第17章:秘密の血
【第17章:秘密の血】
1946年、アメリカ合衆国。 日本占領下の影で、秘密裏に行われた「超人遺伝子計画」。
•極限状況下での精神耐性
•選択的直感力の発達
•共感能力(テレパシック適性)
その適応例がごく少数、日本人の血統に見つかった。
特に、 「正義感」「直感」「共感性」 この三つが突出した遺伝子群。
東條家の系譜は、知らぬ間にその対象となり、 密かにモニタリングされ続けた。
そして、玲司―― その生まれは、必然だった。
東條は、カセットテープをデッキに入れた。
ザ――ッという雑音の後、 静かな男の声が流れた。
「Tojo, R――この子は、生まれながらにして“正義に引き寄せられる”因子を持っている。 彼がもし覚醒すれば、人を導く存在になるだろう。 だが、同時に……破滅を引き寄せる可能性もある」
「選ばれたものには、自由がない。 だが、それでも彼が歩く道が、希望に繋がることを、私は信じたい」
最後に小さく、こう呟かれた。
「……ごめんな。君に選ばせるしかないんだ」
ザザザ…… テープは終わった。
東條は、拳を握った。
東條(心の声):「俺の正義は……俺自身のものじゃないかもしれない。 けど――それでも構わない。 “誰かが決めた正義”だろうと、“俺が選び取る限り”、俺のものだ」
彼は、静かにファイルを閉じた。
もう過去に惑うつもりはなかった。




