3話 度重なる14
「結構落ち着かないね、ここは」
「そうだね、死にぞこないでも落ち着かない」
「あなた、一人称が死にぞこないなの?変えなよー」
「いいや、私の個性だからいいの」
そして私は食器を見ていった、箸にフォーク、スプーン、ナイフがあった。
「うーん、田所さんに渡すのは危ないかぁ」
「いい道具あるじゃないの」
「放しなさいよ、自分を傷つけないの」
「それよりも、キッチンに行ってみたいな」
田所さんはキッチンに向かった、包丁とかあれば危ない、と言うか私、どうして危ないって思ってるんだろう。
(豪華なキッチンだな、調味料は13つある、表を見れば14つあるらしい、けれど番号が飛び番だ、ないのが4番、何の調味料なんだろう)
「あった、包丁、だけれどロックされてるね」
「自傷防止かな」
すると一個下の代の子がキッチンに入ってきた。
「あら、あのショックから立ち上がったのか」
「この……私の嫌な写真を見たから……」
彼女は私の声を無視して調味料の棚を見ていた。
「やっぱりか」
私はその言葉に少し引っかかった。
「やっぱりかってどういうこと?」
「殺人鬼には教えられないんだ」
そしてキッチンの周りを物色し始めた。
「行きましょ、田所さん」
「ええ、気味が悪い」
私たちは食堂を出た。
「あいつがっぺむかつく、なんなのよあいつ」
「ものすごくムカついてる、ドゥ」
取り乱すところだった、私は娯楽室に向かった。
「ちょっと、待ってくださいよ」
「そういえば私の名前、わかる?」
「賀留多さんでしたっけ、あの気味が悪い人が言ってました」
「そうそう、さて、娯楽室に入るわよ」
私は娯楽室に入った、その瞬間、木の匂いがした。
「木の匂いがするね、不思議だ」
(どうやらアロマを焚いている、アロマから出てるっぽいな)
「アーケードゲームがありますね、それにビリヤード、麻雀も」
「キサマら、誰なの?」
そこにはへそ出しの明らかにアウトローの雰囲気を漂わせている子がいた。
「私は賀留多、横の子が田所さん」
「へぇ、キサマ、ちょっと気が引けてるんじゃないか?」
(なんだこの鼻につくような話し方)
「何か言ったらどうだ?」
「こら!半グレ風情がそんなことを言うんじゃないんですの!」
後ろから聞こえてきたのは、和服の女性だった。
「チッ……極道に拾われた子供が、いい子ぶっても言ってしまうぞ」
「でも、ここの状況が分からないので、一旦は味方ですね」
「このへなちょこ共は田所と賀留多と言うってさ」
「へぇ、賀留多さんと田所さんですね」
(いい匂いがするなぁ……バンジーの匂いかな)
そして私たちは娯楽室を出た。
「中々濃い人たちだった」
「ですね、あなたはこれからどうするんですか?」
「ここを見ていこうかなと」
「そうですか、私はもう疲れたので寝ますね」
「ああ、お疲れ」
田所さんは自室に帰っていった、私は一人で部屋をまわることにした。次に訪れたのは体育館だ。
「広いわねー」
そこには3人いた。
「あれ、吐いてた人だ」
その子はぬいぐるみを自由自在に動かしていた。
(人形術なのかな、にしてもかわいく作られてるね)
「あら、あの言葉で心が折れてないとは、感心しますね」
そいつは、倒れているところに追い打ちをかけたやつだった、私は飛びかかりたかったが、こらえた。
「キミ、ちょっと口が悪いぞ」
その子は、外見はまるで男の子だった、けれどしぐさで女の子だと感じた。
(これが男の娘なのか……?でも女の子だよな)
「あの……ここってどこなんですか?」
「どこって、体育館だ、イカれたのか?」
それはそうだけれど、体育館がドンと建っているのがおかしい気がした。
「多分ここはビルみたいな感じだと思うな」
「たぶんそうだよー?」
その時、どこからともなくアナウンスが聞こえてきた。
「少女たち、体育館に集合してください」
その声は、機械の声みたいだった、イントネーション変だったし。
「ちょうど私たちは体育館にいるし、待っておこうか」
そういえば田所さんはお気の毒に寝てるところを起こされたのかな。
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