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第33章:脱出、海への道

【第33章:脱出、海への道】


無線から、ベインズの声が入る。

ベインズ(小声):「スモーク弾、準備完了。パントリーの東ドアを開けて3分後に発煙する。出口まで最短ルートだ。護送チームが来る前に行け」

平八「瑞穂、ここから出る覚悟、あるか?」

瑞穂「……行く。思い出せなくても、私は、誰かの“娘”でいたい」

平八は静かに立ち上がった。

「ほな、“海を越える風”に乗るで」


午後3時11分。パントリーの片隅、観葉植物の鉢の裏に、小さな銀のカプセルが埋め込まれている。

ベインズ(無線):「全員、カウント3で耳を塞げ。“煙の神様”が、お前らを包んでくれるぜ」

平八:「瑞穂、伏せろ!」

カウント:3…2…1――

バァンッ!!

鋭い炸裂音と共に、白い煙がパントリー全体に広がった。軽いパニックが起きる。患者たちが椅子を倒しながらざわつく中、瑞穂は平八の手を握る。

瑞穂「このまま、逃げるの?」

平八「そうや、命がけで!」

煙の中をすり抜け、厨房の裏口へ――すでにそこには、警備が動き出していた。





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