02 王女プリムローズ・ネイディア・フロンピース
私の名前は、プリムローズ・ネイディア・フロンピース。
ブリザードプリムの第一王女。
小さな国の王女だからか、今まで誰かに縁談を持ちかけられた事はない。
たいして利益もないのだから、当然なのだろうけれど。
そんな私には、機械人形のお供がいる。
彼の名前はネネ。
ネイヴァース・ネイデュークだから。縮めてネネと呼んでいる。
ネネは私に忠実だ。
何でも言う事を聞いてくれる。
男性の見た目をしているけれど、おしゃれにも詳しい。
前のご主人が、死んだ私の母だったからその影響だろう。
母は、おしゃれが好きだった。
しばらくは国の立て直しに忙しかった。
大変だったけれど、不作を乗り越えたのは誇らしかった。
父王と二人で、支え合って国をほんの少し強くしたことが自信になった。
けれど、やっと乗り越えたと思った時に、戦火が及んでしまった。
相手にされないと思っていたのに、地下資源を発掘してから目の色を変えたのだ。
その資源は、人々の生活を根本的に変えるものだったらしい。
他国の者達は、それを交渉して得るという事をまるで考えなかった。
分け合ってもらうより、上手に争って奪えば独り占めできる。しかもただなのだから。
そうして、この国は、戦火に飲まれてしまった。