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04 傾国の美女
とある国の王様が、お忍びで出かけた時。
道で行き倒れていた美しい娘を見つけた。
手当をしようと近づいた王様は、一目でその娘の美貌に魅入られてしまう。
綺麗な服に綺麗な髪。
完成された美だと娘を称えた王様は、その娘を妃にする事にした。
やがて王様の国で、結婚式が行われた。
国民は、その美しい娘と王様の結婚を、大いに祝福した。
その祝いは、当時の歴史を知る誰もが、口をそろえて豪勢だったと語った。
数年前にその国は、とある戦争に勝っていた。
そのため、国のどこもが潤っていたからだ。
しかし、国が栄えたのはその時まで、妃とした娘の手によって王様は暗殺され、国は乗っ取られた。
そして、国のあらゆるものが娘の手によって搾り取られていった。