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第8話 VSサキュバス


「あれはサキュバスです。この魔物を倒すことができますか?」

「サキュバスだって!!」



 俺は思わず興奮した様子で師匠の指さした方を見つめる。そう、ファンタジー定番のグラビアアイドルのようなスタイルをしたエッチな格好をして誘惑してくる魔物である。前世で見たこの〇ばでもサキュバスは巨乳でエッチだった。

 巨乳好きとしてはつい気になってしまうのも無理はないだろう。



『ふぅん……私の可愛いゴブリン奴隷たちを殺すなんてやるじゃーん♡』



 声を発した魔物は美しい顔立ちで小柄な女性型の魔物だ。魔物だとわかるのはその耳の上あたりに大きな角が生えているからである。

 黒ビキニのような色っぽい服装をしており、こちらを見て舌なめずりする姿が妖艶な雰囲気を醸し出している。だが……



「くっ、エッチすぎますね。女の私ですら正気を失ってしまいます」

「……」



 貧乳だった……そう、貧乳だったのだ。



『どうしたのかなー? あまりに魅力的な私を前に言葉もでないのかなー♡ お兄さん童貞っぽいもんねー。ちょっとサービスしてあげる♡』

「くぅぅぅぅーーーなんというポーズを……姉として正気を失うわけには……」

「…………」



 ない谷間を強調するようにして、胸をよせあげるサキュバスとなぜかうめき声をあげながら自分の膝に短剣を突き刺すヒルダ姉さん。てか、サキュバスも貧乳なの!?

 こういう場合は巨乳で色気ムンムンのおねえさんじゃないだろうか? あとは相手の理想の異性の姿に化けるとかさぁ……



「ヒルダ姉さんこいつ倒しちゃっていいんですよね……」



 さすがに女性に近い姿をした魔物を攻撃するのは多少抵抗がある。だけど、サキュバスの足元にある白骨を見ればそんな気も失せるというものだ。

 彼女は見目麗しい姿(この世界の住人にとっては)で人々を誘惑し喰らってきたのだろう。ならばこっちも手加減をする義理はない。



『そんな、私の魅了が効かないっていうのー? ありえなーい!!』

「悪いな、俺が君に感じるのは敵意だけだ!!」

『サキュバス界で、もっとも理想的な体系と呼ばれているこの私に斬りかかって来るなんて!?」



 躊躇なく攻撃するとサキュバスは慌てて身をよじって回避する。あれ……ボスだからもっとやばいと思っていたけどそんなに強くない?



「サキュバスの強さは魅了した相手を操ることです。身体能力はそこまでではありません。ですが……なんという魅力的な体!! 女の私ですら正気を失いそうです……」

『ふふん、あなたの精神力はかなり強いみたいね……だけど、これならどうかなー♡ こんなサービスめったにしないんだからね♡』



 サキュバスは勝利を確信した笑みをうかべて……その黒い生地を外した。あらわになる胸とその先端にさすがに俺も一瞬クラっと来てしまう。

 だけど……



「俺にはやらなければいけないことがあるんだ!! こんなのに負けていられるか!!」



 昨日のシグレの大きくたわわなソレを思い出して、サキュバスの魅了を打ち破った。

 やはり、おっぱい、大きいおっぱいは全てを解決するのだ。



『そんな……私の奥の手が通じないなんて……わかっちゃった!! お兄さんイ〇ポね!! だから、私の魅力が効かないんでしょう!!』

「は……?」


 このサキュバスは喧嘩売っているのだろうか……もちろん、俺はイン〇ではない。巨乳が好きなだけである。



『私にだってプライドはあるもん。お兄さんの顔は覚えたわ。イ〇ポだろうが、なんだろうが必ず魅了してやるんだから!!』

「ちょっと待て!! ふざけた勘違いをしたまま逃げないで!!」



 捨て台詞を吐きながら羽をばさばさと動かして飛んでいくサキュバスを追いかけようとしたが、ヒルダ姉さんに止められる。



「大丈夫です、サキュバスはプライドの高い生き物です。セイン様を魅了するまで他の獲物は襲わないし、必ずやまた戦いを挑んできます。その時に倒せばいいのです」

「いや……全然大丈夫じゃないだけど。無茶苦茶な誤解をされてるんだけど……」



 クソみたいな誤解されたままはいやだな……サキュバスの中で俺がイ〇ポって広まったらどうしよう。

 俺は単に巨乳好きなだけなのに……



「あの……俺はイ〇ポじゃないですからね」

「ええ、わかっていますよ。セイン様はちょっと特殊なだけです」



 なぜかやたらと優しく微笑むヒルダ姉さん。俺が特殊って……やっぱりイン〇だと思われてるんじゃないだろうか……



「セイン様……あなたが何を抱えているものがどれだけなのかは私にもわかります。覚えていてください。あなたは孤独ではありませんよ」

「ありがとうございます?」


 俺が抱えているものってなんだろう? 巨乳好きな性癖だろうか? でも、ヒルダ姉さんの胸からしてヘスティア様の関係者ではないと思う。

 思わずヒルダ姉さんの胸を凝視していると、何を勘違いしたのか力強い腕で引っ張られる。


「お姉ちゃんはあなたの味方です。だからともに強くなりましょう……まさかサキュバス相手でもピクリとはしないとは……あなたが忘れたであろう愛を必ず思い出させて見せますからね。姉として……」

「ヒルダ姉さん……」



 金属の冷たい感触で、彼女の控えめな胸元に顔を押し付けられたのだとわかった。ぶつぶつ小声でつぶやいていたから後半はきこえなかったが、彼女が俺を心配し、本当に強くしようとしてくれているのを感じた。

 だからだろう、俺は彼女は信用できると……彼女とならば強くなって巨乳の地位をあげることができる。そう思ったんだ。




『大切なお願いがあります』


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