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29.確信犯?

「うわっ、鮎川」

 目を覚ました私の目に飛び込んできたのは、鮎川の超どアップで、私はベッドから飛び降りようとしたんだけど、私の体は何かにつながれていた。鮎川は、

「薫、動くな」

と肩を掴んで私をベッドに戻した。

「何よ、その銀行強盗みたいな台詞は」

私がにらみながらそう言うと、

「バカ、動くと点滴が外れっだろーが」

ムッとした様子でそう鮎川が返した。

点滴? そう言われてつながれているものの先を見ると、確かにその先には何かの薬液のパッケージがぶら下げられている。

「言っとくけどお前は今、24時間絶対安静だ。トイレ以外で起きるのはNGだぞ」

鮎川は続けてそう言った。

「えーっ、何よそれ!」

私はその発言に大きく抗議の声を上げたけど、鮎川に

「大体、おめぇが無茶するからだろ。自分の体のことだ、薄々気づいてんだろーが」

と反論されて、首をすくめながら小さく頷いた。


 うん……もしかしたらとはこの前からずっと思ってるよ。

「けど、鮎川ちゃんとしてくれてたじゃん」

それでも、私は意地になったようにそう言う。

「生でしてないことを言ってんのか? あれだって100%ガードできるもんじゃねぇ。慌てて引っ張ると、気づかない程度に穴が開くらしいぜ、アレ。

大体、これから本番って時に余裕こいてゴムする奴の方が変だろ。穴開いててもおかしかねぇ」

そしたら、間髪入れずにそんな返事が返ってきた。それは私も聞いたことはあるんだけど。

 だけど、そうだよね、タイミングが悪かったんだよねとため息をついた私を見て、鮎川は急に思いだしたように、

「あ、最近外出ししたこともあったっけか。あれもあんまし効果ないって聞くよな」

と続けたのだ。えっ? それって、どーいうこと?

「鮎川、効果がないって知ってたの?」

と聞いた私に、

「薫、知らなかったのか?」

鮎川はそう答えたが、その顔が笑っている。

「まさか、わざとなの!」

思わずそう怒鳴ってしまった私に、

「そんな訳あるかよ。あれはだな、海外出張でご無沙汰だった分、余裕がなかっただけで……」

一応そう返すけど、へらっと上がった広角は『お前、今頃気づいたか』と言う感じ。絶対に確信犯だ。私はちゃんとしてくれてるって信用してたのに……とんだ狸め。

「何よ、私が知らないからって、ひどいじゃないの」

で、私は点滴につながれていない左手で、鮎川に殴りかかる。

「だから、点滴外れっからおとなしくしてろって」

鮎川はへらへら笑いまま、私の手首を掴んでそう言った。

 

 だけど、へらへら笑っていた鮎川の顔は、私が

「何よ、こんなのだまし討ちじゃない」

と言った途端、すっと引いた。むすっとして、急に黙り込む。

 そして……

「薫、そんなに俺のことが嫌いなんだったら別れよう」

鮎川はそう言いながら私のベッド横の椅子から立ち上がった。


 ねぇ、怒ってんのは私の方なんだけど。んで、どーして一足飛びにそういう話になる訳?!

ここだけちょっとお子様にはお見せできない内容になってるかも。15指定しといて良かったぁ。

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