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第六話 ある日の眠り

~数日後~

1-2部屋。


「ごめんなさい!」

退院をし、ギブスをした二人に、白久はそう言い頭を下げた。


「?」/「?」

それを言われたみつきと陸は首を傾げる。

それを見て、説明が足りなかったことを悟った白久は

「その、暴食の悪魔に二人の腕がおられて、それでもわたし、何もできなくて……。」

そう言って再度頭を下げた。


「そんなのって当たり前だよ?」

みつきは笑顔でそう言うと共に、白久の肩を持ち、頭を上げさせた。

それでも白久は申し訳ないという顔をしている。

それを見ていた陸は言う。

「あのな、宵街。あんま人のことばっか考えすぎんなよ。」

そして少しの間を開けてこう続けた。

「それに、救いたくても力が及ばないなんてのは、この業界じゃ当たり前なんだ。いくら努力をしたって、戦いになれば絶望的な差を見せつけられることだってある。戦いになれば、この手から命は零れ落ちていくんだ。だから、あんま人のことばっか考えて自分を見損なうな。お前は今回、俺たちを守ってくれたんだから。」


「そうだよ。」

笑顔でみつきも言う。


「そっか……。ありがとう、そう言ってくれて。」

白久は笑顔を取り戻した。


それを見ていた桐谷には、いつもの微笑みはなく、そしてひっそりと呟いた。

「月の悪魔と契約をした月の魔女……古きに人間の見方をした唯一の魔女。基本的に、悪魔にしろ人間にしろ持っている魔法は1つ。しかし、悪魔と契約した者は悪魔の魔法も使える。そして原始の悪魔の持つ魔法は二つ。確か月の魔女の使った魔法は……『魔法のコピー』と『斬撃』そして……。なるほどあの力からして、彼女はその魔女の……。」



***

~数か月後~


[1-2]そのチーム名を知らぬ魔法使いはいない。そう言われるほどに、白久らは成長をしていた。


片腕を使えないというのにも関わらず、陸とみつきは活躍を見せ、白久もスミリの力を使いこなせるようにとなっていた。さらに1-2の成績というのも


・Sランク相当2体討伐。

・Aランク相当7体討伐


と素晴らしい。


そんなある日の夜だ。

午前0時。白久が眠りにつくと、そこは真っ暗で月が出ていて、スミリの姿があった。


「久しぶり、スミリ。」

白久はそう言う。

「戦闘では話すけれど、まぁ確かに、こうしてこの空間に呼ぶのはこれで二回目ね。」

スミリは言った。


その返答を聞いた白久は頷いた後に、少し間を開け、こう切り出した。

「それで、何の用事? スミリ。」


それを聞いたスミリは少し微笑みながら

「私はないわ。それより、あなたが何かあるようだから呼んだのだけれど。」

そう言って髪をなびかせた。

「よくわかったね。」

白久は少し驚いたように言った。

「だって、あなたが私に会いたがってることくらい、契約してるからわかるんだもの。」

スミリは白久に近づく。

「それで、用事は?」


白久は、「実は……。」そう言った後に少し間を開けてからこう続けた。

「簡単に言うと、わたしの魔法って空間とかまで切れるのかな? って聞きたくて。」

「それは……?」

「わたし、今までいろんな人の死を見てきた。悪魔に切り殺されたり、悪魔との戦闘に巻き込まれたり……。もうこれ以上そんなのは見たくないから。だから、一つだけ、もう悪魔と会わなくて済む方法があることに気が付いたの。」


そこまで言い、白久が続きを話そうとすると、スミリが口を開いた。


「つまり、あなたは、悪魔のいる空間と人間のいる空間を、そのあなたの魔法で切り離そうと。そういうことね。」

それを聞き、白久は驚く。

「なんで……わかったの?!」


スミリはうつむき、そして悲しげにかすかに微笑む。

「それは、あなたは、前世でも同じことをしようとしていたからよ。」

そして十分に間を開けてこう続ける。

「生まれ変わるときに、私がその記憶は抜いたのに……なぜかしら。結局その結論に至るのね。あなたは……。」

「そうだったんだ。でもわたしはこの結論が正解だと思ってるよ。」

「でもそれをすれば、あなたは、魔力の異常なまでの消費で死ぬ。もし運良く生きていても、私と契約をしているあなたは、私に引っ張られて隔絶された、悪魔だけの世界へ飛ばされ、そして最終的には死ぬわ。」

「わかってる、それでもわたしはそうしたいの。」

白久は笑顔を浮かべた。


それを見たスミリはため息をつき、こう言った。

「そうなったあなたは、もうだれにも止められないわね。あなたの好きなようにするといいわ。でも、一つ問題があるの。」


白久は頷き言う。

「わかってる。わたしとスミリだけの魔力じゃ足りないってことだよね?」

「ええ。」

「それなら解決策があるよ。」

「解決策?」

「そう。それは魔法具『聖界』。高さ100㎝ほどの円柱の形をしてて、てっぺんに虹色の球が乗ってる魔法具で、その魔法具に刻まれてる術式は破壊不可と、触れた人の魔力を無限にするっていう物の二つ。」

「なるほど、『聖界』を使って斬るのね。でも、『聖界』は昔は強欲の魔女が持っていたわね。悪魔と契約している魔女は、無限に生きられる悪魔と一緒に、殺されない限りは無限に生きられてしまう。つまり、『聖界』は……。」


白久は少し下を向き言う。

「そう、『聖界』はまだ死んでいない強欲の魔女が持ってる。」

「な?! まだ持っているの?!」

「そう。」

「前世のあなたを殺したあいつが……。」

「それでもわたし、行こうと思う!」


「そういうと思ったわ。」

スミリはそう言ってからこう続けた。

「なら、仲間に正式な作戦として伝えなさい。」

「え?」

「あなたには今仲間がいる。強欲の魔女の居場所は私なら調べることができるわ。だから仲間に共に戦ってもらえるように言いなさい。絶対に。」


それを聞いた白久は、少し迷って末に、こう言った。

「わかったよ……。でも、居場所を調べるのはお願いだよ!」

「わかったわ。」


そう言ったスミリは少ししてから手を振った。

その瞬間。

白久の視界は吸いあがられるようにその空間から抜け、気が付くと、目が覚めていた。


白久は体を起こし、呟く。

「みんなに、言わないと……。」


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