58話 正真正銘の命がけのゲーム
私は中央ラウンジに向かった。その道中は短かった。
「七海さん、どうかしました?」
「いいや、何でもない……」
明らかに何かを考えている気がした。なんだ……?
「ほら、どうしたんだ?元気出せよ」
「早乙女……そうだな、にぱーっ」
七海さんは作り笑顔でその場をしのいだ。
(明らかに七海さんはおかしい、どうしたんだ……)
下に向かって行った、何度、この光景を見たのだろうか。いや、何百回、見たんだろう……
(長く感じる……)
そして、下に着いた時、テーブルに刺身が置かれていた。
「……なんで?」
その刺身を食べている兎の仮面の人がいた。
「カンパチって言うのか……これ」
おいしそうに食べていたが、猪さんが背後に立っていた、殺気丸出しで。
「ね~ぇ~?来たけど~?」
「ゴッ……ゲホッゲホッ……のどに詰まったじゃないですか……あ」
私たちを見て兎の仮面の人は仮面越しに目が点になっているようだった。
「……ウンン、第四ゲームの会場にようこそ」
「なんで刺身食べてんねん!!」
「関西弁ちゃん、そんなこと言わないでください、それに深く掘らないでください」
「まさか、女体……」
「やめなさい、月宮さん、これ以上言ったら変態と思われるよ」
早乙女さんがそう言った。
「兎さぁん……?後で裏に行きましょう1から100まで話してもらいます……」
猪さんは早口でこんなことを言った、怖い。
「こっちですよぉ~テメェが行くところは」
「ちょっと待ってくださいよ、誤解ですってぇぇ!!!」
そして兎さんはバックヤードにぶち込まれた。その場を見ていた監視の蛇の仮面の人が口を開けていた。
(運営陣でもこの出来事は初めてなのね……)
そして猪さんが帰ってきたとき、手元には新品の鉈が握られていた。
「まさかあの変態は解体されたんか!?」
「あ、これは脅しの道具で使ったので、あなたたちには使わないので、悪しからず、では、ルールを説明させていただきます」
後ろでは蛇の仮面の人がガタガタ震えていた。
(なんかすごい揺れてるけど、そんな怖いのか……?)
「今回のゲームはドローポーカーです。初期持ちメダルは5000、最低ベット枚数は500、参加料は200、ポジションは無しです。JOKERはオールマイティーカードです、そしてそれを使って役を作り、勝利すると他のプレイヤーはJOKERを持っている人に賭けたメダルの二倍を支払う必要があります」
その時、七海さんはこういった。
「なぁ、早乙女、もう終わろうや」
「どうしてなんだ?」
「どうせ、私の本当の願いなんて、かないっこないんだ、絶対」
「どういう事なんだ……?」
「託すんだよ……私の覚悟を、そうだろう、賀留多!」
その拳は、私の心臓をとらえていた。だが、その拳は優しかった。
「お前が頑張ってくれ、頼む」
その時、七海さんの心を読めた。私たちのテーブルではできるだけ脱落者は出すなと。
「ははっ、3ラウンドは耐えてくれよな」
「ああ、わかった」
その事に気が付いた早乙女さんはうなずいてくれた。
第四ゲーム ドローポーカー 8人→6人 初期チップ 5000 最低ベット枚数500
ルール
ジョーカーを混ぜ、場に出し、勝利した時には敗北した人から倍のベット数をもらう。
フォールドした場合でも次のプレーで参加できる。
最初に参加料と最低ベット枚数を賭ける
10000コインを超えた時点で勝ちぬけ
ポジション無し
1巡目でフォールドをした場合、賭けたチップ全額、元に戻る、参加料は戻らない。
両テーブルにて脱落者2名出たら終了、出るまで続ける
カード枚数はJOKER含め108枚
最大6ラウンド
ラウンド毎に使用したカードは除外される、だがラウンド4になると除外カードは山札に入る
Aグループ 賀留多 樹砂 青山 早乙女
Bグループ 月宮 秋月 七海 田所
最後まで見てくれてありがとうございます。
少しでも続きが気になる、それか面白ければブックマーク・評価・いいね・感想とレビューをお願いします!
評価が自分のモチベーションになってハッスルハッスルするのでよろしくお願いします!