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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第1章  〜初めての大舞台〜

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第8話

REVOLT JAPAN当日。


朝。


天野湊は目覚ましが鳴る少し前に目を覚ました。


天井を見上げる。


眠れなかったわけではない。


だが自然と目が覚めた。


今日は特別な日だった。


初めて出場する五大大会。


REVOLT JAPAN。


世界大会へ繋がる世界最高峰の舞台。


「ついにか。」


思わず笑う。


緊張はしている。


だが不思議と怖くはなかった。


それ以上に楽しみだった。


身支度を済ませる。


コントローラー。


ケーブル。


財布。


スマホ。


忘れ物がないか何度も確認する。


そして家を出た。


電車に揺られながらNexを開く。


タイムラインはREVOLT JAPAN一色だった。


『RJ開幕!』


『現地到着』


『今年も楽しみ』


『海外勢来てる』


『優勝予想頼む』


『配信始まった』


大会当日の熱気が画面越しにも伝わってくる。


やがて会場最寄り駅へ到着する。


改札を抜ける。


そして。


「……すご。」


思わず声が漏れた。


人が多い。


想像以上だった。


会場へ向かう人の流れができている。


参加者。


観客。


配信者。


プロ選手。


スタッフ。


様々な人が集まっていた。


大きな会場が見えてくる。


巨大な看板。


スポンサー広告。


大型モニター。


配信で何度も見た景色。


だが実際に目の前で見ると全く違った。


空気そのものが熱い。


「本当に来たんだな。」


実感が湧いてくる。


受付を済ませる。


参加証を受け取る。


首から下げる。


出場選手。


その文字を見るだけで少し緊張した。


会場内へ入る。


そこには無数の対戦台が並んでいた。


あちこちで試合が行われている。


ウォーミングアップをする選手。


仲間と話す選手。


配信を回している選手。


その中には見覚えのある顔もあった。


「あ。」


思わず視線が止まる。


少し離れた場所。


配信で見たことのある人物がいた。


SHIRO。


有名配信者だ。


ランクマッチでは対戦したことがある。


だが向こうは自分の顔を知らない。


湊も声を掛けるつもりはなかった。


ただ。


配信で見ていた人物が普通に歩いている。


それだけで少し不思議な気分になる。


他にもいた。


大会常連。


有名配信者。


トッププロ。


画面越しに見ていた人たちがそこら中にいる。


「すげぇな……。」


まるで別世界だった。


だが同時に。


自分もその中の一人なのだ。


ランクマッチ一位。


登録ネームMINATO。


今日は観客ではない。


出場選手だ。


その時。


会場の大型モニターが切り替わった。


ざわめきが広がる。


組み合わせ発表。


周囲の空気が一気に変わった。


選手たちの視線がモニターへ集まる。


湊も見上げる。


心臓が少し速くなる。


いよいよ始まる。


ランクマッチでは何度も戦ってきた。


だが大会は初めてだ。


観客の歓声。


負ければ終わりのトーナメント。


独特の緊張感。


全てが未知だった。


それでも。


足は震えていない。


むしろ早く戦いたかった。


強い相手と戦いたい。


自分がどこまで通用するのか知りたい。


そのためにここへ来たのだから。


天野湊は大型モニターを見つめる。


世界への第一歩。


REVOLT JAPAN。


その長い一日が、今始まろうとしていた。

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