0 起床からの遅刻
見切り発車で書きました
短編で終わらせるつもりです
サブタイトル書きたかっただけ
ピピピピピ…
とあるマンションの一室。
足の踏み場もない、悪い意味で生活感ばっちりの空間に、けたたましくスマートフォンのアラーム音が鳴り響いていた
アラーム音に包まれながら、一人の男がベッドの上ですやすやと寝息を立てているが、時折耳に入ってくる雑音のせいか、次第に険しい寝顔に変わっていく
そんな事もお構い無く、時間通りにセットされたアラームは規則的に、かつ一定時間に置きに鳴っては止まり、鳴っては止まりを繰り返している
「んー…るっせえなあ…」
眠気眼を擦りつつ、手探りでスマートフォンを探しあて、慣れた手付きでアラームを止める
「後…15分…むにゃむにゃ…」
そう言い残して彼はまた、ふかふかのベッドに身を預ける
この時が永遠に続けばいいのに…
そう…ずっと…ずっと……
思えばこの時に何故もう一度寝てしまったのか
彼は知る由も無かった…これから起こる悲劇に…
あれからどれだけ時間が経ったのだろう
時計の短針は12を指していた。
ピポポポピピポポーン
ピポポポピピポポーン
ピポポポピピポポーン
先程のアラーム音とはまた違った音色が部屋中に再び鳴り響いた
「ん…なんだよ…」
ピポポポピピポポーン
「もうちょっと寝かせろって…」
ピポポポピピポポーン
「だぁぁぁぁ!!!!うるせえ!!!!」
「……え?」
勢いよく飛び起きた彼は一瞬固まった
嫌な予感がした。
ライトスタンドの側に置いていた眼鏡を慌ててかけ、スマートフォンの画面に目を凝らす
「ひっ…」
「ひゃ…うへぁぁぁぁぁあああああ!!!」
恐らく今日一番だと言っても差し支えないであろう、かなり情けない声が室内にこだました。
スマートフォンの画面に表示されていたのは職場からの電話番号だったのだ。
「やべー!とりあえず出…出ないとだよな!!」
そう自分に言い聞かせると、彼は画面上に表示された通話ボタンを横にスライドさせた。
「あ!もしもし!バイトの藤間です!!すんません!!急いで向かいますから!!はい!!はい!!ほんっとすんません!!」
寝起きで相手の小言を電話越しに聞くのがマジで地獄。という自身の格言の1つにもしている彼は、とにかく謝罪と誠意が伝わる言葉の羅列でマシンガンのごとく捲し立てた。
ここで重要なのは決して言い訳をせず、反省してますオーラを出しまくる事である
電話の相手は呆れ声だったが、慌てている彼を落ち着かせて、車に気を付けながら急いで来なさいとメチャクチャな言葉を残し、そこで電話が切れた。
「ふう…」
「……。」
「だぁぁぁぁぁ!!!!!やっちまったぁぁぁぁ!!!うおおおおおお!!!!!」
ベッドから飛び起きた男はその場で数秒間、変な舞をした。
人は混乱している時、焦っている時に変な行動をとってしまうことがままあるが、この奇妙奇天烈な舞も彼の悪癖の一つである。
文章では伝えにくい動きをしているので、あえて想像にお任せしよう。
体を動かす事で我に立ち返った男はすぐさまシャワーを浴び、バイトの支度をして家を飛び出した。
今、絶賛全速力で職場に向かっている男の名前は「藤間当麻」
黒髪に黒ぶち眼鏡、目はとにかく死んでいて、これといった特徴のないモブキャラ…
俗に言う陰キャと呼ばれるカテゴリの人間である。
高校を卒業してからは進学をする事もなく、現在急ぎで向かっている職場でバイトとして働いている。
ある夢の為に。
そう、彼には夢がある。
日々、膨大なジャンルの作品が常に生み出されており、それで食べていける人間はほんの一握りとされている。
彼曰く、茨の道を全裸で突っ走るような職業
「漫画家」である。
昔から美術の成績は5段階評価のうち最高の5であり、人並み以上に絵が描けていた彼は、同級生からの評価も高く、いくつかのコンクールでも金賞を獲る程であった。
そんな彼が絵の表現方法の1つである、漫画にハマらない訳がなかった。
中学生の頃から集め始めた漫画は、今ではゆうに2000冊を超えており、数少ない友人が家に遊びに来た時には「お前、まんが喫茶でもやれるんじゃね?(笑)」と小馬鹿にされる事もあった。
…おっと。そうこうしているうちに彼のバイト先の書店に到着したようだ。
初めて書いたので至らぬところも多々ありますが、頑張ってブラッシュアップしていければな、と…