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1616(イロイロ)!!16人の高校二年生世界を変える  作者: ゆぴた
第一章:秋野 白露(あきの はくろ)
2/16

01:始業式・上

今後とも丁寧に仕上げていきます。


宜しくお願い致します。

第1話


【1-1】


4月3日

――春雨はるさめ


自身の汗と湿気が混ざった嫌なモノで俺のシャツの中はいっぱいだった。


おまけに喚気もないから、気持ち悪さは増すばかり。


これでは気が萎えてしまう。


ジャケットを捨ててシャツを脱ぎさえすれば、ムワッとしたものはシャツから追い出されるように逃げ、俺は解放される。


だができない!


四方八方には人がいるからだ。そして何より、ここは公すぎる場だ。


脱げば色々アウト……。


今日は公立・小倉高校の入学式。俺たちは皆体操座りをしていた。


式が始まって何分経ったのかなんて考えたくもない。


どうせ誰も聞いていない校長の話は聞き流すのですら疲れてきた。


時計に何度も目をやっているが、奴が話し始めてから長針が半周した。


隣の平気そうな顔をしている女子は何度も座りなおしたりを繰り返している。


思っていることは皆同じのようで、周りがじりじりしている。


これは理想なのだが、俺は列の後部に座っていたかった。


俺なら足の間で数独やらなんやらをして暇つぶしをする。


(間違ってもスマホを使わないのは、ばれたときの対処が面倒だからだ。

そう、俺の場合は特に)


そして今から言うのが現実だ。


列の先頭に座らされている生徒が俺だ。


去年学級委員長だった、というだけで一番前にされた。


苗字が『あ』ではじまるので、普通の生徒であっても結局、今とは変わらない。


意味はないとは思うも、こんな苗字を与えた両親を恨む。


退屈すぎる時間とシャツの不快感、それに加えて自分が自転車通学者だということ……


――トントントン……

俺はひとさし指で抱えてあった膝を速いテンポで叩き始めた。


――ざぁぁぁぁぁあ……

降水が勢いを増す。


ここからちょっと離れたところにある、開けっ放しにしてあるドアからそれを視覚・聴覚で感じる。


手元の音がかき消された。


続く、


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