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結局、俺は何にも描かない  作者: イケザワ
5/5

了 結局、俺は何にも描かない

文章で伝える難しさを痛感しましたが、何とか短編書き上げました。

俺の名前は藤間。

藤間当麻…のはずだ。


駄目だ、酔っぱらいすぎて自分の名前以外あやふやになってしまっている。


「確か…あの後、やっちんともう一軒ハシゴして……っ!…やっちんは近くのホテルに宿泊してるって事で別れたんだったな…」


藤間の頭に痛みが走った

飲み過ぎである。


「あー、ちくしょう…二日酔い確定じゃねえか。まあ、明日休みでよかったわ…」


藤間はふらふらしながらも、確実に帰宅のルートに向かっていた。

途中、何本かの電柱に肩を預けつつも確実に。


5本目…いや、6本目の電柱だっただろうか、左腕を電柱に付けたままもたれ掛かった藤間は、今日の事を思い出していた。

「あー、クソ…楽しかったな…。やっちんとあんな熱い話できるなんて…」

心臓が早鐘を打っている。

熱い。

ネームですら、まともに描きあげたことのない、自分が凄まじく燃えている。

今なら…この瞬間なら描ける気がした。

「やべぇ…描きたくてたまんねえ…こんなとこでモタモタしてられっかよ!!」

今度こそネーム切って、ペン入れからトーン貼りまでやって…

藤間は酒のせいか非常にハイになっていた。

「俺にもこんな情熱パッションがまだ残っていたなんてな…へへっ」

夜中にボソボソ呟きながら、フラフラと家路を急ぐ酔っぱらいが1人。

職質ものである。





ガチャン

家の鍵の開く音がした。

藤間は20分かけて帰宅の途についた。

靴を脱ぎ捨て、今はもう座る事のない漫画用デスクの引き出しを開けた。

「あった、あった。」

そう言いながら取り出したのは大量のコピー紙だった。

いずれも絵が描かれており、1つとして未使用のものはなかった。

自分の漫画の設定資料集みたいなものだろうか。

藤間にとってはかけがえのない宝物でもある。

それを大事そうに抱えると藤間はベッドにダイブした。

「ふふっ…こんなもん描いてたなあ。個人的にはいいアイディアだったけど、ひと月後ぐらいにデビューした作家と設定まるっきり一緒なのが分かって…ボツにしたんだよな。早い者勝ちの世界なんだって痛感したなあ」


仰向けになりながら、部屋の電灯に透かしつつ1枚1枚に目を通していく。

「よし、この中にも多少使える設定あるから、そっから構想練って…後は…」

駄目だ…瞼が重い。

酒が回りすぎたせいか、藤間の開眼時間はすでに限界をむかえていた。

「これから…俺は…漫画を描…」

言い終わる前に瞼のシャッターが閉店ガラガラしてしまった。

さよなら現実グッバイ リアル

そして、ハロー。夢の世界へ。










雀のチュンチュンと鳴く声が蝉の鳴き声に変わる頃、ようやく部屋の主は現実に舞い戻ったようだ。

「んん…ふわあ…よく寝た」

スマホの時計を確認すると、すでに12時ちょっとを過ぎていた。

「うわ、寝すぎた。いてて」

眉間を押さえながらベッドから起き上がる

見事に二日酔いである。

起き上がった拍子に、腹の上にあった資料が床めがけて滑り落ち、それは散乱した。


「ベランダで一服しますか」

そう言うと、すくっと立ち上がりベランダに向かう。

床に散乱した資料をその足で踏みしめながら。

ガラララ…

ベランダに出ると、すでに昼のせいか日差しが目に突き刺さる。

持っていたタバコに火をつけ、目覚めの一服を楽しむ。

「とりあえず、せっかくの休みだし外出るか。オープン過ぎちゃってるけど、スロットでも打つかな。」

二日酔いだろうが関係ない。

藤間は不敵な笑みを浮かべた。

昨日の情熱なんてものは明後日の方向に霧散し、今はギャンブルの事しか眼中にない。

そうして、いつもと変わらない日々を過ごす。




彼の名は藤間当麻

将来の夢は漫画家になる事





結局、彼は何にも描かない



とりあえず、表現は稚拙な部分、多々あるとは思いますが書きたいものは書けたのかな…っていう感じです。


次から長編にもチャレンジしていきます。

読んでくださった方々、1人…2人ぐらいかもしれませんが、(もしかしたら0かな

お付き合いいただき、ありがとうございました。


また次の作品で。


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