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第14章:血と運命
【第14章:血と運命】
マイケルは、静かに語った。
「お前が最初に“ファントム”から接触を受けた理由。お前の記者時代の嗅覚。 普通じゃあり得ないほど、直感が冴えてた理由――」
「お前自身が、“適合体”だったんだよ、坊ちゃん」
東條の血が、喉元でざわめいた。
それは、否定したくなる衝動だった。 だが、どこかで――ずっと知っていた気がする。
ラボの奥には、 試験管に浮かぶ無数の“失敗作”があった。
異形の胎児たち。細胞崩壊した骨骼。 壊れた小さな命たち。
マイケル「これが、“神への反逆”の末路だ」
東條は、静かに血液パックを見下ろした。
東條(心の声):「俺の血が特別でもいい。 だが、こんなもののために使われるつもりはない」
彼は、ラボの中央制御装置に近づいた。
マイケル「……やるのか?」
東條「ああ。“真実”だけじゃ足りない。 こんなもの、存在ごと焼き払ってやる」
ラボの中で、マイケルと視線を交わす。
マイケル「やるのかと思ったぜ、破壊」
東條「爆破しても、奴らはまた建てるだけだ。 俺たちに必要なのは、証拠だ」
マイケルは口元をわずかに緩めた。
マイケル「坊ちゃん、だいぶ腹が座ってきたじゃねぇか」
データポッドを内ポケットに押し込み、 二人は足早に施設を後にした。
夜明け前。 まだ砂漠の冷気が肌を刺す。




