43話 クローン体
私は犬さんにどうしてこんなにゲームの感覚が短いのか、そして殺した犯人は誰か、聞きに行った。
「ねぇ、今大丈夫?」
犬さんは町田が遺してくれた手帳をじっくりと読んでいた。
「どうかしたの?」
「なるほどね、すべてがつながった」
「つながったって、何が?」
「町田ちゃんがどうして死に戻りをしているのか、そのメカニズム、解いちゃった」
そして一枚の紙を差し出した。
「これが、ここの建物の全体図」
地図には処刑室の奥に大部屋があった。
「これって、なんなの?」
「私が見た限りだけど、人が入ってたの、そこにはかるちゃんとか、町田ちゃん、その他参加者の体が入ってたの」
「それって?」
するとドアを蹴とばしてくるものがいた。
「なんやて!?ここはSFの世界やったんか!?」
月宮さんが現れた、聞いていたのか……!?
「いいや、クローン技術はたしか人権法で禁止されていたはず……」
「でも、出てきた血、見てみて、よく見たら血じゃないんだよね」
犬さんは自らをナイフで傷つけ、ハンカチに付けた。
「どうして自分で腕を傷つけたんや……」
「これをルミノールっていう薬剤に浸す、するとどうなると思う?」
「どうなるのかな……」
「普通だったら光るのよ、だけどこれは光らない、だとすると……?」
「本物の血じゃない……ってことになるね」
「ならこれは何なのかっていう、火を点けるとよく燃えるんだ」
「にしても犬はん、いつもののドS発言じゃないのな」
「普通のしゃべり方ぐらい、どうっていう事もないわよ」
可燃性の液体……そして赤色……?
「それは私たちも知らない、もしかしたら血液もクローンだとすると、ね……?」
犬さんも確証が得られていない様子だった。
「まぁええわ、ウチは調理場で落ち込んでいる牛はんを慰めに行くわ」
そしてオタクは牛さんを慰めに行ったらしい。
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