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万愛雪月花   作者: 四家雪稀
13/18

第十三話 『神冷』

天崎家の秘密はいったい何なのか。

小雪という名で呼ばれる理由…

客間 

バサッ [ミラが客間の窓の近くの木にとまり、中の様子をみる]

天崎 岩隆二 本日はお越しいただきありがとうございます。

       して、どのような御用件で?

如月 夜琥弥 本日は私目の舞台へと是非とお越しいただけたらと。

       少し冬の間は忙しくなるためその前に

       大きな舞台をお披露目いたしたいのです。

天崎 岩隆二 作用でしたか。ご招待ありがとうございます。

       (誰が行くか。この元貴族の慣れ損ないめ。

       貴族の真似事をして地位を守っている小童が。

       本来、貴様などがこの家に訪れることは許されないと言うのに…)

ちら [夜琥弥の隣にいる亮魔に目をうつす]

泰誌 亮魔  ………。

天崎 岩隆二 (この男。何者だ?儂に文を送りつけたのはこいつのはず…)

如月 夜琥弥 清玄様。

[夜琥弥は岩隆二の隣にいる清玄に話しかける。]

天崎 清玄  はい。

如月 夜琥弥 妹を見ませんでしたか?

       この前兄妹喧嘩をしてしまい家を出て行ったあと帰ってきていないのです。

       家を出る前に天崎家に行くと言っていたのですが…

天崎 清玄  いえ。帰られてからは何も…

天崎 岩隆二 妹様とは仲がよろしいでしょう。そのうち戻ってきますよ。

如月 夜琥弥 ご助言ありがとうございます。

ミラ     ピー…

バサッ [ミラは大丈夫そうだと思ったのか一度、雪夜がいる個室に戻ろうとした。]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 誰もいない廊下

龍一郎    ………

宝裏 怪奇  何をしている。

龍一郎    …変装ですが…

宝裏 怪奇  すぐにバレる。

       それに比べて…

不死原 ルイ ど、どうでしょうか。呪術で女になってみたのだが…

宝裏 怪奇  いいのではないですか。

龍一郎    (完全に対応が違う…)

シュ [突然ルイの胸にミラが飛び込む。]

ミラ     ピー ピー!

不死原 ルイ ミラ? あ、様子を見に来てくれたんだね。

ミラ     ピー!

宝裏 怪奇  なつかれていますね。

龍一郎    (俺は噛まれたのに…)

宝裏 怪奇  僕は客人のように振る舞うので

       あなた方は付き人としてついてきてください。

タタ

使用人    あっ

宝裏 怪奇  !にこ

使用人    ドキッ

[廊下の角で女性の使用人に出会ってしまうが怪奇が微笑んだだけで使用人はときめいてしまったようだ。]

宝裏 怪奇  こんばんわ。申し訳ありませんがここの主人の部屋はどちらでしょうか?

       どうやら迷ってしまいまして…僭越ながら教えていただけないでしょうか?

使用人    あ、あちらの角を左の突き当たりです…

宝裏 怪奇  ありがとうございます。にこ

使用人    はうぅ… し、失礼します!

[心臓がもたないと思ったのか早足で廊下を進んで行った。]

龍一郎    ………

宝裏 怪奇  ほら、行くぞ。

龍一郎    (そういえば…こいつ…生徒会長だった…)

宝裏 怪奇  ………←成績優秀生徒会長。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   個室

如月 雪夜  ………

シュ [天井から紅愛が降りてくる]

満月 紅愛  雪夜様!

如月 雪夜  紅愛様!?どうしてこちらに…

黒鬼 懸侍  シュ ……… [紅愛の首に刀を突きつける]

如月 雪夜  ………

満月 紅愛  …私は凄腕の忍びではありませんので

       雪夜様のそばにいることしかできません。

黒鬼 懸侍  ………ササ [刀をしまう]

満月 紅愛  ありがとうございます。

如月 雪夜  紅愛様…

満月 紅愛  あぁ…その…雪夜ちゃんは一人で何かしちゃったり

       迷ったりしちゃうから見張っとけって…夜琥弥様が…

如月 雪夜  ………そうでしたか。

満月 紅愛  夜琥弥様はは泰誌先生とともに敵を惹きつけていてくれています。

如月 雪夜  わかりました。では、わたしにも作戦を教えてくれますか?

満月 紅愛  はい。

       実は、この家の主人の天崎岩隆二様は大名から

       牢に入れろっとの依頼があったのです。

       年貢を完全におさめていないなど…

       調べているうちに、ここに使えている黒鬼家の方々、

       使用人の方々はあまりお金をもらえていないなどのこともわかりました。

       そこでまずは、先ほども言ったとおり、

       泰誌先生と夜琥弥様が敵を惹きつけて

       宝裏様、不死原様、龍一郎で証拠を探します。

如月 雪夜  なるほど。承知いたしました。

       紅愛様。私、やりたいことがございます。

       少々お付き合い願えますか?

満月 紅愛  はい。構いませんよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   天崎家 薫の部屋

黒鬼 懸侍  懸侍です。

黒鬼 薫   どうぞ。

[懸侍が雪夜と紅愛を部屋に案内し障子を開けるとそこには女性がいた。

女性は病があるのか、上半身だけを起こしていて布団からは出ていない。]

黒鬼 薫   おかえりなさい、懸侍。

黒鬼 懸侍  ただいま戻りました。

黒鬼 薫   あら?どちら様かしら?

[薫は雪夜と紅愛がいることに気づきたずねる。]

満月 紅愛  お初にお目にかかります。満月紅愛と申します。

如月 雪夜  如月雪夜と申します。

黒鬼 薫   懸侍の母の[黒鬼 薫 (くろき かおる)]です。

       このような格好で申し訳ありません。

満月 紅愛  構いません。此度はこちらの如月様があなたに用がありまして参りました。

黒鬼 薫   私にですか?

如月 雪夜  はい。私は如月医院で医師をしています。

       本日は薫様の診察に参りました。

黒鬼 薫   ………申し訳ありません。お断りさせていただきます。

如月 雪夜  理由をお聞きしても?

黒鬼 薫   ………お金がないんです…私の夫はずっと働きっぱなしで

       ですが、あまりお金がもらえなくて…食事代で手一杯なんです。

       わざわざきてくださったのに申し訳ありません。

如月 雪夜  いえ。お話が聞けてよかったです。

       では、失礼します。

満月 紅愛  ………

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   黒鬼家 廊下

如月 雪夜  ………

満月 紅愛  雪夜様。どうされますか?

如月 雪夜  ……私に考えがあります。

満月 紅愛  ?

黒鬼 懸侍  ………如月様。

如月 雪夜  はい。

黒鬼 懸侍  俺の言葉、聞こえていたのですか?

如月 雪夜  ……はい。ですから、頼まれたことを果たすために

       黒鬼様に手伝っていただきたいのです。

黒鬼 懸侍  ………感謝いたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 当主の部屋

宝裏 怪奇  ここだね。

ガラガラ [女性の使用人に教えてもらった部屋に入る]

龍一郎    ひ、広い…

不死原 ルイ 当主だからでしょうか。

ミラ     ピー

宝裏 怪奇  とりあえず、自分ははここを探しますので

       龍一郎は奥。ルイさんは自分の反対側を頼みます。

龍一郎    よし、やるか。

不死原 ルイ 先生が時間を稼いでくれてる間だけですから…急がないといけませんね。

宝裏 怪奇  さて、どこにあるのやら…

ーーーー

ミラ     ! ピー ピー!

龍一郎    ?

不死原 ルイ ミラ。何か見つけたのか?

宝裏 怪奇  巻物…[ミラは見つけた巻物を拾い上げ中身を見る。]

龍一郎    何が書いてありますか?

宝裏 怪奇  天崎岩隆二が当主になるという計画ですね。

不死原 ルイ 内容は証拠になりそうですか?

宝裏 怪奇  はい。お手柄ですよ。ミラさん。

ミラ     ドヤァ

[ミラはルイの頭の上に乗って翼を腰に当て誇らしいっという顔をしている。]

使用人    ?誰かいるのか?

[廊下にいる使用人が違和感を感じ当主の部屋の方に声をかけ、扉を開ける。

だがそこには誰もいなかった。]

使用人    ? 気のせいか…

[使用人は仕事場に戻る]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 当主の部屋 天井裏

不死原 ルイ あ、危なかった…

龍一郎    (足音は使用人か…)

宝裏 怪奇  流石、地獄耳ですね。ですが、自分の方が先に気配を感じていました。

龍一郎    [怒り]さ、左様ですか…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   黒鬼家 獄侍の部屋

黒鬼 懸侍  ………懸侍です。

黒鬼 獄侍  入れ。

[懸侍たちが部屋に入る。]

黒鬼 獄侍  ……客人ですか?

如月 雪夜  ニコ

[雪夜たちは薫のことを懸侍の父親、[黒鬼 獄侍 (くろき ごくじ)]に話す。]

ーーーーー

黒鬼 獄侍  ……薫の…病を…

如月 雪夜  はい。まだ、病名はわかりません。

       ですので、診させていただきたいのです。

黒鬼 獄侍  できません。おかえりください。

満月 紅愛  ……それは…

如月 雪夜  それはできません。お客様のご依頼をこなせなくなってしまいます。

       今、私の兄と先生が岩隆二様を捕えようとしています。

黒鬼 獄侍  ササ [獄侍が刀をもつ。]

如月 雪夜  ご安心ください。薫様の近くにいた使用人、見張り、全てとらえました。

黒鬼 獄侍  !

如月 雪夜  ですので、少々私どもにお時間をいただけないでしょうか。

黒鬼 獄侍  ………

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   客間

ミラ     ピー ピー

[窓の外からミラが鳴いている声が聞こえる。]

天崎 岩隆二 小鳥ですかな?

泰誌 亮魔  ……それではここいらで話をくぎりましょうか。

ササ [亮魔と夜琥弥が立ち上がる。]

天崎 岩隆二 では、お見送りいたします。

泰誌 亮魔  結構だ。

天崎 岩隆二 ?ど、どうかされましたか?

ミラ     ピー ピー [いつのまにか客間の窓から部屋に入っていたミラ。]

天崎 清玄  ミラ?

シュ シュ [天井から龍一郎、怪奇、ルイがあらわれる。]

天崎 岩隆二 な、何奴!

宝裏 怪奇  少し手こずりましたよ。

       部屋が散らかっていましたので探すのに手こずってしまいました。

不死原 ルイ ミラが見つけてくれました。

ミラ     ピー!

泰誌 亮魔  天崎岩隆二。

       農民達が収めている年貢を自分のものにし、

       国に出す量を減らし農民や天候のせいにした。

       よって幕府からの命令でお前を牢へ連れて行く。

天崎 岩隆二 しょ、証拠はあるのか!

宝裏 怪奇  泰誌先生。これが見つけた巻物です。

ササ [怪奇は巻物を亮魔に渡す。]

天崎 岩隆二 な、なんだそれは!

泰誌 亮魔  ……なるほどな。天崎清玄様。

天崎 清玄  !

泰誌 亮魔  お前の父親は誰ですか?

天崎 琴月  …が、岩隆二様…です…

泰誌 亮魔  それはおかしいな。そいつの兄がお前の父親のはずだ。

天崎 岩隆二 な、なぜそれを!

泰誌 亮魔  お前は当主になってそのまま権力者になりたかったみたいだな。

天崎 岩隆二 …クッ…そ、そうだ!あんな兄に任せていたら俺が除け者扱いだ!

[岩隆二は清玄を睨みつける]

天崎 清玄  !

天崎 岩隆二 なあ、清玄…お前の父親は俺だよな?

       俺が今までお前を育ててきたんだから。

天崎 清玄  ………ち、違う…

       お前なんかが僕の父親なわけがない!

[清玄は自分と岩隆二が過ごしてきた日々を思い出し岩隆二の言葉を否定する。]

天崎 清玄  懸侍を僕の護衛につけてから、懸侍が仕事に失敗したとき

       懸侍の父親に懸侍を躾けさせて…傷つけさせて…

       それに…僕のこと気にも止めてくれなくて…!

ササ ダダダダ [清玄は何かに気がついたのか部屋を後にして雪夜の部屋に向かった。]

天崎 岩隆二 清玄!

龍一郎    俺が追います。

泰誌 亮魔  分かった、ミラも行け。

ミラ     ピー!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 天崎家 廊下

天崎 清玄  (小雪…小雪…)

[清玄は勢いよく雪夜の部屋の障子を開ける。]

天崎 清玄  小雪!

[そこには雪夜の姿も見張り役である懸侍の姿もなかった。]

天崎 清玄  ……[清玄の体が床に崩れ、頬には涙がつたっていた。]小雪…

龍一郎    …清玄様。

ミラ     ピー…

天崎 清玄  !…早く僕も捕まえてくださいよ!僕だって人攫いをしたんですよ!

龍一郎    ………雪の場所までご案内いたします。

天崎 清玄  え?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  天崎家 薫の部屋

[ミラが雪夜のいる薫の部屋に案内する。]

ミラ     ピー ピー!

如月 雪夜  ミラ。龍君!

龍一郎    !……俺のこと…覚えているのか?

如月 雪夜  覚えています。ごめんなさい。会うのが遅くなってしまいました。

龍一郎    いいんだよ。雪が無事なら…

       清玄様を連れてきた。始めてくれ。

如月 雪夜  はい。

黒鬼 薫   あの、お、お断りをしたはずなのですが…

黒鬼 獄持  薫、金のことは気にしなくていい。

龍一郎    そして、岩隆二様がしてきたことの証拠は掴んでいます。

       今はもうとらえられているかと。

黒鬼 薫   そ、それは…

黒鬼 獄持  俺たちはもう自由だ。だからもういいんだ。

       我慢する必要もない。

黒鬼 薫   !

黒鬼 獄持  医師殿。

如月 雪夜  はい。

黒鬼 獄持  金ならいくらでも差し上げます。どうか薫の治療をお願いします。

[獄侍は雪夜に向かって頭を下げて頼む。]

黒鬼 薫   待ってください。わたしのためにそんな。

黒鬼 懸侍  俺からも、お願いします。

黒鬼 薫   !

如月 雪夜  …わかりました。お代は診てから決めますので

       それまで外でお待ちください。

天崎 清玄  小雪…

如月 雪夜  清玄さん。申し訳ありません。せっかく来ていただいたのですが、

       少しの間お待ちいただけますか?

天崎 清玄  ………

ーーーーー

如月 雪夜  心の準備はいいですか?

黒鬼 薫   私は夫と息子を亡くすのは嫌なんです。

如月 雪夜  大丈夫です。奥様。[薫の手を雪夜は両手で包み込む。]

       私はあなた方家族を引き離したりなんかしません。

       奥様はまずお身体を治して元気になることが仕事です。

       元気になったら家族でこれまでの分も幸せに暮らしていただきたいのです。

黒鬼 薫   !…ありがとうございます…[一滴の涙が頬をつたう]

ーーーーー

如月 雪夜  それでは始めますね。

黒鬼 薫   ………はい…よろしくお願いします。

如月 雪夜  (《記消の術》)

シュゥゥゥ [部屋中に薄白い霧が発生する。]

黒鬼 薫   すぅー すぅー

如月 雪夜  (《眼麗身》

       ……これですね。

       黒い遺物、それを体内に繋ぎ止めている白い糸…

       《小刃術》まずは肌を切って…

       《吸血停間》血の流れを少しとめる…

       …そして…黒いものの糸を切る…

       ? これは…繋ぎ止めているんじゃない…

       生えている…体内に植え付けられている?

       集中しなければ…それなら全て抜き取るまでです。

       《吸纒の術》…

       …………あと少し…)

黒鬼 薫   ………

如月 雪夜  (必ず…助けます………必ず…)

ササ [遺物を取り除いた]

如月 雪夜  (まだ気を抜いてはいけません。傷口を塞がないと…

       《糸療術》…肌を縫って…糸を切る…)

ササ [《小刃術》で糸を切る]

如月 雪夜  ふぅ…

黒鬼 薫   すぅー すぅー

如月 雪夜  …ニコ ゆっくり休んでください。

ササ ササ [はだけていた薫の着物を整える]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   別部屋

如月 雪夜  終わりました。

黒鬼 獄持  どうでしたか?

如月 雪夜  手術の答えはその方が目覚めるまでわからないのです。

       だから、そばにいてあげてください。

黒鬼 獄侍  !感謝いたします。[急いで薫のもとに向かう。]

黒鬼 懸侍  …… [懸侍は雪夜にお辞儀をして薫のもとに向かう]

如月 雪夜  ………

如月 夜琥弥 雪夜。

如月 雪夜  兄様…ササ グラ 

[夜琥弥の方に振り返ると、雪夜は視界が歪み体がふらついてしまう。

夜琥弥は雪夜の体を受け止め支える。]

如月 夜琥弥 疲れたんだろ少し休め。

如月 雪夜  はい。ありがとうございます…

       それから…勝手なことを言ったまま家を出て…

       このようなことになってしまい。申し訳ありません。

如月 夜琥弥 いや、俺がお前の気持ちを考えていなかったんだ。

       悪かった。

如月 雪夜  兄様は私のことを考えていてくれたのに

       私はその気持ちを踏み躙ってしまいました。

       罰は受けます。

如月 夜琥弥 ……なら仕事が落ち着いた時に少し出かける。

       それの手伝いをしてもらおう。

如月 雪夜  ……ニコ はい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   個室

天崎 清玄  ………

如月 雪夜  清玄さん。

天崎 清玄  …小雪…自分でも何をしたかわかっています。ですから…

如月 雪夜  あなたのおかげです。あなたが私に記憶を取り戻させてくれました。

天崎 清玄  !

如月 雪夜  十年前のあの頃のこと…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   商店街

如月 雪夜  人が大勢いた仲、あなたはお忍びで商店街に来ていました。

幼き清玄   はぁ はぁ はぁ

如月 雪夜  ですが、あなたは自分の病気のことを知らずに外に出てしまいました。

       皮膚が炎症を起こして、息が荒く体は立っているのがやっとの状態でした。

天崎 清玄  …うん…だから人がいない、日が当たらない場所に行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   路地裏

幼き清玄   はぁ はぁ

幼き雪夜   ! だ、大丈夫ですか!?

幼き清玄   はぁ はぁ だ、誰?

幼き雪夜   え、えっと…こ、小雪っといいます。

如月 雪夜  貴族であることを隠すために名前を偽装しました。

幼き雪夜   あ、肌が暑い…み、水を…これを飲んでください。

幼き清玄   ! ササ ごくごく[雪夜が持っていた竹の水筒の水を飲む。]

幼き雪夜   い、今はお母様がいないから…これだけしかできないんです…

       ごめんなさい…

幼き清玄   ううん。少しだけ楽になった。ありがとう。

幼き雪夜   よ、よかったです。あ、少しここでお待ちください。

ーーーーー

幼き雪夜   これをさしてください。

[雪夜は商店街で傘を買って幼き清玄に渡す。]

幼き清玄   傘?

幼き雪夜   肌に日があたってはまた苦しくなってしまうので。

       これをさして家におかえりください。

幼き清玄   う、うん…ありがとう…

幼き雪夜   はい!

天崎 清玄  あの時から家に外に出るのが怖くなったけど

       君に会いたいって何度も思って…

       少しだけ外に出て商店街で君に何度も出会った。

如月 雪夜  龍君やお母様に誘われて商店街でお買い物をしていたんです。

天崎 清玄  君が一人になったところを狙って話しかけていたっけ。

如月 雪夜  でも、いつのまにか清玄さんは商店街に来れなくなってしまいました。

天崎 清玄  うん。皮膚の病気が悪くなって外に出られなくなった。

       だから、懸侍に君を見張らせた。

       それで、君が僕と同じ貴族であること、医療忍者であることも知った。

       元貴族である君に婚約を申し込めばどちらにも利益があるって考えもした。

如月 雪夜  ……清玄さんは私に自分のことが好きかどうかお聞きしました。

天崎 清玄  !

如月 雪夜  あの時は状況が分からなくてすぐには言えませんでしたが…

       今なら言えます。

       あの頃と気持ちは変わりません。清玄さんのこと大好きです。

天崎 清玄  僕は君にひどいことをしたのに…どうして?

如月 雪夜  清玄様手を出してみてください。

[清玄は雪夜に両手を差し出す。雪夜は清玄の両手でを握る。]

如月 雪夜  (《回療の術》……《神冷》…)

[雪夜が心の中で唱えると清玄の体が白い布のようなものが何本もふんわりと巻き付き光を放つ。清玄の体全体を包み込むと光が拡散し光が消える。]

天崎 清玄  …なにが…起きたの?

如月 雪夜  ニコ こちらへ

[雪夜は部屋から出て縁側に向かい、中庭に出る。]

天崎 清玄  !

タ、タ、タ、タ [清玄が中庭を歩く。]

如月 雪夜  体の方はどうですか?

天崎 清玄  ぽろ ぽろ ぽろ [清玄の瞳からは涙が溢れていた。]

       全然痛くない…痛くない…

如月 雪夜  ニコ

天崎 清玄  やっぱり…小雪はすごい。 

如月 雪夜  …清玄さん。たとえ私の体が傷ついても

       目の前で苦しんでる人を助けたい。

       ………今までありがとうございました。

       これからはお友達としてよろしくお願いします。清玄様。

天崎 清玄  はい。雪夜様。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   薫の部屋

黒鬼 薫   ……うぅ…うん?

黒鬼 獄侍  !薫!

黒鬼 薫   …獄侍さん…

ギュ [薫が体をゆっくり起こすと獄侍が薫を抱きしめる。]

黒鬼 薫   !

黒鬼 獄侍  よかった…本当に…よかった…

黒鬼 薫   ………はい…もう大丈夫です。ありがとうございます。

黒鬼 懸侍  ………

[薫は懸侍に片方の手を差し伸べる]

ササ ギュ [懸侍が薫の近くに行き薫に抱きしめられる。]

黒鬼 懸侍  ………[懸侍は安心したのか涙が一滴頬をつたっていた。]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

如月 雪夜  こうして、天崎家の当主天崎岩隆二様は牢屋へ送られました。

       清玄様は紅愛様、宝裏様、兄様の特権で

       岩隆二様のお兄様のもとへ。

       時期に当主の座を得られるように今は頑張っているそうです。

       黒鬼さん達は被害者の上ちゃんとした税をもらえなかったため

       ちゃんした税と

       岩隆二様のお兄様のもとで働く働き場をもらうこととなりました。

       そして、黒鬼様と清玄様にの私の術の記憶は全て消しました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 天崎家事件から数日 如月家 雪夜の部屋

龍一郎    雪、何してるんだ?

如月 雪夜  陸君と海君の宿題を作っているんです。

龍一郎    なるほどな。………なぁ、清玄様のこと好きなのか?

如月 雪夜  ………聞こえていましたか?

龍一郎    …盗み聞きするつもりはなかったんだ。

       ごめん。

如月 雪夜  いいえ。大丈夫です。

       あの時言ったとうりです。子供の頃と変わらない思いです。

龍一郎    そっか。安心した。

如月 雪夜  ?何にですか?

龍一郎    なんでもない。

如月 雪夜  ?

天崎家の事件解決!

そして一年が終わる。

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