第八話 『別の町』
新しい家族のミア。
ルイの父親から来た手紙の内容は?
如月家 雪夜の部屋
ミラ ピー ピー
如月 雪夜 ミラ。ご飯ですよ。
ミラ もぐ もぐ ピー!
如月 雪夜 喜んでいただけてよかったです。
龍一郎 すっかり懐いているな。
如月 雪夜 龍君も撫でてみますか?
龍一郎 そうだな。
[龍一郎がミラに触れようとするとミラが龍一郎の手に噛み付いた]
龍一郎 いっつ
如月 雪夜 龍君!大丈夫?
龍一郎 あぁ。噛まれただけだ。
如月 雪夜 どうしたんだろ…
ミラ ピー! ピ、ピ、ピー!
如月 雪夜 警戒してるみたいです…
龍一郎 まぁ、これから警戒を解いて行くか…
ミラ ピー ピー!
ガラガラ [扉が開く]
如月 夜琥弥 雪夜。不死原様から手紙だ。お父上の方のな。
ーーーーー
如月 雪夜 『如月夜琥弥、雪夜様。
本日の不死原家のこと全てにお詫び申し上げます。
そして、お礼申し上げます。
此度はお話があり、手紙を出しました。
単刀直入に申しあげます、あなた様が医療忍者であることが
私のような者にまでもれています。
おそらく、月ノ宮学園からかと。
どうか、必ず二人以上で行動してください。
私目に何かご協力できることがございましたら
是非おっしゃってください。』
………
龍一郎 まぁ、五右衛門や聖家の頃にも気づいていたが…
如月 夜琥弥 改めて聞くと厄介だな。
如月 雪夜 あ、五右衛門さんは母様のことを知っていたので
私のことも知っていたと思います。
龍一郎 そうなのか?
如月 夜琥弥 ……
如月 雪夜 はい。どうしてかはわかりませんが…
如月 夜琥弥 とりあえず、あいつを呼んでーー
泰誌 亮魔 呼んだか? [雪夜の部屋の天井からひょっこりと顔を出し、降りる]
如月 夜琥弥 ガシ [亮魔の胸ぐらを掴む]なぜ、いる。
泰誌 亮魔 あれ?そこは、『呼んでない』じゃないの?
あ、妹さんの屋根裏にいたから?
[亮魔が夜琥弥の声を真似て『』の言葉を言う]
如月 夜琥弥 二度とお前を呼ぶことがないようにしてやろうか?
泰誌 亮魔 す、すみません…
ーーーーー
泰誌 亮魔 なるほどな。
俺もそれについては調査していたが、どうやら正悟が主犯のようでな。
龍一郎 正悟?
泰誌 亮魔 いい機会だし、学園について教えておくか。
まず、学園には階級がある。
一年 二年 三年 の生徒時期の次に
伍 肆 参 弐 壱 の階級に分かれる。
階級の高さによって任務の難易度が変わる。壱が一番高いな。
俺と最上は弐だな。壱はお前らも会ったことがある、
宝裏怪奇の親父である、学園の理事長だ。
龍一郎 一人だけなのか?
泰誌 亮魔 そうだな。だが、弐には五人いる。
理事長が引退すれば、その五人から壱が選ばれる。
弐級は俺、最上正悟、水野斉一、伊能凛、桐生紗和だな。
どいつも姓があるが、貴族なのはこの中では最上だけだ。
後の奴らは任務で成果を得て、姓をもらっているな。
昇格するには、立場が上のやつの席が空いて
その立場の奴に認められることだな。
例えば、参から弐に行くには弐のやつの誰かがいなくなったら
残りの弐の奴に認めてもらう。
龍一郎 その正悟っていうやつとお前の立場はわかったが、
目的は何なんだ?
泰誌 亮魔 ……怪異介のためだ。
龍一郎 怪異介?
泰誌 亮魔 さっき言った理事長の名だ。宝裏怪異介。
俺たち弐と参の大体が怪異介に恩がある。
その中でも正悟はすごい忠誠を誓っていてな。
恩を返すために妹さんを学園に入学させ、世間に名を轟かせ
怪異介の顔を立てようとしてるんだろ。
如月 雪夜 そうだったのですね。
泰誌 亮魔 ま、俺の予想だがな。
如月 夜琥弥 怪異介様はそれを望んでいるのか?
泰誌 亮魔 ぜ〜んぜん。 怪異介は妹さんを保護したいとは思っているが、
妹さんがそれを望まないならしないって。
龍一郎 そのことを知ってて正悟ってやつは動いてるのか?
泰誌 亮魔 だろうな。
如月 雪夜 ………
如月 夜琥弥 それで、どうするんだ?何か策はあるのか?
泰誌 亮魔 今は入学書をもらっていないお前らに学園の場所は教えられない。
つまり、今の段階で学園に潜入して記憶を消すのはできない。
だが、入学するっていえばその場しのぎぐらいにはなる。
そして、入学式当日、記憶を消す。っていう作戦がある。
如月 雪夜 ………わかりました。
泰誌 亮魔 一応言っておくが俺は今回のことは仲間になれない。
あいつらの仲間にもならない。中立ってやつだな。
ま、助言とかはするが。
龍一郎 何でだ?
泰誌 亮魔 お前らの味方すれば俺は学園を出される可能性があるし、
あいつらの味方をしたら夜琥弥は迷わず俺を斬るだろ?
如月 夜琥弥 今まで迷ったことはない。
泰誌 亮魔 …怖い怖い…
龍一郎 危険はあらかじめ避けたいってことか。
如月 雪夜 …わかりました。泰誌先生の作戦にします。
宝裏様に連絡をお願いできますか?
泰誌 亮魔 わかった。善は急げだな、行ってくるわ。
シュ [亮魔が消える]
如月 夜琥弥 俺の意見はなしか?
如月 雪夜 これは、私の問題です。私が決めるべきだと思ったからです。
如月 夜琥弥 そうだな。 ただ、成長は嬉しいが、少し悲しいな。
如月 雪夜 !ど、どうすれば、悲しさはおさまりますか?
如月 夜琥弥 そうだな、お前が危険な目にあうのを避けることができたらだな。
如月 雪夜 ……はい。わかりました。
龍一郎 (今。俺、空気だったな…)
宝裏 怪奇 如月様。いらっしゃいますか?
龍一郎 (はやっ!)
ーーーーー
如月家 客間
宝裏 怪奇 学園に入学するとご報告をいただいたのですが…
如月 雪夜 はい。まだ、入学希望は可能ですか?
宝裏 怪奇 もちろんでございます。
では、こちらの巻物にご自身と保護者様の
姓名を記入いただけますか?
如月 雪夜 はい。 ………ササ
[巻物の内容を読んでから筆をもち自分の名前を書く]
如月 夜琥弥 …… ササ [自分の名前を書く]
宝裏 怪奇 ありがとうございます。契約成立です。
如月 雪夜 あの、入学試験などはあるのですか?
宝裏 怪奇 僕が興味を持ち始めたときから試験は始まっていましたよ。
如月 雪夜 いつから…ですか?
宝裏 怪奇 それは、あなた様が学園に入学した時に。ニコ
如月 雪夜 ………
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月ノ宮学園 会議室
ガチャ [扉が開き、怪奇が入ってくる。]
宝裏 怪奇 遅れて申し訳ありません。
泰誌 亮魔 よし、揃ったな。これより、緊急会議を始める。
最上 正悟 では、早速ですが提案を出したいと思います。
階級:弐【最上正悟】
今回の提案は医療忍者の件についてです。
宝裏 怪奇 ………
最上 正悟 結論から言います。
学園全体に医療忍者の存在を明かします。
宝裏 怪奇 ………
泰誌 亮魔 (何か、考えてるな………俺も考えとくか。)
最上 正悟 『説明会』を開くのです。
入学者一名、保護者一名
利点として
制服仕立てのための採寸などや・先生の紹介・
先輩方の授業の見学・学校の授業の説明・実践訓練
などができます。
日時は早めに、如月に開催しようと思っております。
宝裏 怪奇 ………本命は何ですか?
最上 正悟 流石、生徒会長。察しがいいですね。
宝裏 怪奇 そんなことありませんよ。ニコ
泰誌 亮魔 (目が笑ってないけどな。)
最上 正悟 本命は事件です。
入学生に怪我を負わせて医療忍者が医療忍術で怪我を癒やす。
それを見た我々は彼女のことを広められる、良い機会だと思います。
もちろん、責任は俺がとります。
宝裏 怪奇 却下です。
如月様は一人の人間です。
道具ではありません。
最上 正悟 僭越ながら忍びは道具なのです。
あなたも先ほどは医療忍者様に入学希望書に
名を書いていただいたのでしょう?
宝裏 怪奇 (監視をつけていたか。)
最上 正悟 医療忍者も入学を望むのならば、覚悟はあると言うことです。
宝裏 怪奇 如月様の目的はあなた様が噂を広めることを止めることです。
本気で入学は望んでいないでしょう。
最上 正悟 そのようなことは百も承知です。
結果として、名を書いていただけたのですから問題ありません。
宝裏 怪奇 その名は自分の術でいつでも消せるのですよ?
[怪奇が手のひらに忍術で火を生み出す。]
最上 正悟 あなた様も医療忍者の入学を心待ちにしていたのではなかったのですか?
宝裏 怪奇 自分は医療忍者としてではなく、
一人の女性として迎えようとしているのですよ。
あなた様と一緒にしないでいただきたい。[手を切り締めて、火を消す]
最上 正悟 一人の女性?あなた様は実力や能力で
生徒を集めてきたのではないですか?
宝裏 怪奇 如月様は医術だけではなく、
五種類の術を使えますし、判断力も実力もあります。
[二人の間で火花が散る]
泰誌 亮魔 はいはい、そこまで。
怪奇も生徒会長なら、みんなの意見も聞くように。
正悟は弐級の立場を考えろ。
宝裏 怪奇 申し訳ありません。泰誌先生。
最上 正悟 立場を利用してここに提案しているんだ。
早く手に入れないと、最悪な場合殺されてしまう。
泰誌 亮魔 はぁ。どう思います。怪異介。
宝裏 怪異介 そうだね。正悟の案には一部許可ができないね。
【宝裏怪異介】
全員 !?
最上 正悟 流石、怪異介さん。気配が少しも感じられませんでした。
ですが、どうして、こちらに?
病でお倒れになっていたのではなかったのですか?
宝裏 怪奇 父上。体は、大丈夫なのですか?
宝裏 怪異介 あぁ。雪夜様に薬をもらっていてね。すぐ良くなったよ。
最上 正悟 !
宝裏 怪奇 如月様に…
宝裏 怪異介 あぁ。だから私も彼女に恩返ししたくてね。
あまり、やわなことはしたくないんだよ。
最上 正悟 ………
水野 斉一 黙って聞いていればなんですか?
この空気。【水野斉一】
宝裏 怪奇 水野様。
水野 斉一 僕は眠いんです。ちゃんと静かにしていてください。
はぁ〜ぁ[大きくあくびをする]
桐生 紗和 水野様はちゃんと起きてください。
重要な会議なんですから。【桐生紗和】
伊能 凛 紗和は真面目ね。少しくらい気を抜いても良いんじゃない。
【伊能凛】
最上 正悟 お前ら、会議中だぞ。
伊能 凛 安心して、私は、正悟の方につくから。
宝裏 怪奇 なぜですか?
伊能 凛 だって、楽しそうじゃない。
宝裏 怪奇 ………
桐生 紗和 私も、最上様に賛成です。
彼女を早く手に入れたほうが学園の名も広まります。
水野 斉一 僕は、どっちでも良いよ。眠いし…
すぅー すぅー
最上 正悟 とっいうことだ。生徒会長。
宝裏 怪奇 ………
泰誌 亮魔 怪異介の意見は?
宝裏 怪異介 私は、正悟の言うことには賛成だ。
説明会はやることにしよう。
だが、事件は起こさないでくれ。
雪夜様のお母様に私の妻も助けてもらったからね。
最上 正悟 ……承知いたしました。
伊能 凛 つまんないの。
桐生 紗和 反論は致しません。
水野 斉一 すぅー すぅー
泰誌 亮魔 それでは、説明会を如月に開き責任者は第二部隊隊長最上正悟。
これで、会議を終わる。解散。
シュ [正悟、斉一、凛、紗和が去る]
泰誌 亮魔 怪異介。正悟が言う事聞くと思うか?
宝裏 怪異介 思っていないよ。あの子は昔から一直線だからね。
宝裏 怪奇 ………
宝裏 怪異介 怪奇もよくやってくれた。
宝裏 怪奇 ……はい。
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如月家 裏庭 霜月
如月 雪夜 はぁ はぁ [白息が手に当たる]
寒くなってきました。
陸 師匠。どうして裏庭に…
[裏庭への扉から陸がやってくる]
如月 雪夜 少し外に出たかっただけですよ。
陸 師匠。もう少し厚着をしてください。
ササ [上着を雪夜に渡す。]
如月 雪夜 ありがとうございます。 [受け取り羽織る]
陸君。海君と薬草で体があったまる飲み物を作って勝負をしませんか?
陸 !いい考えだと思います。早速海にも伝えてきます。
タタタタ
如月 雪夜 ふふ。楽しみです。
如月 夜琥弥 雪夜。[裏庭への扉から夜琥弥がやってくる]
如月 雪夜 兄様。どうかなさいましたか?
如月 夜琥弥 今日はお互い仕事が休みだからな。
どこか出かけようと思ったんだが。
如月 雪夜 では、今、陸君と海君が体が暖かくなる飲み物を薬草で作っているので
それを飲みましたらみんなで行きましょう。
如月 夜琥弥 いや、俺とお前だけで行きたい。
如月 雪夜 あ、そうですね。医院には留守番が入りますよね。
如月 夜琥弥 そうではないが…まぁ、よしとするか。
如月 雪夜 ?
ーーーーー
如月 雪夜 ………
如月 夜琥弥 ………[雪夜と夜琥弥が陸と海の用意した飲み物を飲む。]
如月 雪夜 どちらとも体を暖めていてとてもいいです。
如月 夜琥弥 そうだな、だが…
如月 雪夜 海君の方には少し苦味がありますね。
如月 夜琥弥 陸の方は味を消してしまったようだな。
如月 雪夜 引き分けですね。
海 悔しい…です。
陸 ですが、これで勉強になります。ありがとうございました。
海 あ、ありがとうございました。
如月 雪夜 はい。私の方もありがとうございました。
私たちは少し出掛けてきますので、
如月医院のお留守番をお願いできますか?
陸 わかりました。
海 ぼ、僕は一緒に行きたいです。
僕は五右衛門のお兄さんから師匠のことを守って欲しいと頼まれて…
如月 夜琥弥 今回は俺がいる。安心しろ。
海 は、はい。師匠をよろしくお願いします。
如月 夜琥弥 あぁ。
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街中
如月 夜琥弥 雪夜。手を繋いでおいていいか?
如月 雪夜 はい。(私が迷子になるのを防ぐためですね。)
如月 夜琥弥 雪夜はどこに行きたい?
如月 雪夜 私は小物店に行きたいです。
如月 夜琥弥 じゃあ、そこの店に入ろう。
如月 雪夜 はい。
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小物店
店の人 いらっしゃいませ。
如月 夜琥弥 いろんなものがあるな。
如月 雪夜 あの。
影山 浩介 お!いらっしゃい!此処はアクセサリーを売ってるよ。
如月 雪夜 ?さくせさりーとは何ですか?
影山 蒼太 兄さん。それ、この街の言葉じゃないよ
影山 浩介 あぁ。そうだったな。
如月 雪夜 (瓜二つ…双子さんでしょうか?)
影山 蒼太 僕たち、別の町から来たものでして。すみません。
アクセサリーっというのは身につける装飾品のことです。
影山 浩介 お姉さんにはこう言うのとか似合いそうですよ。
[浩介は花の髪飾りを見せる]
如月 雪夜 いえ、今日は友達への贈り物を買いに来たんです。
影山 浩介 そうなのですか。友人は何かお好きなものはございますか?
如月 雪夜 それが、友達になったばかりでして、あまりは…
影山 浩介 でしたら、あなたが似合うっと思ったものでいいともいますよ。
贈り物は……気持ちです!
[ドヤ顔で浩介が言う]
影山 蒼太 ドヤ顔で言うこと?
如月 雪夜 そうですね!
影山 蒼太 いや、何で?
如月 夜琥弥 お前…
影山 蒼太 !(綺麗な着物…貴族か…)
如月 夜琥弥 大人しいと思っていたが、大変そうだな。
影山 蒼太 (同情された…)
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着物店
如月 雪夜 着物ですか?
如月 夜琥弥 あぁ。お前はまだ、薄着を着ていたようだしな。
如月 雪夜 も、申し訳ありません…
姫野 優月妃 いらっしゃいまーー ! 突然の美男美女!
如月 雪夜 !
如月 夜琥弥 !
姫野 優月妃 ガシ [優月妃が雪夜の両手を自分の両手で包む]
少し、私に付き合っていただけませんか?
ボーナスさせていただきますので!
如月 雪夜 ぼーなす?
姫野 優月妃 では、早速!
ーーーーー
如月 雪夜 …あ、あの…どうでしょうか? [髪、メイク、着付け全部された。]
如月 夜琥弥 似合っているぞ。
姫野 優月妃 お似合いですよ。ではお次は…
如月 夜琥弥 いや、俺は…
姫野 優月妃 遠慮なさらず。 ガシ [夜琥弥の袖を掴む]
如月 夜琥弥 ! ガシ ドン バタ [優月妃を気絶させる] !
姫野 優月妃 ………
如月 夜琥弥 (やってしまった…)
如月 雪夜 ど、どうしましょう…
小豆沢 音乃 優月妃?大きな音がしたけど…って…あぁ。
また優月妃が暴走したようですね。
止めてくださりありがとうございます。
如月 夜琥弥 いえ。気絶させてしまいましたが大丈夫ですか?
小豆沢 音乃 大丈夫ですよ。それより、お詫びさせてください。
私、飲食店を営んでおりますので。もちろん、代金はいりませんよ。
如月 雪夜 いえ。そこまでしていただくわけには…グギュルル[雪夜のお腹がなる]
!も、申し訳ありません…
如月 夜琥弥 せっかくだ、頂こう。
小豆沢 音乃 お任せください。あ、その服も差し上げますよ。
如月 雪夜 あ、ありがとうございます…
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飲食店
小豆沢 音乃 こちらでございます。ごゆっくりどうぞ。
タ、タ、タ、タ [飲食店の奥に向かう]
如月 雪夜 お品書きにはいろいろなものが書かれていますね。
如月 夜琥弥 好きなものを選ぶといい。
如月 雪夜 ありがとうございます。ニコ
如月 夜琥弥 ……雪夜…
如月 雪夜 はい。
如月 夜琥弥 ………いや。何でもない。
如月 雪夜 そうですか?
ーーーーー
如月 雪夜 お食事、おいしかったです。
小豆沢 音乃 それは良かったです。
それと、少し、お伺いしてもいいですか?
如月 夜琥弥 はい。なんでしょうか?
小豆沢 音乃 お二人様はご兄妹様なのですか?
如月 雪夜 はい。そうです。
小豆沢 音乃 そうでしたか。
如月 夜琥弥 どうしてそのような質問を?
小豆沢 音乃 そ、それが、あそこに座っている方と
恋人か兄妹かで掛け合っていたんです。
如月 夜琥弥 ? [夜琥弥と雪夜が音乃が指を刺している方向に振り向く]
二人 !
如月 雪夜 泰誌先生!
泰誌 亮魔 よっ!
説明会!?正悟は一体何を企んでいるんだ…
雪夜と夜琥弥がお店で偶然(?)に亮魔と出会い…