拾った物は何だろう?
私は、ある真っ白な雪の降る日に、神社の前で段ボール箱に入った、手の平に乗る小さな男の子を拾いました。
そこは、お稲荷さんの神社だったので、おキツネさんが人間に化けたのかな?と思いました。このまま、何も見なかったことにして、家に帰ろうとしました。
すると、その小さな男の子は「ク~ン、ク~ン。」と声を出しました。私は男の子を持ってみました。手の平に乗せて、よく観察してみると、紫の着物を着て、黄色の帯を締めていました。髪の毛は、全部真っ白の短いショートカットでした。顔を見ると、とても優しそうな可愛い顔をしています。目をつぶっているので、瞳の色は分かりませんでした。人間だったら、5歳くらいの感じでしょうか?でも、こんなに小さい人間が存在するはずがありません。
この子は、寒さで弱っているようでした。このまま、ここに放っておいたら、死んでしまうかもしれない。
もしかしたら、神様が私のために、この小さな男の子を与えてくれたのかもしれない。こんなに可愛い顔をしているし、放っておくわけにはいかない。
私は、その小さな人間を手の平に乗せて、持ったまま、真っ白に積もった雪の道を歩いて、家に帰りました。