17話 車の中から変人
翌日、私は静かに起きた。いつものの朝じゃない。でもいつものの感じがした。
「不気味だ」
私は部屋から出た。通路には少し違和感があった。
(あれ、ちょっとだけ埃が積もってる……?)
昨日の通路はピッカピカだったけど、埃が少しだけ積もっているような気がした。
「あんなところに通路あったっけ?」
私は昨日なかった通路を見に行った。
「新しい部屋が出来てる……どういう事なんだ?」
私は新しくできた通路を歩いた。
「ドアを開けていくか……」
私は一つのドアを開けた。そこには雀卓があった。
「どうして部屋の真ん中に雀卓がぽつんとあるんだろう……」
私はその部屋に入っていった。本棚には麻雀の進め方とか麻雀入門の本とかが飾ってあった。
「麻雀とかわからないし、後でくるか」
私はその部屋を出ていった。そしてものすごく音が鳴る部屋に向かった。
「ものすごい音だね……」
入り口の横には車があった。
「……開けてみるか」
私はバックドアを開けた。そこには松明があった。
「松明?」
私はそっとバックドアを閉じた。
何も見なかったことにしよう……
どうやらここの部屋は室内サーキット場らしい。つるつるの道路だ。そしてカーブには溝があった。
「ここの部屋、広いのね……」
体育館の3倍ぐらいあるように見えるね……
「賀留多先輩だぁ、おはよう~」
「おはよー、ここの部屋、広くない?」
「そうだね……それで、この車は何なの?」
「バックドアを開けてみて?」
「わかりましたけど……」
町田さんは車のバックドアを開けた。そこには松明ではなく、ワニの頭の被り物があった。
「ワニの被り物があったんですけど……?」
「あれぇ?私が開けた時は松明だったんだけどね……」
町田さんは黙ってバックドアを閉めた。
「もう一度開けてみるか」
町田さんはまたバックドアを開けた。するとワニの被り物をして、手には松明を持った羊さんが這い出てきた。
「どうしたんですか、羊さん」
羊さんは謎のダンスを踊っていた。まるで焔の精霊を召喚する儀式の舞のようだった……こんなことを言っている私はよっぽど変人なんだが。
「いやぁ、私の過去のデータを漁ってたらこれが出てきてさぁ……やってみようかなと思ったんだよね」
「あらぁ、羊ぃ……何ダンスをしてるのかなぁ?」
「なっ……犬……ナニモナイヨー」
「私にもやらせろよー」
犬から酒の匂いがしてきた。酔ってるのか!?
「町田さん……サーキットで走らない?」
「いいねぇ……この雰囲気には少々圧倒されていたからね……」
私たちはゴーカートが収納されているかもしれない建物に向かった。
「ねぇ、犬、このダンス楽しい?」
「これぇ、羊の過去のデータから出てきたんでしょぉ?私にも見せてぇ」
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