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『おはようおはようおはようはよう

 はようはよう!!!!!』


本日の第一声、天使によるおはようの連呼。

いつから起きてたんだよ。


「…おはよう」

『お、ちょっと不機嫌的な感じ?』

「別に」

『嘘つけ~!』


なんだろう、今日の星蘭は、

何時にも増して、しつこい、し、うるさい。


「…うるさいんだけど、黙っててくれる?」

『…!…ごめ⋅⋅ん…』


あ、まって、やばい、

傷付けた、嫌われた。

どうしよう、謝る?なんで?何を?


『…⋅⋅ごめん、

 茜兎と居れるのが、

 茜兎が隣に居るのが、嬉しくて、

 はしゃいじゃった。

 ごめんね、気をつけるから、許して…』

「っ、僕の方こそ、ごめん!

 君のことを、君を、傷付けた。

 ごめん、僕も気を付けるから、

 許して」


ごめん、悪いと思ってる。

だから、そんな、泣きそうな顔、しないで。


『⋅⋅いいよ』


はあ、良かった。

テンションの落差、治したいな。


『もう、大丈夫、?』

「うん、ごめん、大丈夫だよ」

『!、よかった…

 じゃあ、茜兎はご飯たべて』

「ん?星藍は食べないの?」

『食べなくても大丈夫なの。

 まあ別に食べれるし、

 味も感触もするけど、

 飲み込んだ瞬間に消えちゃうんだよね。

 特に何も効果はなくて、何も得られない』

「そうなの?エネルギー必要ないの?」

『エネルギーは必要!

 天使での食事っていうのは

 体内で勝手に行われてるんだよ。

 何を食べてると思う?』

「……わかんない」

『お手上げかあ…

 正解は~寿命!』

「寿命?」

『そう!寿命!』

「……ごめん、何言ってるか分かんない」

『だよね~、説明します!』


えへん、咳払いを1つ。


『まず、寿命っていうものは

 自分でもわかるんだよ。

 私くらいの天使は1500年。

 んで、大体一日で消費するのが100日。

 一年で36500日、100年』

「………」

『聞いてる?』

「聞いてる」

『うあお、食い気味…

 まあいいや、続けるね。

 だから、15年で1500年使うの。

 ぴったり、15年』

「15歳で、死ぬってこと?」

『うん。けど、私は死なないよ。

 例外も存在するんだ』

「…え?星藍は、死なないの?」

『そりゃ、いつかは死ぬけど

 そんなすぐは死なないよってこと』


じゃあ、僕が、死ぬときは、

泣いてくれたり、するのかな、なんて。


『え、聞いてる?』

「聞いてるよ、なんとなく理解できた」

『じゃあいいや、ほら!

 早くご飯食べて!』


机、の上にお米、鮭の焼いたやつ、お味噌汁。

何処から出てきたの、


『あのね、今日は行きたいとこあるんだ』

「どこ?」

『マンションを見に行きたくて…!』

「あー、言ってたけど…」

『けど…?』

「手続きとか、何が必要とか、わかんないから…」

『あー……じゃあ難しいのか…』


でも今のままじゃきついもんね…


『え、茜兎』

『ここいくら?』

「…1万?」

『何人住んでる?』

「僕入れて3人?星藍入れて4人?」

『誰から借りてる?』

「え…」

『言いづらい?』

「いや…」

『男?』

「うん…」

『前にいるあの人?』

「え?」

『刺青すごくて、10数人で、

 あ、やばい。

 来てる』

「え」

『どうしよ、取り敢えず、結界張って、

 防音空間にして、透明にして、』

「え、」


また、あの人?


『ちょっとごめんね、えーっと、浮遊魔法かけて、

 すり抜け魔法かけて、』

「うわっ」

『よし、逃げるよ、目ぇ瞑って!』

『せーの、はいっ』


………?


『…おっけー!目開けていいよ!』

「眩し…え!?」


浮いてる…


『なんで驚いてんの、

 さっき何とか魔法とか言ってたでしょ』

「⋅⋅これも天使の力?」

『そー!すごいでしょ!』

「うん、凄い…」


何持ってるの?杖かな。

綺麗、薄紫色、硝子なのかな。

キラキラしてて、宝石の中でふわふわしてる、

すごい、綺麗…


『あ、でてきたね。

 じじぃー!』

「え!?ちょっと!」

『あははははははは!』

「え、聞こえてないよね!?」

『大丈夫大丈夫!

 防音魔法っつーもんがあるんですわ!』

「ならいいけど…や、よくないし…!」

『聞こえてないから大丈夫だって!

 こんな朝から来んなよー!

 ほら、茜兎も文句言ってみれば?』

「嫌だ、怖い」

『なにそれ?怖いの?』

「人にしたことは自分に返ってくるって言うでしょ」


エコーの法則とか、因果応報とか。

なんか、そんな感じ。


星藍の瞳から星が瞬く、

白くて長い睫毛に流れ星が絡まる、

鮮やかな紫みの青が揺らめく、

大きくて深い色に海が沈む、

深い青と紫の隙間に僕の黒が映っていた。


『…信じてるの?』

「うん」

『へぇー、いいじゃん。

 大事にしなよね、そういうの。』

「うん…」

『で、どうする?』

「…どうするって?」

『え、茜兎お金借りてるとか言ってたけど、

 もしかしてあの人達から借りてる?』

「…う、ん」

『じゃあお金返しても済まなそうやね…

 どうしよ、いっそのこと殺しちゃう?』


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