04:質疑応答・下
【2-4】
用が済んだのか、3分ほどして紅水さんは帰ってきた。
「ごめんごめん!」
彼女は席に着く。
「一つ聞いていい?」
「んー?なぁに?」
「今の電話の相手なんだけど、夜渡橋って……」
「あぁ、庁長のこと?」
「ちょうちょう?」
「庁の長よ。情報庁のリーダー」
「夜渡橋さんが……?」
酷く忙しいとは聞いてはいたが、そうか、そういうことだったのか……
すごいな、あの人……
「あぁ、白露は知っているんだったね。
今日私がここに来たのは、庁長の命があったというのもあるの」
「……」
「話を戻すね。例の世界を救う話はしっかり考えて決定して」
「分かった。 今日中に決めるよ」
時間がない、と言っていた。今日答えを出すしかない。
「ところでなんだけどさ……」
「?」
「世界の件とは別に、私をここに住まわせてくれないかな」
「えっ?」
「あなたは私が老人姿だったにもかかわらず、救命措置をしてくれたじゃない?」
「ああ。」
「なぜ助けたの?」
「ん?」
「だっておかしいじゃない?」
彼女は続ける。
「自分の家に見知らぬ人が入り込んで、勝手に浴槽で溺れた。
なんでそんな怪しい人をあなたは助けたの?」
「それが誰であろうが死にかけていたから助ける、当然だよ。 万人に対する救命は医者しかやってはいけない事じゃないだろ?」
「そう……」
神代紅水は席をすっと立ち、こちらに近寄ってくる。
「私ね、白露。あなたに興味があるの……」
「え! ……ちょっと?」
「あなたと一緒なら私、きっと退屈しないと思うの……」
瞳の中をじっと見つめられる。
「俺は普通の人間だぁ!」
「ね、いいかな?一緒に住んでも……」
もう心臓がギブアップだった。
「…………一緒に住むのが俺みたいなので良いんなら」
「その……いいよ」
「ありがとう!! うれしいわ!!」
……空き部屋はいくつもあるわけだし、
まぁ。なるようになるだろ!!
続く