21話 呼び戻し
やることがない、どうしようかな……
「賀留多さん、呼び戻しに来たよ」
「どうかしたの?」
「食堂で何か話そうかとなってるんだ」
「話し合いか……いいね、七海さんが呼びに来るなんてね」
「俺は一応殺人鬼だが、こう見えてポリシーがあるんだよね」
「そうなのね……そのポリシーについて、後で話してくれない?」
「いいぞ!」
元気いいな……
「連れてきたぞ、さて、情報を交換していこうか」
「なに七海が仕切ってるんだよ、私が仕切るのです」
そう名乗り上げたのは如月さんだった。
「なに殺人鬼を人間じゃないと言う人が仕切ろうとするなんてね」
「殺人鬼なんて、人にあらずだ」
「俺なんて、人を殺すのはな、快楽のためだが、時には恨みつらみ……それが積み重なって殺ってしまう人なんているんだぞ」
「なんで仮面の人達を殺さないわけ!?」
すると早乙女さんが怒鳴った。
「お二方の言い合いをするなら、わたくしはこれで!」
そうして早乙女さんが食堂を出ていった。
「まぁまぁ、そんなことより、ぬいぐるみをもふってくださいよ」
「あなたのぬいぐるみなんて、肉片があるのに……触るわけがないでしょ!」
「そんな……ひどい……」
すると、月宮さんが如月さんにビンタをかました。
「ッ……何よお前!!」
「ウチはな、そういうデリケートな部分を言うの、いけないと思うな、それにもう意味のない言い合い、やめようよ」
「わかったわ……」
最初にいざこざがあったものの、話し合いが始まった。
「最初に、昨日のあの出来事の後、変わった物はあるか?ウチはない」
「わ……わたしはないですぅ」
「そうか、他のみんなは変わりはないって事でいい?」
声を出す者はいなかった。
「……それでだが、どうやってここを出るか、考えよう」
「ここから出るですって?出口もないのにここから出る手立てはないでしょうに」
「今のところ、誰もその手立てはないと思う、だがな……ウチはこう見えてオタクだ」
「だろうね」
「こういうデスゲームには穴があるんだ」
「穴ですかぁ~」
楪さんが妄想し始めた。
「楪っち~変な妄想はやめろよ~BLじゃないんだし。そして私は壁や床を殴った。多分コンクリートの間に鉄板が埋まってるかもなんだよね」
「その推理、ちょっと違うかもね」
私は言い出した。
「どうして窓が無いのか。どうして床と壁がコンクリート製なのか、どうしてわかるんだ?」
「それは……ウチの勘だよ!」
「窓がない、すなわち換気ができない。その結果、酸欠で死ぬ。どこかに通気口があるはずなんだ」
「窓が無かったら換気ができない……見落としてた……」
「でも通気口は何処にあるんですか?」
「それは分からない。でも解ればこっちのものなんだ」
「そういえば、ウチが気になってるものがあるんだ。あの体育館に招集された時、緑と赤のボタンがあったはずだ。赤色はどういう意味なんだろう?」
「多分議論の続行か終了だね。あれ自体、時間が設けられていたし」
「その考え方があるかもね、他はないか?」
その声に対する答えが、沈黙だった。
「なぁ……沈黙を貫き通すのはいいけどね、ちょっとだけアイデアを出したらどうだ?」
「そうかもだけど、私はもう帰ってもいいか?」
「いいけど……後悔しても知らないぞ」
そうしてこの会はお開きになった。
「ウチの進行のどこがいけなかったんだ?」
「分からないな、けど、飽きてきてたっていう点かもね」
そうして私は町田さんの部屋に入っていった。
「どうしてナチュラルに私の部屋に入ってくるのかなぁ……」
「いいじゃないの」
私は町田さんと一緒に話し合うことにした。
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