プロローグ
月の中には、地球と同じような空気があって、水があって、光があって、人間と同じような生命体が存在していた。それは、月の一部の中に存在していて、地球に住む私たちからは全く目に見えない存在。
そして、宇宙にはそれ以外にも何万、何億という生命体が存在している。
私たちは、それに気づいていないだけ。
そう、今までは。
20xx年。
ある夜のこと。地球から見た月はいつものように綺麗でまん丸な形をしていた。太陽に照らされた月は、少しだけ、地球の地面を明るく照らした。いつもの月の存在に、地球はいつもの平和そのものだった。
しかし、次の瞬間。
ピカッーー!!
地球の空一面に光の光線が降り注いだ。それは流れ星のようにも見えた。何万個もの光の光線が、地球に向かって降ってきたのだ。地球に居た人間たちは、その光にうっとりしたように見上げ、何か唱えているようだった。
「ねぇ!!流れ星。綺麗だねぇ。」
「あ!本当だ。今日って、何とか流星群とかの日?」
「何とか流星群って…。しし座流星群とかかなぁ?ね!たくさんお願いしようよ。私は、何をお願いし ようかなぁ。」
「俺は、お前とずっと一緒に居れますように…。」
「ありがとう。私も!。
そう、地球には、流れ星にお祈りすると願いが叶うというジンクスがある。
カップルたちは、幸せそうに願いをこめる。人間たちは、空から降る光に祈りを捧げる。
だから、誰も気づいていなかった。その中で、一際大きな光に。大きな光が四つ、地球へと堕ちたことを。そして、もっと大きな黒い光が地球へと近づいていることも…。