4話 ウサギの仮面。
あのアナウンスで他の人がぞろぞろと集まってきた、その中、青ざめている人がいた。
「大丈夫なのかな」
私は声をかけに行った、だがその子は一個下の代の子だった。
「大丈夫、だけど、大丈夫」
「本当に大丈夫か」
何か無理してる感じがする、その時、電気が消えた、そして舞台にスポットライトが照らされていた。そして現れたのは、タキシードに身を包み、ウサギの仮面をかぶった男の人が現れた。
「おやおや、全員揃っていますね、では、挨拶から」
その時、周りからヤジが飛びまくった。
「ここから出せ!」
「そうだーうんちうんちー」
中には幼稚と思えるほどの罵詈雑言が聞こえてきた気がするが、気のせいだろう。
「まぁまぁ、そこまで怒らないでください、今からあなたたちにはあるゲームをしてもらいます」
その言葉にもヤジが飛んだ、どれだけ噛みつきたいんだか。
「そうなると思って、モニターを用意しました、ご覧ください」
モニターが光ったと思ったら、私の顔、いや、ここの場にいる人の顔と、下に文字が14人分、あった。
「これはあなたたちの叶えたい事です、ゲームの優勝者はここに書いてある事を叶えられる、だが、叶える権利は一人だけです」
すると一個下の代の子がこんなことを言った。
「お前ら、いい加減にしろよ……お前のせいで何人も人が」
その声を遮るようにウサギは話し始めた。
「おっと、言い忘れてました、ゲームに敗北した愚かな挑戦者は、死んでもらいます」
その言葉で会場は静まり返った、ヤジも止まり、ウサギは話し始めた。
「では、ここに夢と希望のフォーティーンゲームの始まりです」
すると周りに煙が立ち込めてきた、無臭だが、周りが見えないほどに濃い煙だ。
「なんなのよ、死ぬって」
死と言う言葉に、私はおびえてしまった。
「はは……冗談じゃないよ」
煙が晴れると、ウサギの姿がいなかった。その代わり、ボタンが置かれていた。
「始まってしまったか」
一個下の代の子がこうつぶやいた。
「始まってしまったってどういうこと?」
「……個室に行って話そう」
私は一個下の代の子に連れられ、その子の個室に詰め込まれた。
「あなた、初めてなのね?」
「どういうこと?」
「なら分からない話なんだが、耐えれるか?」
「たぶん……ん」
「私は町田 千黒っていうんだ、ニュースで見てないか?」
町田 千黒ってたしか、ポーカーのU-15で優勝していた人なのかな」
「それでね、歴代優勝者が行方不明になっていたから、調べてたんだけれど、これに巻き込まれていたのかな」
「もしかして、ゲームって」
「ポーカーの可能性が高いんだ」
「私ポーカーのルールとか知らないよ?」
「大丈夫、教える、だけれど、これから話す事、他言無用ね」
そして今まで経験してきた事を話し始めた。
「私は、恐らくだけれど、死んで生き返ってるんだ」
「だとしたら、幽霊なの?」
「いや、だとしたら何もかも触れれない、服だってぽとぽとと落ちて裸になるかもしれない。おそらくだけど、どこかにキーがあるはずなんだ。それを探してほしいんだ」
「でも、何で死んでるの?」
「それは……私にも分からないんだ、今のところ、全員加害者なんだ」
全員加害者か……なら私もだけれど、疑っているのに個室に連れ込むのかな。
(あの時、青ざめていたのはこの事かな)
「だが、これだけは分かっているんだ、2回は言わない、偶数には気をつけろ」
(偶数には気をつけろ?どういうことだ?)
「ほら、帰った帰った」
私は追い出されるように外に出た、偶数?
「あっ、賀留多さん、体育館からすぐに出ましたよね、見せたいものがあるので、ちょっとこっちに来てください」
私は体育館に向かった、そこには死のショックで一人倒れていた。
「田所さん、倒れてる人いますが……」
「そうなんだよね、大丈夫か?」
その人は倒れていた。
「多分この人は青山さんですね、前のモニターに書いてある」
前のモニターには先ほどの画面が映されていた。
「だね、髪の伸び具合とかそうだし、それで前にあるボタンって何だろう」
「知らない、けれど押すのは緊急時かもね」
触らぬ神に祟りなしっていうし、そうかもね。
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