第2章:勇気と約束
<前回までのあらすじ>折川さんと少しでも仲良くなりたい小百合…。しかし、なかなか話せずに仕事の終了時間が近づく…。そんな時、延長がはいりチャンスだと思った小百合は…。
スナックに移動したコンパニオンは色々と仕事がある…。
グラスやおしぼりをスナックの定員さんから受け取って並べたりお酒の種類を聞いて注文したりと…。
仕事が一段落ついたら私達は男性の間に座らなければならない。
仲間達は既に席に座っており
それぞれ話しを初めているようだった。
私はコンパニオンが片寄らないように周りを見渡していると彼の隣の席が空いていることに気付いた。
私は少し迷ったがすぐに別の考えが頭を過ぎる。
こうして延長が入りそのうえ彼の隣が空いているのもこれは運命なのだと…。
私は勇気を振り絞って彼の元へと向かった。
私の心臓は周りに聞こえるのではないかと思うくらい緊張でドキドキと高鳴っていた。
彼の側に立って腰を屈めた。
「折川さん…隣いいですか?」
彼は少し驚いた顔をしたがそれもすぐに笑顔へと変わり優しく答えてくれた。
「小百合さん…。どうぞ。」
私はその言葉と笑顔が嬉しかった。
「失礼します。」
そう一言だけ言って彼の隣の席へ座った。
数分間、彼と色々な話しをしたけれど緊張していて内容をあまり覚えていない…。
そこへ一次会の時隣に居たおじ様がまた隣へと座った。
「小百合ちゃ〜ん。こっちにどうして来てくれないの〜?」
酔っているのかベタベタとしてきた…。
「ごめんなさい。折川さんとお話したかったもので…。」
私は自分の言葉に驚いた…。
言ってしまった…。
バレたかな…?
「小百合ちゃん。朋久に惚れたかぁ〜?」
私の心臓はドキンッと跳ね上がった。
私は顔が赤くなるのを抑えながら笑顔で、タイプではありますね。とだけ答えた。
するとおじ様は彼に問い掛けていた。
「朋久。お前はどうなのよ?俺は小百合ちゃんいいと思うぞ?俺が若けりゃあ嫁にしてた。」
すると彼は私の手をギュッと握りしめた。
すかさずおじ様は私達を見て言った。
「朋久、明日休みだろ?小百合ちゃんとデートしたら?」
私はおじ様の突然の提案に驚いた。それと同時に彼と過ごせたらいいな…という思いとダメだろうな…という思いが頭を駆け巡っていた。
すると、彼が口を開いた。
「小百合ちゃんは明日ヒマなの?」
私は驚いた…。
まさか彼が明日の予定を聞いて来るとは思わなかったから。
「えっ…?あっヒマです。」
すると彼は私の左手を再び強く握りしめてきた。
「明日、デートしようか…?」
思いがけない彼の言葉に私の顔が一気に赤くなるのが分かった。
私はあまりの驚きに声がでなくてただ首を縦に振った。
そして私達は携帯の番号を交換した。
夢のようだった。
まさかあんなにカッコイイ人が私を誘ってくれるなんて…。
私でいいのかな?
そんな色々な思いが頭を駆け巡っていた。
私が放心状態でいると彼は同僚に呼ばれてしまった…。
私は彼を見送った。
すると彼は私の頭をポンポンッと触り私に笑顔を向けて一言残していった。
「ここで待ってて。」
私は嬉しさと同時に、そんなに寂しそうな顔してたかな?という謎に苛まれた。
私は隣のおじ様と話しつつ彼の言った通り待っていた…。
しかし、彼が戻って来るよりも早く終了時間がやってきてしまった。
私は名残りおしくもその場を後にした。
こちらも長い間、連載が出来なくて、読者の皆様には、大変ご迷惑をおかけしました。今後は今まで以上に頑張って行きたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします☆