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第10章:追走と邸宅

【第10章:追走と邸宅】


夜の都心。アウディの後ろにぴったりとつく、黒塗りのSUV。空からはドローン、ビルの間を縫うように逃げる玲司の運転技術が光る。


「ベルトを締めろ、振り落とされるぞ」 アクセルを踏み込むと、アウディのエンジンがうなりを上げた。

「後ろに2台……って、3台目来た!」レンがバックミラーを見ながら叫ぶ。

「時間を止める!」ユウマが集中する。1秒。2秒。3秒。止まった空間で、玲司は一気に裏通りへハンドルを切った。

時間が動き出すと同時に、敵車両は道を見失い、反対車線に突っ込む。

「やったぁ!」 「まだ終わってない。橋を越えれば、あとはこっちの領域だ」



郊外の高台に立つ、近未来的な邸宅。セキュリティの厳重な門が開き、アウディが滑り込む。逃走は成功した。

中に入ると、まるで異世界。近代的な技術とアートが融合したような空間。リビングには大型ホログラムモニター、地下には設備の整った研究スペースもある。


玲司はグラスにウイスキーを注ぎながら、静かに語り始めた。

「お前たちは、国家の“実験”に過ぎなかった。だが、あまりに強くなりすぎた。その力を制御できるのは……本人しかいない」

ハヤト:「あんたは何者だ?」

「元・公安特務。今は“ファントム”という組織に身を置いている。名前は、東條玲司だ。目的はただ一つ。お前たちのような犠牲者を、これ以上増やさないことだ」

アキラ:「ぼくたちは……これから、どうなるの?」

「選べるんだ。逃げ続けるか、闘うか。そしてそのとき、何を守るか」

玲司の屋敷。暖かな照明の下、4人はテーブルを囲む。

ハヤトが言った。「俺たち、施設に入る前の記憶がない。どこで生まれて、誰に育てられたのかも」

アキラが俯きながらつぶやく。「夢の中に、誰かが出てくる。顔は見えないけど……いつも、泣いてる」

玲司の表情が曇る。「やはりか。記憶を操作された可能性が高い。研究施設には、“記憶除去室”という場所がある」


玲司はゆっくりと立ち上がり、窓の外を見ながら静かに語り始める。

「君たちは、生きねばならない」

「この国の裏で、君たちのような存在が“実験材料”として使われてきた。その証拠が、今、ここにある。自分たちの力を確かめてみろ――現実を見て、自分の意思で進む道を決めるんだ」

ハヤト「東條さんは、どうして、俺たちのことを知ったんだ?」


東條「長くはなるが、自分の、出征のことから話そうか‥」



回想。







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