病
彼女は今もそこで眠っている。
彼女は親には愛されていた。
彼女には友達はいた。
彼女はごく一般のありふれた少女だった。
しかし、彼女はある日病にかかってしまった。
病はどのような病なのかも知られず、ただ彼女の体を蝕んでいく。
初めは爪が割れた。
次の日には髪が抜けた。
親は驚愕して病院に連れて行く。
しかし病名はわからない。
親は病院を諦めず探し続けた。
次の日は1時間に一回は嘔吐をした。
しかし、彼女は1週間後眠りについてしまった。
だが、まだ生きている。
親は病院に彼女を点滴とともに預けた。
親は病院を探し続けた。
探し続け、探し続け、探し続け、探し続けた。
しかしどこの病院も答えは出ない。
親は娘のことは忘れたが病院を探し続けた。
そして死んだ。
娘を置き去りにして。
残された少女は夢を見た。
楽しかったあの頃を思い出した。
彼女の夢の街には人はいない。
ある日、彼女は影と出会った。
真っ黒な影だった。
「誰ですか?私は◾️◾️◾️◾️◾️です。」
泣きながらたずねる。
返事はない。
影は一瞬にして消えた。
一瞬にして世界となった。
一瞬にして影は…………世界は崩れた。
それが彼女の終わりだった。
残ったものは未練そして悔恨。
影は次の『少女』を消す。
影という存在がなくなるまで。
そうであると信じたい。