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一般的!開戦

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シリアスは、心が痛い…

以上です。


 日も暮れて、夜を待つ宵の頃。辺りは薄暗く、公園には四つの人影が虫たちののさざめきの中に立っていた。

 その中でも、特に目立つ人影が一つ。

 太ももの中間までのスカート、腹部と肩を大胆にさらした上着を身につけ。両手には、ギラギラと輝くポンポンを握っている。

 その姿は、紛れもなくチアガールそのものだった。年の功は、3人とそう変わらない十代半ばぐらいであろうか、当たりの暗さで、ハッキリとはしないが、どことなく猫ぽっい顔立ちをしていた。


「・・・」

(うう…あんな服装で今まで、街を歩いてたのかな…)

「・・・」

(あり得ない… 常識を疑いますね)

「・・・」

(うおおおお! チアガールキタコレ!)


 突如として現れた謎のチアガールに、3人はそれぞれに驚愕した。


「あの方は、兄さんたちの知合いですか?」

「あんなチアガールの知り合いがいたら、俺の青春はバラ色だ… 黒子お前は、どうだ?」

「あの頃の、被害者かもしれませんよ。 巨乳どうとかって言ってましたし」

「いや知らない、知らない。 流石にあんな格好で外で歩くは、ウチの中学にもいなかったよ」

「では、あの方は見知らぬ人に、恥ずかしいコスプレで恥ずかしいことを言っちゃう、ただの痛い子なんですね」

「そうだね」

「だな」

「お前らちょいちょい失礼ニャン!!」


 チアガール思わず激怒。

 

「なら、あなたは、一体何者なんですか?」


 真理愛は、少しあきれ気味に問いを投げかける。


「ふん、今から殺す相手に名を名乗るなんて、時間の無駄遣いだニャン」

「「「イタタタタタタタ」」」

「ワタシ…オマエラ…キライ…ダニャン」


 やめてさしあげろ…


「ああもう!! そこまで言うなら教えてやるニャン!!」

「いや別に、俺らそこまで(黙るニャン!!)…はい」

「私は、シャルロ・テイマー! あんたらを殺す、救世主ステーターだニャン!!」


 少女、シャルロは告げる。

 自分が何者かを、その目的を。


(ステーター!!)

「まずい、先輩たちはやく逃げて!!」


救世主ステーターという単語を聞いた真理愛は、急激に顔色を変えた。


「まぁ~ 挨拶もほどほどに、早速だけど死ぬニャン」


 シャルロは、月のように輝く眼をみひらき、その口元を歪ませ笑うと、腕をあげポンポンを振る。

 それから数秒後の出来事だった、突如茂みから小さな影が飛び出す。

 影は、ミサイルのごとく真っすぐに、黒子へと飛びかかる。

 その軌道には、一切の戸惑いや躊躇を感じない。

 黒子に一定の距離まで近づいた時、影は動きを見せた。

 小さなシルエットが、腕を振り下ろす。


「え?」

「先輩危ないっ!!」


 刹那を切り、真理愛は影と黒子の間に割って入る。

 鞄を縦にして、盾にした。

 その身体からは、想像もできないような身体能力が、一連の流れを可能にした。


(ズバシャ!!) 


 黒子は目を疑った、目前に広がる光景に。

 盾として使用した真理愛の鞄は、まるで紙のように3枚に裂けている。

 何よりも驚いたことは、動きが止まったことで、確認できた影の正体だ。

猫である。

 あの素早く、凶悪なモノの正体が、普段目にする見慣れた動物であることだった。


(な、なによこれ…)


 言葉が出ない。

 もしあの時、真理愛がいなかったら…

 そう考えるだけで、背筋を冷たい恐怖に刺激される。

 猫は一度、シャルロの立つ方向へと、顔を運ぶ。

 そののち、再び殺意の目を自分に向けてくる。


「ヒィッ!!」

「大丈夫ですか!? 先輩!!」

「あ、あうん、大丈夫だよ…」


 噓である。

 当たり前のことだ。

 こんな光景を初めて見た人間が、動揺をしないのなら、その人間は、大丈夫な人間ではない。


「へ~アンタ中々の動きだニャン。 もしかして、私たちの同胞かニャン?」

「あなた達と一緒にしないでください。」

「あっそう、じゃ~目ざわりだし、お前から先に片付けるニャン!」

「ブニャァァァァ!!」


シャルロは、ポンポンを動かし、身体を揺らして足でステップを刻む。


「ネコちゃんファイオ!! ゴーゴー レッツゴー!!」


 それは、一般的チアダンス!

 圧倒的シュール!!

 だがそれにより、猫の動きが、あからさまに上がっている。


「フシャァァ!!」

「ッ!!」

(速いっ!!)


 真理愛は、猫のかぎ爪に対しまず、その動体視力で、横方向での攻撃出ることを確認、続いて身体をエビ反りにしながら後ろに後退した結果、わずか数センチの位置でなんとか交わすことが出来た。

 しかし、


(バシュ!!)

「なっ!!」


 辺りに何かが裂ける音が、響き渡る。

 裂けた、そう真理愛の服が。

 エビ反りによりそびえ立ったおっぱいその下乳と呼ばれる位置の布を、爪から生じたカマイタチが、裂いたのだ。


「んっ!?」


 自分の状態に気が付き、羞恥の念を抱いた真理愛だったが、体勢をたてなおすために、バク転の要領で地に足をつける。

そこを逃すまいと、猫も再度爪をたて跳躍してくる。


(速すぎる!!)


 あまりの猛攻に、真理愛は一歩また一歩と後退する。


(まずいこのままだと、後ろの二人を巻き込んでしまう!)


育成たちの距離は目と鼻の先、これ以上の後退は許されない。


「よし、今ニャン。 とどめをさすニャン!!」

「フシャァァ!!!!」


 シャルロの掛け声と同時に、猫は雄叫びをあげ、渾身の一撃を仕掛けようと飛びかかってくる。


「・・・」

(ザッ!!)


 その時、突如として育成は真理愛の方へ駆け出した。


「ち、ちょっと育成!!」


 一方で真理愛は、目の前の敵に集中していた。

 真理愛は余裕はないが、秘策があった。

 彼女は、鞄が裂けたあの時に、散らばる荷物の中から小さめのカッターを回収していた。

 これをタイミング良く投擲する。

 それだけのことだが、シンプルゆえに土壇場では、かなり強力な手段だ。

 真理愛は、素早く胸の谷間に納めていたカッターを、下乳の方から取りだし刃を出した。

 なぜ胸元なのなのだろう…


「ブニャァァァァ!!」

 (今だっ!!)


真理愛、渾身の投擲!!


((グサッ))


 この瞬間とき、二つのものが、ほぼ同時に貫かれた。

 一つ目は猫の身体である。

 真理愛が投擲したカッターは、猫の心臓を的確に射ていた。

 もう、この猫が起き上がってくることはないだろう。

そして、もう一つは…


「え… なん…で…… ど、どう…して……」


 ――― 双実真理愛の身体であった。 ―――


 真理愛を貫いたもの。

 それは、彼女の胸元から、生えているように谷間から顔をだす、彼岸花のの様な、真っ赤な真っ赤な人間の手であった。

 視界が霞む。

 色がなくなる。

 感覚が薄れる。

 寒さを感じる。

 足が重い。

 まぶたがおもい。

 胸が苦しい。


(どうして? どうしてなの?)

「どう…シ……てナノ…?」


 真理愛はブリキのように首を捻り、無気力な目で、後ろに立ち尽くす死神の顔を、見上げる。


「……ニ…イ……サン…」


 兄、双実育成の顔を。






今後ともよろしくお願いいたします。

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