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第60章:春の陽――彼女の姿を見つけた日

【第60章:春の陽――彼女の姿を見つけた日】


記者会見のあと、控室のモニターに映る報道映像を、東條はただ静かに眺めていた。

民正党の法案成立のニュース。市民として登録された新たな人々――その中に、どこか懐かしい顔を見つけた。

スーパーで、幼い子供と手をつないで歩いていた女性。数ヶ月前、新幹線第17セクターで偶然出会った“美代さんに似た”女性だった。

だが、その日の午後。国会前での短いスピーチを終え、控えめに集まった市民たちに手を振ったとき――彼女の姿が、群衆の中にあった。

明るいスプリングコートを羽織った彼女は、笑顔で子どもと並び、こちらを見つめていた。気づいた東條と、そっと目が合う。

一瞬、時間が止まったかのようだった。

「……元気そうだな」

東條は、誰にともなくつぶやいて、小さく微笑んだ。

苦労したのだろうか?

目尻に、微かに、笑い皺ができていた。

目の前の世界が、少しだけ優しく見えた。








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