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万愛雪月花   作者: 四家雪稀
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第十八話 『第三部隊』

第四部隊の凛と奏をうち。南東部に向かった雪夜と龍一郎。

なんとそこでは第三部隊の水野斉一と澪がいて…

   南東部

如月 雪夜  ビク

不死原 ルイ み、水野先生。

水野 斉一  ………

澪      向こうで人が倒れたのもあなたですね。如月雪夜様。

如月 雪夜  ………

澪      ですが、寝ているだけ。何故ですか?

如月 雪夜  ………

澪      話さないのですね。

       それでもいいですよ…ただーー

シュ ギッ

澪      力尽くでその作戦を阻止します。

如月 夜琥弥 やれるものなら、やってみてください。

不死原 ルイ 夜琥弥殿と時間を稼ぎます。その間に術をーー

如月 雪夜  は、はい!

澪      させません!

[澪は術を発動させようとする龍一郎と雪夜に攻撃を仕掛ける。

夜琥弥はそれを阻止する]

如月 夜琥弥 それは、こちらの台詞です。

澪      如月夜琥弥様。歌舞伎役者ですね。

如月 夜琥弥 私の歌舞伎、いつかご覧になっていただきたいです。

澪      はい。ぜひ。

水野 斉一  すぅー すぅー

澪      斉一様。いい加減手伝っていただけませんか?

水野 斉一  すぅー すぅー

澪      斉一様!?

       まだ、寝ていたいのですか?

水野 斉一  う〜ん

澪      ふふ わかりました。

如月 夜琥弥 ………

如月 雪夜  やってもいいのでしょうか?

龍一郎    いいだろ。

如月 雪夜  わかりました。

[雪夜は木の影に隠れて記消の術を使い

龍一郎は爽風の術で霧を広げる]

女の子    なんだか…急に眠くなってきちゃった…

男の子    なんだかいい匂いが…

[次々と人が倒れていく]

澪      へぇ〜

[澪は夜琥弥とルイと戦闘しながら雪夜の術を見ている。

夜琥弥は刀を振い澪に追撃をしていく]

澪      見学をしてもいいですか?

如月 夜琥弥 もう、していたでしょう。

       それに、妹をじろじろ見ないでいただきたい。

澪      申し訳ありません。少々、興味があるだけなので。

       《水遁の術》

[空中に水を出現させ、夜琥弥に攻撃する]

澪      避けますか…

如月 夜琥弥 ………

如月 雪夜  終わりました。

龍一郎    俺たちは次の場所へ行きます。

不死原 ルイ 頼みます!

[雪夜と龍一郎は北東に向かう]

澪      あとは第二部隊ですか。

       あの方々なら大丈夫だと思いますが…

如月 夜琥弥 (二番隊は確か雪夜を悪用すると考えた奴…

       確か、東北は…宝裏様…)

       チッ…

澪      え?なんで舌打ち…?

如月 夜琥弥 すみません。少々、考え事を。

澪      そ、そうですか。

       それより…斉一様。そろそろ手伝ってくれませんか?

       さっきから不死原様が見当たらないんです。

如月 夜琥弥 (気づかれていたか…)

水野 斉一  わかった。

[斉一は水弾の術でルイの肩を撃つ]

不死原 ルイ うっ

澪      みっけ!

[澪はルイの方にすぐに移動する]

如月 夜琥弥 (場所までバレているか…)

水野 斉一  気配がばればれ。もっと気配をころさす様にしないと。

不死原 ルイ は、はい。

如月 夜琥弥 (教師としての振る舞い…戦闘への不干渉…この人は補助をするだけか。

       なら、先に女性の方をやった方がいいな。)

水野 斉一  何?

如月 夜琥弥 いえ。特には。

水野 斉一  ………こっちにも事情があるんだよ。

如月 夜琥弥 左様ですか。申し訳ありません。それでは。

       (人には事情ってものがあるよな…俺も…雪も…)

[夜琥弥はルイの方に向かう]

水野 斉一  ………はぁ

       ほんと…うるさい……寝よ…

       すぅー すぅー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  木々の枝上

[澪はルイの脚に手裏剣を投げる]

不死原 ルイ うっ

[ルイはその場に止まり、澪がルイに忍刀を構える]

澪      見つけた。

不死原 ルイ ………

[ルイは何も構えず立ち止まっている]

澪      来ないのでしたら。こちらからいかせてもらいます。

[澪がルイに攻撃をするがルイは攻撃が当たる前に術を唱える]

不死原 ルイ 《幻術》

[澪は一瞬その場で止まったが手に忍刀を刺して幻術を解く]

澪      これでもう聞きません。

       それに。幻術は敵に気づかれないようにするのがいいですよ。

不死原 ルイ わかりました。澪先生。

[ルイはすぐに弓を引き一度に三本もの矢を澪に放つ。

澪は全てあまり体を動かさないように交わし弓を破壊しようと攻撃する。

しかし、ルイと澪の間に夜琥弥が現れ澪の攻撃を受け止める]

如月 夜琥弥 間に合ったようだな。

澪      斉一様はまた眠ってしまわれたようですね。

如月 夜琥弥 戦いにはご興味がないようで。

澪      実はそうなんです。

[澪は夜琥弥の刀と交えている忍刀への力を弱めて後ろに跳ぶ。

夜琥弥はすぐに距離を詰めて攻撃を繰り返すが、

澪の身軽な体の使いこなしによってかわされてしまう]

如月 夜琥弥 (やはり、上級の忍びには当たらないか…)

澪      (早いな…ぎりぎりで避けてるけど。気を抜いたら一発…)

[澪は水遁の術を使い空中に水を出現させると夜琥弥の方に撃ちこむ]

澪      (これでちょっとは目眩しに…)

[夜琥弥は刀を構えて少し息を整えると、

刀を一瞬のうちにして水を斬り、斬った勢いのまま澪の懐に入る]

澪      なっ!

[夜琥弥は刀の持ち手を澪の方に向けて澪の腹部に当てる]

澪      カハッ 

[澪は一気に視界が暗くなりその場に倒れ込む]

澪      ………

不死原 ルイ 《呪縛術》

[ルイの術によって紫色の縄が澪を拘束する]

澪      ………

如月 夜琥弥 では、彼女を連れて中央にーー

[言葉を言いかけた時、夜琥弥の首元に忍刀が置かれていた]

澪      申し訳ありません。

       まだ、私は降参しておりませんので。

不死原 ルイ 夜琥弥殿!

[いつの間にかルイの術で縛られていた澪は水となっていた。

どうやら、ルイの前に現れる前に忍術で分身をしていたそうだ]

如月 夜琥弥 分身か…

澪      おしゃべりはもういいです。

       ルイ様。武器を置いてください。

不死原 ルイ ………

[ルイは弓を地面に捨てなかった]

澪      ? いくら、貴方様が忍だからと言って

       尊敬している役者様を傷つけたくはないでしょう?

不死原 ルイ 違います。

澪      ?

不死原 ルイ 我は、夜琥弥殿を役者として尊敬しているんじゃありません。

       人として…たった一人の人として…尊敬しているのです!

[ルイは弓を構えて矢を放つ]

澪      !

[しかし、その矢は夜琥弥の身動きを取れなくしている澪ではなく

そのさらに後ろの方に飛んで行った。

澪は何を狙ったのかわからず矢が飛んで行った方へ目を向けるが

そこには何もなくただ矢が地面に刺さっているだけだった。

澪は夜琥弥の方に目を戻すと、そこに姿はなく、目を離した隙に逃げられたようだ]

澪      流石、歌舞伎役者です。

如月 夜琥弥 お褒めいただきありがとうございます。

[澪がルイを目や気配で探すが近くにはいない]

澪      (移動しましたか…)

[すると後ろっから三本の矢が澪の方に飛んでくる]

澪      (見つけた。矢の一直線上…)

[澪は矢を交わして飛んできた方向に向かう]

ーーーーー

[澪は矢が飛んできた高い木の上に行き

ルイがいるであろう場所の背後にまわり忍刀を振る]

澪      !

[しかし、そこにはルイはおらず、夜琥弥が正面から刀を構えていた。

お互いの刃が重なり金属の音が響く]

如月 夜琥弥 其方から来ていただけるとは。

澪      (何故、役者様が?不死原様はどこに!?)

[すると後ろから澪を紫の縄が縛る]

澪      (後ろか…)

[完全に縛り切る前に澪の姿は水となった]

不死原 ルイ また違いましたか…

如月 夜琥弥 見分け方はありますか?

不死原 ルイ あ、あるにはあるのですが…

[ルイは顔をどんどん赤らめていく]

如月 夜琥弥 どうしたのですか?

不死原 ルイ 澪先生の水分身は本体がその技を習得した時の姿をしているんです。

如月 夜琥弥 つまり、どういうことだ?

不死原 ルイ 本体がその後に付いた傷は分身にはないんです。

如月 夜琥弥 なるほどな。あの人はどこに傷があるんですか?

不死原 ルイ そ、それが…ふ…

如月 夜琥弥 ふ?

不死原 ルイ 太ももに…

如月 夜琥弥 ………なるほどな。

[二人の間に沈黙が続く]

不死原 ルイ こ、これは僕だけが知っているのではなく!

       生徒の大体は知っていますが、中々先生を見分けられていないんです!

如月 夜琥弥 だ、大丈夫です。理解しています。

       子供にそのようなことはさせられません。

       俺ができるだけ考慮しましょう。

不死原 ルイ も、申し訳ありません…

[二人が話している間に煙幕がはられる。

二人は急いで煙幕の煙を抜けると夜琥弥の方に澪が忍刀を構えて攻撃をする。

上からの攻撃だったため二人は地面に足をつけ刀を振り回す]

澪      作戦会議は終わりましたか?

如月 夜琥弥 なんのことでしょう。

[夜琥弥が大きく刀を振り澪が攻撃を避けると目の前で水分身を行い森を駆けていく]

如月 夜琥弥 きりがないな…

澪      得意分野ですので。

[ルイは澪の視覚外から矢を次々放つ]

澪      何本うったって矢が無くなるだけですよ。

如月 夜琥弥 (不死原様が気を引いている隙に見分けなければ…)

水野 斉一  左から二番目。

不死原 ルイ !?

[後ろから声がしたかと思い振り向くが誰もいない。

しかし、そのことだけに気をやることはなくルイは左から二番目の澪に矢を放つ]

澪      !

[澪は自分に矢が飛んできたことを感じてすぐに避ける]

澪      (なんで私が本物だってわかったの?

       でも、バレたなら攻撃あるのみ!)

[澪は夜琥弥に攻撃を仕掛けるが夜琥弥との間に矢を放たれ身を引く]

如月 夜琥弥 (不死原様…気づいたのか?

       俺は気づかぬふりをした方が良さそうだな。)

[そう考え、夜琥弥は澪に背中を向け分身を見る]

澪      (一旦、身を隠してまた分身すれば…)

[澪は木々の中に姿を隠し、同時に自分の分身も木々の中に走らせる。

夜琥弥は分身の方を選び追う]

ーーーーー

澪      (先に不死原様を見つけないと…)

[澪が木々の中を走っていると後ろから矢が飛んでくる気配を感じ

足を動かす速さを早め右へ曲がると矢も右へ曲がる]

澪      え!?

[澪はそこから何度も角を曲がって行くが矢も同じく角を曲がって澪を追いかける]

澪      (角を曲がっても矢が追いかけてくる…きりがない…)

[どんどん矢は加速して行くが澪の足はどんどん遅くなっていき、

ついには、矢は澪の体に当たる]

澪      !

[澪の心臓が全身に響き渡るぐらい跳ね上がり、目の前が赤く染まって行く]

澪      クッ…(幻術か…)

[澪は忍刀を再び構えて体を傷つけ目を覚まそうとするが

手が痺れ上手く忍刀を持てず落としてしまう。

そのまま体全体が痺れ始め呼吸も困難になって行く。

目の前には地の湖に自分の足がどんどん沈んでいっている]

澪      アァァァァァァ!

[フッ意識が途切れ澪は気絶して倒れてしまう。

斉一は澪駆け寄り体を抱え上げる]

水野 斉一  ………

[木々の奥から夜琥弥とルイが現れる]

如月 夜琥弥 中央に行かれるのですか?

水野 斉一  そうだね。

       捕縛術かけとく?

不死原 ルイ いいえ。代わりに水野先生から言っておいていただけますか?

水野 斉一  うん。いいよ。

[斉一は返事をすると澪を抱えたまま中央に向かっていった]

如月 夜琥弥 不死原様。矢の操作上手くいってよかったです。

不死原 ルイ !おおおおおお褒めに預かり光栄でございます!

如月 夜琥弥 ですが、どうして本物だとわかったのですか?

不死原 ルイ そ、それは……誰かに教えていただいたんです。

       本当は、戦ってほしくなったのでしょう。

如月 夜琥弥 ?

不死原 ルイ (咄嗟に気づいて幻術の強さを弱めたけど澪先生に後で謝罪をしないと…)

如月 夜琥弥 (何か考えがったんだな。)

       では、俺たちも行きましょうか。

不死原 ルイ い、いいのですか?

如月 夜琥弥 完全には信用できませんし、

       見張は多いほど良いでしょう。

不死原 ルイ そ、そうですね!

[夜琥弥とルイも中央へ向かった]

第三部隊をうち、中央に向かった夜琥弥とルイ。

雪夜と龍一郎が次に向かうのは北東。そこで遭遇したのは…

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