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第38章:ぬいぐるみ

【第38章:ぬいぐるみ】


夕暮れの福祉施設。瑞穂は、ナオトの部屋の前に立っていた。

そっと抱えていたのは、自分が幼い頃――静香から初めてもらったぬいぐるみのウサギ。

名前は「コモモ」。

いつも一緒に寝ていた。病院でも、逃亡中の夜も、そばにあった。でも今、それを誰かに託す日が来たと思えた。

ドアをノックし、瑞穂は笑って差し出した。

瑞穂「これ、私の宝物だったんだ。でもね、もうあなたに持っていてほしいなって、思ったの」

ナオトは、目を見開いて黙ったままだった。

「“ずっといる”って約束はできない。でも、これを見たとき、私のこと思い出してくれたら嬉しい。……それで充分。ね?」

ナオトは――小さく、震える手で人形を受け取った。


夜。瑞穂が旅立ったあとの部屋。

ナオトは、ベッドに座って、ウサギの人形・コモモをぎゅっと抱きしめる。

ナオト(心の声):「これは、嘘じゃない。これは、“残ったもの”だから……嘘じゃないんだ……」

目に涙がたまりながらも、ナオトはその夜、はじめて悪夢を見ずに眠った。





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