空を見上げよう
雲ひとつ無い快晴の日は、空を見上げよう
どこまでも広がる青空が、心をもっと晴れやかにしてくれるから
白い雲が浮かぶ晴れの日は、空を見上げよう
ほんの少しの辛さなら、雲の白いハンカチが拭いさってくれるから
灰色の雲が太陽を隠す曇りの日は、空を見上げよう
時折雲の切れ間から覗く太陽が、辛いことばかりじゃないよって、思い出させてくれるから
静かに地面を濡らす雨の日は、空を見上げよう
悲しい気持ちが落ち着くまで、一緒に泣いてくれるから
寒さに凍え、白い花舞う雪の日は、空を見上げよう
頬に感じる冷たさが、温かさを失っていないと教えてくれるから
稲妻走る大雨の日は、空を見上げよう
その憎しみも怒りも、雷光が引き裂いてスッキリさせてくれるから
雨も風も雷も、全部が吹き荒れる台風の日――
窓の外と同じように、色んな感情がごちゃ混ぜになって
苛立って
悲しくて
自分でもワケわかんないくらい
心が荒れ狂った日――
俯いて
塞ぎこんでしまいそうな
そんな日は
思いきって家から飛び出し、空を見上げよう
降り注いだ雨粒が、悲しさや涙なんて洗い流してくれるから
吹き荒れる暴風が、嫌な気分なんて吹き飛ばしてくれるから
空を切り裂く雷が、乗り越えて進むための勇気をくれるから
そして
台風一過の太陽が、嵐で冷えきった心まで暖めてくれるから
そうしたら、天気のように移ろいやすいわたしの天気だって
変わり行く空の機嫌に釣られるように
心の台風も
きっと明日には晴れるから
だから、明日も明後日も
わたしはやっぱり
空を 見上げよう