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5話


「あー、学校とか行くのめんどくさ。こんな朝早くから動かないといけないなんて間違ってるでしょ」



 あー、まだ可愛い女の子のasmr配信を聴いて癒されていたい。

 学校になんか行きたくないし家で一日中Vtuberの配信を見ながらベッドの上で見てぬくぬくしてたい。甘々彼女に癒されてたいー!



「あー、学校に行きたくない…」



 え?

 昨日は学園生活が楽しみだって言ってた?



 それとこれとは別じゃない?

 朝から動くのって何でこんなにおっくうなんだろ?



 きっと本来の人間は夜行性の生き物のなんだ。それなのに朝から仕事や学校に行かなきゃ行けない世界が間違ってるんだ。



 起きたての鈍い思考でそんな益のないことを考えていると徐々に思考がクリアになっていく。

 しかし、いくらそんな事を考えても時間は待ってくれない。そろそろ学校に行く準備を始めなければと体が動き出す。

 


 しょうがなく起きた僕は朝ごはんを食べ、歯を磨き、制服に着替えと嫌な気持ちを抑えて学校に行く準備を終わらせていく。



「はー、行きますか」






・・・








「おはよう!」 



 学校に向かって歩いていると前方で八神さんが歩いているのを見つけた。

 今の時間帯は遅刻しないギリギリのタイミングなので周りに生徒はほとんどいない。



「…」



 あれ?

 挨拶したら無視された。



 と思っていたら彼女からロインでメッセージが来た。



–––



八神 『学校ではアタシに話しかけないで』



和田 『昨日はあんなにメッセージ送ってきたのに?』



八神 『それは忘れて!』



–––


 


 どうやら学校では話しかけない方がいいのかも知れない。

 なので、気を使って彼女の少し後ろを歩いて通学することにした。



 その後も教室で八神さんと話すことも無く昼休みの時間になった。

 彼女は相変わらず誰とも話すことはなく、昼休みになるや否や教室から出て行ってしまった。



 昨日はあんなことがあり、彼女の色々な一面を知ることが出来た。

 かなりのVtuberオタクなこと。普段は見ることが出来ないような笑顔やテンションの上がった可愛い声。夜中には長文のメッセージが送られてきたりもした。



 なんか勝手に彼女との距離が近くなっている気がしたが、蓋を開けてみれば昨日までと何も変わらない関係になっていた。



 なんだか寂しいなと思っていたところで彼女からメッセージが届いた。



–––


八神 『今日の放課後は空いてる?』



和田 『空いてるよ!』



八神 『そう。和田くんが良かったらファミレスで話さない?』



和田 『良いね! 話さそう!』



八神 『場所は〇〇にあるザイゼリアでいい?』



和田 『了解!』



八神 『じゃあ、またあとで。それと目的地には別々に向かいましょう』



和田 『了解!』


–––




 まさか、またしても八神さんの方からロインが来るとは。もしかしたら彼女は僕以上に趣味について話すことが出来る友達を求めていたのかも知れない。



 今日は学校が終わったらそのまま帰宅する予定だったけど、放課後に楽しみが増えたな。


 

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