表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/59

3-9

 ────


 夢の中でも、お化け屋敷の裏手には隙間なく草が生い茂っていました。先に山田さんが草の壁に突っ込んでいなかったら、私も同じように草まみれになるところでした。その恩はキーホルダーで返しているので礼は言いません。


 畦道を戻り、お化け屋敷の横の小道を覗きます。女の子が一人、不思議そうにこちらを見ていました。最初に見た時は驚きましたが彼女は特に何かをしてくることはなく、ただ肌が白いだけの普通の子でした。


 さてと私は向きなおり、再び強敵である草の壁と対峙します。畦道をゆっくりと進みながらどこかに隙間はないかとじっくり観察します。

 時々、道を塞ぐように飛び出した雑草に足を取られそうになりながらも注意深く捜しましたが、結局入れそうな場所は見つかりません。あっという間に隣の家のブロック塀まで来てしまいました。


 やっぱり駄目かとため息をつきました。これからどうしようかと考えていると、何だかブロック塀が気になってきました。コンクリート製のブロックを積み重ねて作られた塀です。所々に飾りの穴が空いていて、丁度私の顔の位置に穴が空いているので塀の向こうが見えます。

 ブロック塀の穴から隣の家を覗きます。そういえばこの家も人がいたのを見たことがありません。


 家の外壁と、雑草が生えないほど踏み固められた地面が見えました。穴を変えてお化け屋敷と仕切られている所を確認します。お化け屋敷とお隣の家はブロック塀で仕切られていました。

 あ、と思い私はブロック塀をよじ登りました。少し高くなった視界から改めてお化け屋敷との境界を見ます。ここと同じように反動をつければ登れそうなブロック塀です。


 深呼吸をしてから辺りを見渡します。遠くなった小道にキョトンとしたあの子が立っているだけで、他に誰も居ません。人の気配も動物の気配もありません。異常なほど静かな世界です。


 私は塀を乗り越えて、隣の家の敷地内に飛び降りました。


 ────


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ