35.あとがき
「道の先から……」に始まって、「稀代の魔術師」「道の先には……赤ちゃんパニック」と続きました『道の先』三部作、終わってしまいましたぁ。
本気で寂しいですぅ。
で、ここからは完全にネタバレな記述となりますので、三作すべてお読みでない方(で、ほかの作品も後で読もうという奇特な方)は、ここからはやめといたほうがいいと思います。
それでも、読むのは自己責任で……
本作品はテンプレ形式。主人公の美久=ビクトールを中心に、少しずつ色を変えて同じキャラクターが存在するのはご理解いただけるでしょうか。
幸太郎=コータル殿下とかちゃんと地球とオラトリオでつながる人物がいるんですが、一人、いや正確に言えば二人だけ例外がいます。
それがミシェルとテオブロ閣下です。私は最初二人が武くんなのだと思っていました。しかしそれじゃ、体が足りない(笑)それに、殿下の父王いないし……とか、作者本人が辻褄合わねぇとつぶやいていたのですが。
でも、本作をあらかた書き終わってみて気づきました。そうだ、ミシェルとテオブロ閣下のポジショニングが地球とオラトリオでは入れ替わってるんだって。
地球では彰幸がテオブロ閣下、彰教がバルド国王。
この二人、生まれてきたときに兄と呼ばれていたのは実は彰幸の方。しかし、彼に発達障害が見つかったため、彰教を跡取りとして兄と呼ぶようになったんですね。
そして中司家(王家)を追われ、名を変え、自分の才能を開花させて自立する。ほら、テオブロ閣下そのものでしょ?
で、地球では幸太郎が武の養子になりますし、細かいことを言えば、彰教も一日だけ幸太郎の息子でしたもんね。おお、見事につながったぁ!と、ポメラの前で手をたたいて喜んだ他人事たすくでした。
そうなんです、他人事なんですよ。キャラが勝手に動いていくので、私も最初は分からないことがたくさんあって、キャラに耳打ちされて膝を打ってばかりです。
この作品では、移動中の車の中で妄想にふけり、
「それはねぇだろ~」
とかハンドルをバンバン叩きながら笑ったこと数知れず。本当に楽しい奴らでした。
本編はこれで全て終了ですが、2~3不発で終わった伏線を回収するべく番外編を発動するかもしれません。
このままお別れだなんて、美久じゃないけど寂しすぎますもん。私、構想を含めると1年以上もこの物語に関わってきたから。
では、またどこかの番外編でお会いすることとして、さよならは言わないことにします。
神山 備




