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第59章:新たな秩序――民正党の改革と市民法改正

【第59章:新たな秩序――民正党の改革と市民法改正】


Xデーから数週間後。霞ヶ関にある国会議事堂は、これまでにない静けさの中にあった。選挙で圧勝した民正党が、ついに政権を握り、初の特別法案審議が始まる日。

報道陣が集う中、傍聴席には一際目立つ人物たちが並んでいた。

東條、レン、ユウマ、ミライ、そして瑞穂と静香。かつて“非公認”とされた彼らは、今日この瞬間、国の歴史の証人となっていた。

議場で読み上げられたのは、「市民情報保護および個体尊厳法案」――通称《新市民法》。

「本法は、あらゆる個人の遺伝情報および身体的データの無断取得・利用を禁止し、クローン技術・超能力因子に関する公的記録は透明化され、すべての個体を“市民”として平等に認めることを目的とする」

静まり返る中、与党代表の綾乃が壇上で言葉を続ける。

「レン君、ユウマ君、ミライさん、東條さん……。この国が、あなたたちを見殺しにした過去を、私たちは忘れません。未来を変える責任が、私たちにはあります。」

レンが立ち上がる。「ちっ、やっとこさってか。だがまぁ……上等だ。」

ミライは東條の手を握りながら、震える声で言う。「…私、国に“存在”を認めてもらえるなんて、思ってもみなかった。」

ユウマは静かに、手にしたタブレットを見つめながらつぶやいた。「これが、現実世界の“更新”ってやつなんだな…」

東條は、静香の横で、ただ黙ってその様子を見守っていた。彼の胸の奥で、ひとつの言葉が響いていた――

「報道とは、人の希望をつなぐ光だ」

この日、「新市民法」は可決され、葵園の子どもたち、パントリーで暮らしていた名もなき子らにまで、“市民番号”が与えられることとなる。

特別な力を持つ者も、何の力も持たない者も、同じように「生きていていい」と保障される。――未来に生きる、すべての命が平等になるための、新しいはじまりだった。




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