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万愛雪月花   作者: 四家雪稀
7/18

第七話 『真実』

猫に襲われたと思われる小鳥を救出

しかし、この小鳥何やら違和感が…

 雪夜の部屋

小鳥     ピー ピー

[雪夜が小鳥の傷口に巻いていた包帯を解く]

如月 雪夜  もう大丈夫そうですね。飛べますか?

小鳥     バサッ ピー ピー

[小鳥が雪夜の部屋を飛び回る。雪夜が窓の障子を開けると小鳥が飛んでいく]

如月 雪夜  ……

[雪夜は少しの間窓の外を眺めていた。すると、小鳥が小さな花を持って帰ってきた。]

小鳥     ピー ピー

如月 雪夜  くれるのですか?

小鳥     ピー!

如月 雪夜  ありがとうございます。

[雪夜は嬉しそうに受け取った]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 如月医院 茶の間

如月 夜琥弥 それでその小鳥が外に出ていかず止まっていると。

       ……おそらくだが、雪夜を親と思っているんだろ。

       面倒を見てあげたらどうだ?

如月 雪夜  では、不死原様とも話してみないといけませんね。

如月 夜琥弥 そうだな、今日は能の舞台があるが、

       観にくるか?

如月 雪夜  はい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ある貴族の屋敷の能舞台

如月 雪夜  ………

満月 紅愛  あ、雪夜様。

如月 雪夜  紅愛様。紅愛様も兄様の能を観にこられたのですか?

満月 紅愛  えぇ。この家の方に招待されて…

       でも、夜琥弥様の能は見るのが初めてなので楽しみです。

如月 雪夜  兄様の能は如月家の代々伝わるものを受け継いでいるんです。

満月 紅愛  存じていますよ。如月家のことは調べましたから…

如月 雪夜  そうでした。私には満月家のことをこれからもっと教えてください。

満月 紅愛  もちろんです。

タ、タ、タ、タ [会場の奥に行く]

如月 雪夜  あ、

不死原 ルイ あ、 クルッ[すぐに後ろを向いて歩く]

如月 雪夜  ………

満月 紅愛  お知り合いですか?

如月 雪夜  先日、路地裏で怪我をしている小鳥を助けてくれたんです。

       私の方で手当させていただいたのですが…

       小鳥さんが私の家に止まってしまいまして。

満月 紅愛  それで、一緒に助けたあの子と話したいと言うことですか?

如月 雪夜  はい。

満月 紅愛  あの子の名前は何と言うのですか?

如月 雪夜  不死原ルイ様です。

満月 紅愛  不死原…あまり聞かない姓ですね。

如月 雪夜  ………

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 能の舞台

[能の主役を『シテ』っと言う。

夜琥弥は今回そのシテの役をやり、女面をつけて能舞を舞う。

他にも謡っと言うものを合唱する『地謡(じうたい)』と

器楽を演奏する『囃子(はやし)』がいる。]

如月 夜琥弥 ……… [舞を舞う]

地謡     〜〜〜〜〜〜〜〜

囃子     〜[音楽] 〜[音楽]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

満月 紅愛  とても素晴らしかったです。

如月 夜琥弥 ありがとうございます。

       紅愛様におほにかかれるとは嬉しい限りです。

如月 雪夜  兄様、少し空けてもいいですか?

如月 夜琥弥 あぁ。

ーーーーー

不死原 ルイ ………

如月 雪夜  少し、いいですか?

不死原 ルイ ! す、すみません。お礼もせずに…

如月 雪夜  ……では、今お礼をしてもらって構いませんか?お願いがあるのですが…

不死原 ルイ な、何でしょう?

ーーーーー

不死原 ルイ あの小鳥さんが…申し訳ありません…僕の家は動物を飼えないんです。

如月 雪夜  では、小鳥さんの名前を決めていただけませんか?

不死原 ルイ 名前…ミラっというのはどうでしょうか?

如月 雪夜  とてもいいと思います。小鳥さんも喜びますよ。

不死原 ルイ ……雪夜様、話が終わったのでしたら僕にはもう関わらないでください。

如月 雪夜  ?私の名前をご存知なのですか?

不死原 ルイ …え、えっと…

如月 夜琥弥 雪夜、そろそろ戻ろう。

不死原 ルイ !や、夜琥弥殿!

如月 夜琥弥 ?

如月 雪夜  殿?

不死原 ルイ ぼ、僕、夜琥弥殿のこと…と、とても尊敬しています!

       これからも頑張ってください!

如月 夜琥弥 ありがとうございます。

       尊敬されていることは、私としては嬉しい限りでございます。

不死原 ルイ え、えっと…

如月 夜琥弥 あの子が今朝話していた子か?

如月 雪夜  はい。あ、戻るのですよね。準備をしてまいります。

如月 夜琥弥 あぁ。

不死原 ルイ で、では、僕もこれで…

如月 夜琥弥 ルイ様、よろしければ、我が家に招待してもよろしいでしょうか?

不死原 ルイ え?(えぇぇぇぇ!?ぼ、僕が夜琥弥殿のお屋敷に!?

       そ、それに今、名前を呼んでもらえた!?

       ここで、断ったら失礼?

       でも僕みたいな人が行ってはいけない領域な気が…)

       いえ、僕のようなものが夜琥弥殿のお屋敷には…

如月 夜琥弥 お願い…なのですが…

不死原 ルイ !

       (お願いなど、嬉しすぎる!

       それに、夜琥弥殿の屋敷など、今後一切招待されないかもしれない…)

       で、では。お邪魔します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 如月家 客間

不死原 ルイ ………

如月 夜琥弥 思っていたのと違うでしょう?

不死原 ルイ い、いえ!素晴らしいお屋敷です!

如月 夜琥弥 ルイ様のお屋敷にもぜひ行ってみたいです。

不死原 ルイ !そ、それはできません!

[ルイが急に大声で怒鳴りかける。]

不死原 ルイ !も、申し訳ありません。 土下座

如月 夜琥弥 いえ。私もよからぬことを聞いてしまったようですね。

不死原 ルイ 夜琥弥殿は悪くありません。僕が…………

[ルイが黙り込んでしまう。]

如月 夜琥弥 ……ルイ様ーー

ガラガラ [夜琥弥が言葉を発している途中で玄関の扉が開き、

龍一郎と亮魔がやって来る]

泰誌 亮魔  妹さーん!お邪魔するぞーー!

       ?

如月 夜琥弥 はぁ…

不死原 ルイ !た、泰誌先生!?

泰誌 亮魔  ルイじゃねぇか!何でここにいんだ?

不死原 ルイ そ、それは…

如月 夜琥弥 俺が招待したんだ。

泰誌 亮魔  ってことは、妹さん関係か…

タ、タ、タ、タ [奥の部屋から雪夜がお茶を持って来る]

如月 雪夜  泰誌先生。今、準備しますね。

泰誌 亮魔  おう!

タ、タ、タ、タ [雪夜が机にお茶を置いてから奥の部屋に戻る]

ーーーーー

龍一郎    泰誌先生って呼び方するってことはあなた様も忍びなのですか?

不死原 ルイ ビク

泰誌 亮魔  安心しろ、龍も妹さんも忍びだ。龍は俺の従兄弟だし、

       夜琥弥は俺の親友だ。

如月 夜琥弥 誰が、親友だ。

不死原 ルイ 泰誌先生がそうおっしゃるのでしたら…

       僕は月ノ宮学園の一年生なんです。

龍一郎    先輩か…

不死原 ルイ …あ、ぼ、僕家に帰ります。ご飯を作らないといけないので。

泰誌 亮魔  あの人のところに帰るのか?

不死原 ルイ !

龍一郎    どう言うことだ?

泰誌 亮魔  お前、虐待されてるんだろ?

龍一郎    ………

不死原 ルイ 先生。それは…

泰誌 亮魔  尊敬している人の前で言われたくなかったか?

不死原 ルイ ………

泰誌 亮魔  お前も、食べて行ったらどうだ?妹さんの飯は美味いぞ。

不死原 ルイ ……はい。

ーーーーー

不死原 ルイ パク …美味しい…です…

如月 雪夜  お口にあってよかったです。

ミラ     ピー! もぐもぐ

不死原 ルイ ミラ…

ミラ     ピー! [ミラが食事中のルイの頬にすりすりする。]     

泰誌 亮魔  何だ?この鳥。

龍一郎    怪我をしているところを不死原様と雪が助けたら住み着いたってところだ。

泰誌 亮魔  ふ〜ん…んで、話すのか?話さなぇのか?

不死原 ルイ これは僕の問題ですので。

龍一郎    違いますよ。

       僕たちはあなたの事情をもうここまでで知ってしまったのですから

       もう、全部話してもらわないと、何と言われようがあなた様に関わります。

如月 雪夜  そうですね。私も、名付けだけでは、お礼が足りません。

不死原 ルイ ! ツゥ…[一粒の涙がルイの頬を伝う]

泰誌 亮魔  あーあ。龍が泣かした。

龍一郎    俺!?

不死原 ルイ 違うんです…申し訳ありません。

如月 夜琥弥 ササ [ルイの手に夜琥弥が片手を重ねる]

不死原 ルイ !

如月 夜琥弥 俺もあなた様に尊敬されている身としてここでひくわけには行きません。

不死原 ルイ ………は、話します…

泰誌 亮魔  …[亮魔は少し安心したような悲しいような笑顔を浮かべていた。]

ーーーーー

龍一郎    不死原様。質問してもよろしいですか?

不死原 ルイ は、はい。

龍一郎    どうして虐待を受けているかご存知ですか

不死原 ルイ …そ、それについては、僕のことも知ってもらわないといけません。

龍一郎    聞かせてください。

不死原 ルイ …ササ [前髪で見えなかった両目を見せる]

       僕には異国の者の血が流れているんです。

[その両目は違い(たがいめ)になっていた。]

如月 雪夜  ……とても…綺麗な瞳ですね。

不死原 ルイ !

如月 夜琥弥 あぁ。違い目は初めて見るが、とても美しい。

龍一郎    そんな、綺麗なものを隠していたのですか…

不死原 ルイ …綺麗…じゃない…こんな…醜い…汚らわしい…恐ろしい…ものなんて…

[ルカの両目には涙が溢れていた。]

如月 夜琥弥 醜くなどないですよ。

       確かに、人間には見たことないものを恐れるものがいる

       自分たちが持っていないものを持っているものは

       自分たちと違う。っと思うだろう。

       だが、人間には見たことないものに興味を持つものもいる

       そして、観察する。

       それが、悪心か好奇心かはわからないがそれを見極めるのも

       不死原様の瞳ではないのですか?

不死原 ルイ ………

泰誌 亮魔  な〜に、かっこつけてんだよ。

如月 夜琥弥 お前の喉を切ってやるのは好奇心だな。

[夜琥弥は不穏な笑みを浮かべ亮魔を見た。]

泰誌 亮魔  悪心!悪心だ!

不死原 ルイ …ふっ [少しだけ笑みが溢れる]

全員     !

不死原 ルイ あ、も、申し訳ありません。

如月 夜琥弥 いえ、構いませんよ。[夜琥弥は少し嬉しそうに言葉を紡いだ]

ーーーーー

不死原 ルイ 母上は僕を産んですぐに自殺しました。

       それで、父上はお酒を飲むのが増えています。

       僕のこの片方の瞳は母上の瞳で、

       父上はこの瞳を見て母上を思い出しているのか

       僕に強い毒を飲ませたり、いきなり戦闘を始めたり…

如月 雪夜  ………

泰誌 亮魔  お前の親父さんは元凄腕の忍びだ。

       話をするなら俺も何か協力するが。

不死原 ルイ ……

如月 雪夜  では、私もご一緒してよろしいでしょうか?

       少し、気になることがあるんです。

龍一郎    俺も、行く。雪を一人にするわけにはいかないし、

       もし戦闘になるなら俺も加勢する。

如月 夜琥弥 俺は大人同士で不死原様に少し話を聞いてみたいな。

泰誌 亮魔  おい、俺も大人だからな。

如月 夜琥弥 俺の言葉にお前のことが含まれないってわかってるじゃないか。

泰誌 亮魔  言ってること分からねぇがむかつく[怒り]

不死原 ルイ 皆さん…ありがとうございます…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 亥の刻 ルイの家 玄関

如月 夜琥弥 少し話をしたいのですがよろしいでしょうか?

ルイの父   ……入れ。ルイ、茶の準備をしろ。

不死原 ルイ …え?

ルイの父   早くしろ。 ギロ[ものすごい殺気を立ててルイを睨みつける]

不死原 ルイ は、はい…

龍一郎    (すごい殺気。と言うか、案外あっさりだな。拒むと思ったんだが…)

ーーーーー

 客間

如月 雪夜  ………

ルイの父   あんたらのことは知っている。だから、さっさと話をしてくれ。

泰誌 亮魔  話が早い。単刀直入に言うと…虐待をやめていただきたい。

ルイの父   ………断る。シュ [手裏剣が四方から雪夜たちを襲う。]

泰誌 亮魔  キン

龍一郎    キン

如月 雪夜  キン

不死原 ルイ キン

[四人がその手裏剣を弾き返す。]

龍一郎    (幻術か?

       動かないってことは逃げる気がないのか?なら、亮魔が捕縛をーー)

テン テン [龍一郎が後ろを振り返ると亮魔はその場から消えていた。]

龍一郎    なんで、いないんだよ![怒り]

不死原 ルイ ぼ、僕が相手をします。

龍一郎    !…あぁ。

ササ [ルイが雪夜たちの前にたち、雪夜たちは少しさがる。]

ルカの父   ほぅ。お前から、来るとは思わなかった。手間が省けたな。

不死原 ルイ それは、良かったですね。

       《隠真の術》解除 


陰真の術…武器などを隠すことができる術


ササ

きぃぃ [ルイは弓矢を取り出し、構える]

不死原 ルイ ………

ルイの父   撃たないのか?

不死原 ルイ ………

きぃぃ [矢を強く引く]

ルイの父   怖いのか?

不死原 ルイ ………

ルイの父   なら、こっちから行くぞ。

シュ シュ [両手で印を結ぶ]

不死原 ルイ (!この印の結び方は幻術!)

ルイの父   《幻術》

シュゥゥ [密室に幻術の霧が発生する]

如月 雪夜  不死原様! 龍君。少し行ってくる。

龍一郎    雪!

ガシ [龍一郎は雪夜を追おうとするが後ろから襟の部分を掴まれ、外に引っ張られる。]

龍一郎    なっ!

ーーーーー

幻術の中 [周りが紫の壁に囲まれており、床がドロドロで足場が悪く、歩きづらい]

如月 雪夜  くっ…

       (…どうにかして不死原様だけでも…) !

[ルイが床から伸びている幻術の紫の手に引っ張られ

床に引き摺り込まれそうになっている。]

[ルイに近づこうとすると、雪夜の足にも紫の手が床に引き摺り込もうとする。

幻術から抜け出すためには自分の体に傷をつけ目を覚まさせることだが

ルイは今、紫の手によって拘束され自らを傷つけることができない。]

如月 雪夜  外れない…(どうにかして不死原様に触れられれば…!

       ササ 《頭道血落》) 不死原様!


頭道血落…脳を落ち着かせる。

     脳に直接ショックを与えて幻術などの術や幻覚を解くこともできる]


[雪夜は自分が持っていた苦無に医療術をかけ、その苦無をルイに投げる]

不死原 ルイ ! ガシ [苦無を受け取る。]

如月 雪夜  その苦無にある私の術の気力を脳に流してください!

       苦無を強く握って脳に集中を向けるんです。

       (幻術は脳に術をかけ目眩や幻想を見せるため、脳を落ち着かせられれば…)


気力…忍びが術を発動させるために必要なもの。

   術を発動した時に痕跡として残ったりもする。


不死原 ルイ ……ギュ 

[雪夜に言われたとおり苦無を強く握り、脳に全神経を集中させる。

雪夜も心の中で術を唱える。

すると、幻術の場所からルイと雪夜が抜け出す。]

ーーーーー

 ルイの家の外

龍一郎    雪。大丈夫か?

如月 雪夜  はい。平気です。

不死原 ルイ 幻術から…抜け出せた…

ルカの父   なるほどな…

ササ

ギ [もう一度、ルイ弓矢を構える]

不死原 ルイ ………

ルイの父   ………

不死原 ルイ どうして、動かないのですか?

ルイの父   ………

ジャラ [金属が擦れ合う音]

不死原 ルイ (この音は…)

ジャラン [地面から半透明の紫の鎖が伸び、ルイを襲おうとする。

      間一髪でルイが避ける。]

不死原 ルイ (あ、危なかった…。)

龍一郎    何だあの鎖。

泰誌 亮魔  《金縛りの術》の鎖だな。

龍一郎    亮魔。お前、協力するとか言って、

       ルイにやらさせるために逃げたな。

泰誌 亮魔  わかってるじゃねぇか。

ーーーーー

ジャラ ジャラ [鎖がルイに何度も襲いかかるがルイは素早く避けていく。

        しかし、鎖の背後に隠れていた苦無がルイ腕をかする。

        すると、腕の力が一瞬抜けてしまい矢を離してしまう。]

不死原 ルイ しまった!

       (このままだと父上に当たる。)

ルイの父   ………

不死原 ルイ (何で避けようとしていない!…当たる!)

龍一郎    《疾風の術》

[龍一郎が起こした風で矢が吹き飛ぶ。]

ルイの父   なにっ

不死原 ルイ 《操術》…《金縛りの術》


操術…ものを操りいかせたい方向に行かせる。


[ルイの父が油断した隙を狙って、自分の矢に操術をかけ

その矢の後ろに金縛りの術の鎖を付け、矢を放つ。

操術によってルイの父の周りを回り、鎖を巻き付け拘束する。]

ルイの父   …申し分ないな…

不死原 ルイ はぁ…はぁ…

龍一郎    大丈夫ですか?

不死原 ルイ !はい。先ほどはありがとうございます。

龍一郎    お礼には及びません。

ーーーーー

不死原 ルイ ………

ルイの父   ………殺せ。

不死原 ルイ 殺さない。

ルイの父   理由は?

不死原 ルイ ……家族…だから…

ルイの父   …そうかよ。

如月 夜琥弥 では、話しやすくなったので。

       場所を変えましょう。

ーーーーー

 ルイの家 客間

如月 雪夜  不死原様。少し、部屋を見てもよろしいでしょうか?

不死原 ルイ ?構いませんが…

如月 雪夜  ありがとうございます。

泰誌 亮魔  んじゃ、俺も探し物するか。夜琥弥。少しの間頼んだ。

如月 夜琥弥 あぁ。

龍一郎    (こう言う時だけ気が合うのか…

       ………雪の手伝いでもするか。)

ーーーーー

ルイの父   ………

不死原 ルイ ………

如月 夜琥弥 不死原様。私ができるのはあなたのそばにいること。

       あなた様が話を始めなければ何も始まりませんよ。

不死原 ルイ ど、どうして…僕のことが嫌いなのですか?

ルイの父   …お前の母親が自殺したのは、お前のためだったからだ。

不死原 ルイ !………僕の…せいで…母上が?

如月 夜琥弥 ………

ルイの父   ………

如月 雪夜  ありました!

不死原 ルイ ?

如月 雪夜  解毒薬です。

不死原 ルイ え?解毒薬?

如月 雪夜  やはり、ご存知なかったのですね。

       不死原様。あなたのお父上はあなたに強い毒を飲ませていたのですよね。

不死原 ルイ は、はい。

如月 雪夜  それは、嘘です。

不死原 ルイ え?

如月 雪夜  不死原様を治療させていただいた時に毒の痕跡が感じられなかったので

       違和感があったんです。

       それで、湯呑みやこちらの解毒薬を調べさせていただいた結果。

       強い毒の痕跡がありませんでした。

       ですが、弱い毒とそれに対する解毒薬がありました。

       使われた痕跡もあります。

       不死原さんはどうして強い毒だと思ったのですか?

不死原 ルイ 色合いや匂いで…

如月 雪夜  おそらくですが、思い込まされていたのではないかと…

不死原 ルイ でも、幻術とかかかっている痕跡も、

       印を結んでいるところも見てないのに…

       どうやって…強い毒だって僕は思い込んで…!

龍一郎    確かに、元凄腕の忍びなら印結ばなくても術は発動できるし、

       ましてや、痕跡なんて残させないよな。

不死原 ルイ で、では…

如月 夜琥弥 整理すると、弱い毒に幻術をかけ不死原様に飲ませ

       不死原様の知らない間に解毒薬を使ったと言うことですか。

       もしかすると、あなた様がいきなり戦闘を仕掛けてくるのも

       この毒のことも、不死原様を強くするため…っと言うことでしょうか?

ルイの父   …さぁ、どうだか。

不死原 ルイ ……[ルイの瞳に涙が溢れる…]どう…して…

ルイの父   ………

不死原 ルイ どうして…なのですか?

ルイの父   …こんなことで泣くなんて、お前はやっぱり弱いな。

不死原 ルイ ! ゴシゴシ [涙を拭き取る]

[ルイが金縛りの術を解く]

泰誌 亮魔  ま、とりあえず、事件解決、仲直りってことで。

ルイの父   仲直り…か…

不死原 ルイ ジ〜 [ルイが真剣な目で父親を見つめる]

ルイの父   ………はぁ…わかった。もうお前が嫌がることはしない。

不死原 ルイ ! はい!

ルイの父   ルイ、少し腹が減ったんだが、何か作ってくれるか?

       [父親は優しい笑みを浮かべていた]

不死原 ルイ !はい!すぐに用意します!

[ルイが厨房に向かう]

泰誌 亮魔  さて、俺らは帰るぞ。

龍一郎    ?何でだ?

如月 夜琥弥 空気を読むこともできないのか?

如月 雪夜  この後に私たちはお邪魔ですから。

龍一郎    そうだな。(夜琥弥様の言葉はきついけど…)

ーーーーー

不死原 ルイ 父上。母上が自殺したのは、

       僕のためっていうのはどういうことですか?

ルイの父   ……俺からは言えない。

不死原 ルイ ?

ルイの父   それと、俺がお前の瞳を見て母親を思い出していたのは事実だが、

       同時に母親とお前を強くするって約束を思い出すから、

       お前にきつく当たった。………すまなかった。

不死原 ルイ ……ううん。もう、大丈夫です。

       僕を強くしてくれて、ありがとうございます。父上。

ルイの父   何をいってる、お前はまだまだ、弱いだろ。

不死原 ルイ !はい。これからもよろしくお願いします。父上。

ルイの父   ………あぁ。

不死原家の問題が無事に解決!

どうやら、ルイの父から雪夜に手紙が届いたようで?

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