第7章:オハラ重工の影と、少年たち
【第7章:オハラ重工の影と、少年たち】
雨が降っていた。 東京・芝浦の再開発地区。コンクリートと鉄骨がむき出しの廃ビルの隙間を縫いながら、東條は傘も差さずに歩いていた。
「まるで、時代に捨てられた箱庭だな……」
ポケットの中の小型レコーダーが、彼のつぶやきを記録する。彼の視線は、目の前の灰色のビル――かつてオハラ重工の下請け企業が入っていたとされる建物へと向けられていた。
東條の手元には、匿名の封筒に入った一枚の資料がある。
【極秘プロジェクト:N-CHILD / 被検体数:16】【オハラ重工・第2技術部直轄 研究統括責任者:真神慎司】
「……“N-CHILD”……?」
地下への非常階段を降りると、そこには閉鎖された研究室跡があった。壊れたモニター、バイオカプセルの残骸。そして――誰かが急いで破棄したような、断片的な記録ファイル。
少年たちの顔写真が映る――目を閉じた、無垢な表情のまま、冷却カプセルに収められていた。
【被検体No.04:ユウマ】 能力:電子制御干渉(Electric Disruption) 状態:保護下(記録日:20XX年)
【被検体No.07:レン】 能力:熱制御(Pyrokinesis) 状態:脱走
「これは……人間を、“兵器”として扱っているのか?」
東條の目に怒りが宿る。
タバコを燻らせて、
ポケットに手を入れて、空を見上げる東條。




