表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/65

第50章:Xデー、最終起動

【第50章:Xデー、最終起動】


2026年12月25日――午前0時。東京・九段下。政府地下システム《OMEGA CORE》。

無人化された空間で、AIが静かに作動を始めていた。

「X-DAY:世界シミュレーション統合開始」「未来演算接続対象:No.5 “MIRAI”――接続準備中」

ガラスのカプセルの中で、ミライが眠っている。だが、その意識はすでに《未来の渦》の中へと引き込まれていた。



果てしない白の空間――ミライは“未来そのもの”と向き合っていた。

そこに現れるのは、過去の映像。戦争、飢餓、パンデミック、格差、暴力……。

声が聞こえる。

「これが“人類の記録”です」「あなたは、未来を選ぶ権利を与えられました」「滅びか、再構築か。世界の命運は、あなたの“判断”に」

ミライは答えた。

「私ひとりで未来を決めるなんて、間違ってる」「私には――“仲間”がいる」



午前6時20分。東京、九段下。霞が関の官庁街の端に建つ、政府管轄の「第9行政複合施設」は、夜明け前にもかかわらず静まり返っていた。外見はただの事務ビル。だが、その地下には“第七区域”で生まれた少女が、今まさに再び封じられようとしていた。

「……ミライは、この下にいる」

そう言ったのは、アキラ。閉じられたビルの前に、東條、少年たち、そして黒人の大柄な男――マイケル大佐が立っていた。

「潜入開始だ。電源系統はユウマが押さえる」

「了解。ルートマップ、取得完了」

ユウマが手の平に小型端末をかざす。ドローンからのリアルタイム映像が浮かび上がった。

「地下4階、北西セクター。そこで“意識制御処置”が行われてる。間に合うかは……こっち次第だ」

「んなもん、とっくに覚悟してんだろ」

レンがニヤリと笑った。ヤンキー口調が、緊張の空気を裂く。

「やるしかねぇんだよ。オレたちが、ミライを連れ戻すんだよ!!」


突入――午前6時28分。

ガレージ脇の通風口から忍び込み、ユウマが電子ロックを解除。無音の廊下が続く。警備ドローンの巡回タイミングを見計らいながら、東條たちは無言で進んだ。

地下3階、無人の管理室に入り、ユウマが制御盤に直結する。

「ここでシステムを5分止められる。問題はその間に、ドアのロックを破ること」

「任せとけって!」

レンがバールを手に、鋼鉄扉に向かって振りかぶる。

「うおおおおおっ!!」

バギィィィン――

粉塵が舞い、扉がゆっくりと、軋みながら開いた。


その先、白く照らされた部屋の中央に、ミライはいた。両手を拘束されたまま、静かにベッドの上で目を閉じていた。

ハヤトが一歩前へ。

「ミライ……!」

その声に、ミライのまつげが、わずかに揺れた。

「目を覚ませ、ミライ。オレたちは、もう取り戻しに来たんだ!」

アキラが、彼女の額に手を触れた瞬間――

「ぐっ……!」

警報音が鳴り響く。

ビー――ビー――ビー――!!

マイケル大佐が通信機に叫んだ。

「追撃部隊来るぞ!あと3分でここは封鎖される!」

「ユウマ、退路は?!」

「OK、非常階段ルート開いた!でも急がないと、間に合わない!」

「行くぞ!!」

レンがミライを背負い、アキラがその背後を守るように走る。東條は最後尾で、振り返った。

「マイケル、大丈夫か!」

「さっさと行け!お前らは“次”を変えるんだろ!」

マイケルは背後から現れた追跡ドローンに向かって、閃光弾を投げつけた。

バシュン――!

まばゆい光が廊下を満たす。


外に出ると、ちょうど東條の手配した車両が迎えに来ていた。滑り込むように車内へ。ミライを横たえ、ユウマがすぐに生命センサーを装着する。

「大丈夫だ。まだ、生きてる……!」

東條は静かに、ミライの手を握った。

「待たせたな。……今度こそ、お前の未来は、お前が選べるんだ」

そして、車は夜明けの東京を駆けていった。


空は少しずつ明るくなっていた。街のどこかで、鳥が一羽、鳴いた。

Xデーの“始まり”は、この瞬間だった――一人の少女の、未来を取り戻すために。



ハヤト「ミライは……ここにいる!」

アキラ「声が聞こえる……助けを求めてる!」

ユウマ「リンクシステムに、僕たちの意識を接続しよう!」

ユウマ「システムハッキング、任せて!」

5人の精神が、ミライの記憶と重なり合う。

そして――

精神空間に、少年たちの姿が現れた。

ミライ「……来てくれたんだ」

レン「当たり前だろ」

アキラ「未来は、君だけのものじゃない。俺たち“みんな”のものだ」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ