22話 苦し紛れの言い訳
私は町田さんにこんなことを聞いた。
「ねぇ、この建物って、コンクリートでできてるのかな……」
「多分だけどね、コンクリートでできてないのよ。この工具あるでしょ?」
「ちょっとまって、どこから盗ってきたんだよ」
「ああ、ゴーカートのところだね。これとハンマーで傷をつけようとしても、つかないんだよね。鉄でも何か痕が残るはずだ。これ工業用語で言うとビッカース硬さ試験っていうらしいね」
「どうしてそんなことを覚えてるんだよ」
「機械いじりも好きでさ、完全ランダムでトランプカードが出てくる機械を自作したほど好きなんだよね。このために機械の勉強をしたんだから」
「私の知らない知識を言わないでください」
私はべそをかきながらこう言った。すると扉が開いた。
「なんやカンカンって、ウチの耳から離れないんだけどな」
「さっき反論されて恥ずかしいと思った人じゃないか」
「ウチを小ばかにしやがってぇ!」
「まぁ、コンクリートじゃないって事だけ、伝えておく。この物質はなんだ?」
工具を打ち付ける音はまるで金属を打つような……なんとも言えない音だった。
「なるほど?それであの血だまりはなんだ?」
「あれか……わからないんだよな、それが」
「でもこれ数十日経ってる血だね」
「どうしてわかるの?」
「ウチ、隠してたんだけどな、殺し屋に拾われたんや。その殺し屋が関西の人で方言が染みついたんや」
「殺し屋だからわかったのか……」
「そうなんよね、だからウチは関西チックやが、ええよな。それとウチの好物はたこ焼きや、タコと粉もんの出汁がええんよ。それとな」
(この人、マシンガントーク好きなのか……?)
「ウチの好きな動物は猫やねん」
「はいはい、月宮さん、これ以上話すのはやめてよ」
「ごめんやで~」
「それで、{こういうデスゲームには穴があるんだ}と言っていたじゃないの、私も思ってるんだ」
(今その事を言うのか?)
「はは~ん?それで、今わかってることはなんや、言ってみ?」
「それはな、内通者がいるってことだ」
「あのワニキャップしてた人か?」
「多分そうだけどな、一人は犬、変人が被っている、一人は羊っていう人、最初のワニキャップ症候群の元凶だ」
「ワニキャップ症候群って、酷い言い方やな」
「そういわないと事が片付かないんだ」
こうして私と町田さん、月宮さんが知っている事を情報交換していった。そして今わかっている事は、内通者は羊さん、町田さんは死に戻りをしている。そして壁と床の素材は金属類。そして運営体制に穴はあるということが分かっている。そして死に戻りの事を聞いた。
「ねぇ、月宮さんって、死に戻りの事って知ってる?」
「おーい、それについて追及するのね、賀留多先輩」
「死に戻りかぁ……オタクだからそういうのは知ってる、一つ目は完全に体が変わる、二つ目は体のコピーが作られていて、記憶と魂が受け継がれている、これが厄介なんだよ」
こうして月宮さんのマシンガントークが始まった。聞くだけで判断力が落ちそうな気がするんだよ……
最後まで見てくれてありがとうございます。
少しでも続きが気になる、それか面白ければブックマーク・評価・いいね・感想とレビューをお願いします!
評価が自分のモチベーションになってハッスルハッスルするのでよろしくお願いします!