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第36章:子供園 年老いた子どもたち
【第36章:子供園 年老いた子どもたち】
奥多摩のさらに奥。誰も立ち入らない森の奥に、その施設はあった。
“子供園”――と、看板には手書きの字で書かれていた。
中では、制服姿の子どもたちが、グラウンドを走っていた。だが、その笑顔の奥にある瞳には、どこか年齢にそぐわぬ重みがあった。
少年A(身長120cm・見た目8歳):「わし、今年で93歳や」少女B(見た目7歳):「またまたー、ほんとは100歳でしょ?」
笑い声が響く。その明るさが、逆にどこか寂しい。
年齢の止まった子どもたち。時の流れに取り残された心が、無邪気さを模倣する世界。
園の奥の壁には、たくさんの絵が飾られている。ヒーローの絵ばかりだった。
「見て、これ。空を飛ぶ少年、世界を守るんだって」「“永遠の子ども”にしかできないこと、あるんだよ」
園の先生が言う。
「あの子たちは、ずっと夢を見てる。自分が“誰かを守る存在”になれる日を――でも……大人にはなれない。時間が、許してくれないから」




