4 9話 人を殺した末路
隣のテーブルでのゲームが終わり、最終結果の時間になった。
「さて、Aテーブルでは如月が、Bテーブルでは七峰が最下位になりました」
そして処刑の時間、如月さんがこういった。
「Aテーブルの奴らは人殺しだ!それにイカサマをしているんだ!」
私は自覚せず、言い返していた。
「へぇ、あなた、私に人殺し人殺しと言っていたのに、前ゲームの時、楪さんを間接的に殺したのよね……あなたも人殺しなんだよ……なのに……脱落したからって、人殺し人殺しと騒ぎ立てるのは……違うだろう……」
「でもあなたは34人殺してるんだ!」
「どうしてそんな細かな出来事、知ってるんだ?」
ニュースでは数十人殺害したと、殺した人数をぼかして報道されている、なのに細かな人数を知っているんだ?
「ニュースでは数十人って言ってたのに?」
樹砂さんがぽかんと言った。
「そう、数十人と、ニュースで言っていたはずだ。だけど34人を殺したって、その当事者か、警察とかの情報を見れる人、そして裏社会の奴らが知っているはずだ」
すると早乙女さんが七海さんにこういった。
「あの事、話してもいいですかね?」
「ああ、あいつのメンタルをボロボロにするためならな」
猪の仮面の人は処刑タイミングを伺っているようだった。
「わたくしは、大和組、姐さんの子供……養子です。賀留多さんのしでかしたこと、七海さんの経歴など、あらゆる情報を知ってますが、賀留多さんが殺した人数は34人です。」
「だってよ、だからよ、お前も人殺しなんだ」
そこで私は七海さんの言葉を借りることにした。
「あなたは、ひ・と・ご・ろ・し、なの」
私はASMRのように、如月さんの耳元でささやいた。多分これはおっさんは釣れるな。
「では、処刑を始めます」
如月さんの顔は鼻水と涙でグチャグチャだった。秀逸だ。
「では皆さん、また会いましょう」
そういえば七峰さんも処刑だっけ、今まで置いてけぼりだったっけ。そして二人は奥に引きずられていき、モニターで二人の様子が映された。
「お前ら……絶対許さないからな!」
如月さんは呪詛を呟いていた。七峰さんは何かに裏切られたかのような顔をしていた。
「では、はじめます」
七峰さんの方は周りが凍りだした。如月さんの方は一人で椅子に座らされていた。
(なんだ……この違和感……如月さんの処刑は何もしないのか……?)
そして七峰さんが倒れた瞬間、二つの画面が暗転した。
「さてと、上がりましょうか」
如月さんは明らかに死んでいないような気がしたが……どうだかわからなかった。
「楪……仇は取った……」
「良かったですね、七海さん」
早乙女さんが七海さんにすり寄った。そういえば楪さんと仲が良かったんだっけ。
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