしょ?


で、どうなったって?ストレート負けだよバカヤロウ。


目の前には、喜びを分かち合う3人。対して俺達は、いまだに顔が真っ赤なさくらを睨んでいた。


さくらはとてつもなくギャンブルが強い。そのためか、俺達は手札が半端なく強かった。にやりと笑う俺と友基。そして一番手のさくらが出した札。


フォーカード。革命。


2試合目。今度こそ俺達。さくら。革命。


3試合目。もしかして俺達。さくら。革命。


「テメーはどこの革命家!?おかげで俺があのメガネと革命だよくそったれ!」


友基の憤りももっともだ。


と、海が友基の肩にポンと手を掛ける。友基と目が合うと、にっこりと一太郎を親指で指した。


一太郎が、里奈とハルに押されてこちらの席までやってきた。……もじもじしながら。


「ちょ、ちょっとまって海君!?うそだよね?海君はもうおにいさんだもんね!」


「ああ、一太郎。友基がべろちゅーだと」


「あれ?通じてないのかな?どうして俺の腕をがっちり後ろで掴んでるのかな?一太郎!テメーやめろ!舌チロチロしながらこっちくんな!やめろ!やめろおおおぉぉぉぉぉぉぉ……んむ……!……!!……」



―――――。



あー……、ちょっと見ちゃいけないもん見ちまった。今回の件で一太郎と男性陣の間に大きな溝ができたな。あいつは危険すぎる。


今は目的の駅に着いて、その駅前で待機中だ。


「あっ、来た来た!うぇーーーい!」


充が声を上げながら、こちらにやってくるマイクロバスに手を振る。そのバスは俺等の眼前で止まり、出て来たのは体躯のいい中年のオッサンと、その隣に金髪碧眼超絶美女。


「ういっす、久しぶりオッサン」


そう、充、満の父親、そして俺の叔父にあたる人だ。


「おう!久しぶりだな!まったくでかくなりやがって!ところで誰ですか?」


「知ったかぶり!?政人だよ!」


「ああ、思い出した」


このオッサンのボケっぷりは相変わらずだな……。


俺は隣にいる金髪碧眼超絶美女に目を移す。この人がオッサンの奥さんか……。なるほど、この人ならあの双子の母親というのも頷ける。


奥さんは俺の視線を感じたのか、俺を見ると、金髪碧眼超絶笑顔をしながら、握手を求めてきた。


「始めまして。私、岳夫たけおの妻で、クレアです。よろしくね」


「あ、どうも。斎藤政人です」


そう言って握手を交わす。オッサンはかなりふざけた性格だけど、奥さんはしっかりしてるみたいだな。日本語ペラペラだし。


「ところで政人君は、この中の何人とヤッちゃった?」


空気が、凍った気がした。ああ、爆弾小僧の生みの親ここにありだな。


みんなの視線が集まる中、俺は狂ったように首を横にシャウトし続けた。


……手も繋いじゃいないよクソヤロウ!


「ふふっ、そういう話は後のお楽しみね。とりあえず乗って乗って!」


クレアさんはそう言うと、手始めに俺をバスへと押しやる。そして次々と乱雑に放り込まれてゆくこうこうせい御一行。一太郎だけはなんか嬉しそうだ。変態だからな。


最後にクレアさんが乗り込むと、腰に手を当ててこちらを満足そうに見やった。


「楽しくなりそうねー。じゃあ岳夫、行くわよ!世界の果てへ!」


「世界の果てへ!レッツゴー世界の果てへ!」


誰もが不安を感じている(友基と一太郎はキャッキャ言ってるが)中、みんなを乗せたバスはゆっくりと走り出した。



あれ?今平成何年ですか?……いや、本当すいません。世の中には面白いことがありすぎて気付いたらうう……。スロ三昧でしいや、訂正します。一身上の都合により更新が滞っていましたが、作者はこの作品を完結させるつもりです。恐ろしく不定期ですが、最後まで付き合ってやってくれると嬉しいです。では!

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