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第2話 俺のぐたぐたな土曜日

すいません……本当にぐだぐだです…。

「雨か……。」


昨日のメルマガの天気予報は見事的中した。


今日は土曜日。

予定もなく、外は雨なので、何をするでもなく、まったりと家で過ごしていた。

「暇だな…なあ、亀吉さん?」


水槽のじいさんを魚肉ソーセージで操りながら…ってやめよう。これじゃ俺が物凄い人物に見えそうだ。


じいさんではなく、カメだ。


俺は、カ・メ・の、亀吉さんを魚肉ソーセージで操りながら遊んでいた。

「はっはっはっ、亀吉さん我の手中にあり!ふははは!君は私の手の中で踊らされているのだよ!ふははははははは飽きた。」


水槽に魚肉ソーセージを落とすと、亀吉さんはスカイフィッシュ並の速さで魚肉ソーセージを飲み込んだ。


それを見た俺は……。


1,政人は魚肉ソーセージを食べたい!


2,政人は亀吉さんを食べたい!


3,政人はスカイフィッシュなんです!


4,あなたは神をしんじますカー?


回答者

「うーん、まず消去法で1は無いな……。うーん……コールで!」


司会

「コール!」


政人

「もしもーし。」


回答者

「もしもーし。」


政人

「もーしもーし。」


回答者

「もーしもーし。」

ツーツーツー…


司会

「はい!コール終了!」


回答者

「わ…わかったぞ!これで1000万円は、ボクの物……!」


司会

「じゃあ、4番でいいですね。」


回答者

「え?はい!え?」


司会

「ファイナルアンサー?」


回答者

「いや、ちがいますよ!」


司会

「ファイナルアンサー?」


回答者

「だから違いますって!なにいってんで」

司会

「ファイナル!!……アンサー?」


回答者

「…ファイナルアンサー…」


「ドゥルドゥルドゥー」


「どっくん、どっくん、どっくん、っっ!」


司会

「正解です!」


回答者

「や…やったー!司会者さん……」


司会

「パチッ(ウィンク)」


周りの人々

「ワァーー!」


回答者

「やった…やったぞ!これで……家のローン払ったり家のローン払ったり家のローン払ったり家のローン払ったり家のローン払ったり………ああ!いろんな事が出来るぞ!」


司会

「おめでとうございます。さあ、好きなだけ家のローンを払ってくださいこの住宅ローンマニアが」


回答者

「……え……?」


周りの人々

「ワァーー!」


「パチパチパチーとな」



「ふう、“ファイナルアンサー〜私とあなたと住宅ローンと〜”も飽きたな。」


俺は床に寝そべって、ぐうたらぐうたらした。


………っこんなんじゃだめだ!現役イケメン高校生が、土曜日に雨だからってぐうたらするなんて!青い春を感じなければ!


そうだ!外に出よう!


ガチャ


ザァーーーー……


バタン


そうだ!人を呼ぼう!


俺は携帯を取り出した。

誰を呼ぼうか?


克也だな。

ピッポッパッ

プルルルル…プルルルル…


『はい。』


「あ、もしもし?おれおれ!」


『…おれおれさ』

「おれおれ詐欺とかゆーくだらねーつっこみはいらんぞ?」


『…おれおれサンシャイン…』


「苦しいな。」


『…おれおれさんま食べたいな…』


「つまらん。」


『…おれおれサンタクロース…』


「……プッ!あはははは!!なんでおれおれってきてサンタクロースなんだよ!チョーうける!チョーうける!!あはははははははーーっ、これで十分?」


『……ああ…』


「で。用件なんだけどさ。今から俺んちこない?」


『あ、悪いが用事があるんだ。』


「えっ。ふっ、ふーん、こないんだ。いいんだ。えっ?ほんとにこないの?いいの?」


『ああ。悪いな。』


「ふーん、こ、こないんだ。ふーん、まっ俺も用事があるからいいんだけどさ?」


『…?そうか。じゃあ、お互い暇な時にまた会おう。じゃあ』

プチッツーツーツー…

「あっ…ちょっ…まっ…!俺暇だよ!?遊んでくれよ!たのむよ………うわぁぁーーーっっ!………さっ次はだれにしよう?」


泣き真似だ。フッ、俺は泣き真似がうまいなぁ。


……ぶっちゃけ泣いた。



俺よ。泣けばいい。

そしてその涙と共につらい思い出も流してしまえばいい。


俺は泣いた。泣いて泣いて泣いて……いつまでも泣き続けたら、部屋は涙でいっぱいになった。


嘘だ。

目が腫れただけだ。


さて、どうしよう?

誰を呼ぼう?


「……里奈でも呼ぶか。」


てか、ぶっちゃけ家に呼べるような奴は、もうこいつしかいない。綾ちゃんはたぶんよんでもこないだろう。

里奈が最後の頼みの綱だった。


ピッポッパッ

プッ…プッ…プッ…プップ

「あ、もしもし?」

『お客様のお掛けになった電話番号は、電波の届かない場所にあるか………』

プチッ


……………。

…………ぁぅ………。


俺は部屋の隅で体育座りをした。

涙がちょぴっと出た。


ちぎしょーっ!!

なんで繋がらないんだよ!?


ふ…ふん!もういい!遊ぶのはやめだ!


その時、俺の着信音がなった。


「わーい!さっきの嘘だよ!遊ぶ!遊ぶよっ!」


俺は携帯を開いた。

『メールマガジン天気予報!今日は雨。出かけると』

「わかってるよちぎしょオォォォッ!!!」


……あれ?メールがもう一件来てる……。


…あ…ああ……綾ちゃんやーー!!

あんた最高!!

内容は!?内容は!?

て…手が震えるぜ…。


ポチッ


『村上綾です!(^-^)TEL番登録よろしくおねがいします!(>_<)』


ポチポチ


……登録完了…。


その日、再び電話が鳴る事はなかった。

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