反米は親ロシアにあらず
個人的に反米は理解できる。
アメリカをはじめとした欧米諸国は人権・民主主義を口にしながらシリアを見捨て、パレスチナの惨状は見ないふりだ。アフリカも厄介者扱い。お前らが植民地化して後始末もせずほったらかしたせいやろがいと言いたくなる。
彼らは決して善ではない。当然だが絶対悪でもない。
どちらにしろ親ロシアは論外でしかないのだが。
最近も親ロシアを自称するエッセイを見たのだが、主張の論理構成がめちゃくちゃで頭を抱えるしかなかった。
陰謀論者の主張はほぼ決まっていて、ユダヤコミュニティーやアングロサクソンやら軍需産業と言った悪の組織があって、彼らによってアメリカは操られているというものだ。
そういう単純な世の中だったらどれほどいいだろうか。倒すべき悪役がいるのはフィクションの中だけなのに。
個人的に不思議なのは、反米はわかるとしてもロシア寄りになることの不条理さだ。
ロシアにどれだけの理由があったとして、ウクライナに攻め込んで市街地に無差別攻撃をし、原発などのインフラを占拠して市民生活にダメージを加え、穀物輸出を妨害して世界の食糧事情を悪化させ、ウクライナの一般市民を拷問し殺害し強姦した挙句子供を誘拐し、家財を盗むことが正当化できるとは思えない。
これでプーチンは「ウクライナとロシアは本来同じ民族であり国として一体になるべきだ」と真顔で言うのだから開いた口が塞がらない。
親ロシアの人々はプーチンロシアの蛮行を知らないのか見て見ぬふりなのか。それならばイスラエルのやりたい放題を見過ごすアメリカ政権と何が違うのだろうか。
恐ろしいのは、ロシア軍の蛮行を批判しない彼らが、いざ日本が戦争になったとき同じことをするかもしれないということだ。
敵には何をしてもいい?
出来の悪いなろう主人公みたいやな、と思うわけである。