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第61章:長崎へ 少年たちと未来への旅

【第61章:長崎へ 少年たちと未来への旅】


ミライが「自分の未来」を選びとってから、数日が経った。東京の騒動は収束に向かい、街はゆっくりと日常を取り戻しつつあった。

けれど、彼らの中には、まだ“旅”が残っていた。

「行こう。長崎へ」

それは、ミライが小さな声で言った言葉だった。

「ママが昔、写真を撮った場所……見てみたいの。みんなと一緒に」

東條は頷いた。

「なら、案内しよう。未来への“儀式”だな」


新幹線の車内。窓の外を流れる景色に、少年たちは少しずつ声を取り戻していく。

「オレさぁ、初めてなんだよ、長崎」レンが呟く。

「うるせーな、九州なんてどこも一緒だろ」そう言いながらも、アキラは小さなカメラを首から下げている。

ユウマは車窓にノートパソコンを広げ、地図を確認していた。

ハヤトは静かに空を見ていた。

ミライは笑っていた。少年たちが、ただの“少年”として過ごすこんな時間は、はじめてだった。


長崎浦上天主堂跡地

春の陽が、石畳にやわらかく降り注いでいた。白いシャツを着た少年たちと、ワンピース姿のミライは、手に手を取って歩いていた。

観光客のいない、朝のひととき。

「ここに立ったんだ……昔、ママが」ミライはそう言い、かすかに頬を染めた。

東條がカメラを取り出す。

「じゃあ……撮るぞ。お前たちの“今”を残してやる」

パシャッ。

白い石壁の前で並んだ、5人の少年と少女。ユウマが、フレームの中で小さなピースを作った。


長崎・マクドナルド稲佐山通り店

「メロンソーダ、ひとつ!」「オレはポテトLな!」「ナゲットもな!」

がやがやと騒ぐ少年たち。ハンバーガーの袋を開けながら、ミライはそっと目を細める。

「ああ……こういう味だったのね。小さい頃、ママが“これを食べるのが夢だった”って、言ってた」

そのとき、ドアが開いた。

風が吹き、入り口にひとりの女性が立っていた。

ワンピースのすそを揺らす彼女が、ミライに目を留める。

「……ミライ?」

ミライが振り向いた。

「ママ……!」

その一言で、静香はかけ寄り、娘を抱きしめた。

拍手が、自然に店内に広がった。

レンが鼻をこすって照れるように言った。

「やれやれ、いいエンディングじゃねーかよ」

ユウマが笑う。

「エンディングじゃない。――始まりだよ」


外では、白い花が風に舞っていた。その光景を、東條は遠くから見守っていた。

「……やっと、“物語の外側”に来れたか」

彼の手には、一枚の写真。ミライと、少年たちと、長崎の空。

それが、すべての“答え”だった。

ミライ「それじゃ、わたし行くね」

公共のTVと、ネットで、

みんなのものに、なった、ミライ。

能力は世界のために使うと。

ハヤト「頑張るんだぞ!」

レン「ああ」

ユウマ「また会える日のことを

楽しみに」

アキラ「みんなの、希望、

ミライです」

空には、虹が上がり、

鳩が飛んでいった。





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